障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

手に職のブルーカラーがAIに仕事を奪われることは、100%あり得ない。

最近、AIに仕事を奪われる。というニュースが目立ちます。

実際問題として論理的思考力のない、パターン認識のAIに仕事を奪われることなんてあり得ないのに、文系の人間はそれを理解できていません。


☆☆☆


囲碁や将棋のような条件の狭いゲームにおいては、パターン認識だけで棋士に勝つことができます。

過去の膨大な棋譜をAIに読み込ませることで、人間の棋士に打ち勝つことができるからです。

ディープラーニングという奴です。


だけど、コンビニ店員のようなお客さんがどんなことを喋ってくるのか全パターン認識するのが不可能な業務を、AIが代替することなんてできません。

事実上、不可能です。


いままでのパターンの外の範囲の質問だってしてくるのに、AIに接客なんてさせたらエラーになるに決まってます。

たとえば、お客さんが赤マルっていま幾らよ?

って聞いてきたらAIじゃもう無理です。接客できません。


人間だったら過去の経験則から赤マル(赤いタバコ→フィリップモリス社のタバコのことだから、これか!)と、その場で論理的に思考できるため、棚に乗ってる赤マルの値段を調べ最初分からなくても、その場で解を見つけることができます。


最も低賃金労働のコンビニアルバイトすらAIでは代替できないんです。無理です。警備員だってほぼ無理です。

おかしな動きをしている人をパターン認識で検知することはできても、街を歩いている人からパターン認識の外の質問をされたら、すぐエラーになってしまいます。


では、いま仕事を奪われている人たちは、何に仕事を奪われているのか?

それはIT(情報技術)にです。


これ↓とか、ITに仕事を奪われてるんです。


■これ(メガバンクの大量リストラの記事)

メガバンク大失職時代の記事

出典:週刊現代ホームページ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52015


記事にはAIって書かれてますが、実際に人から仕事を奪っているのは、AIではなく情報技術(プログラム)です。

論理演算のできるプログラムが人間の仕事を奪っているんです。


たとえば、Amazonで買い物カゴボタンをぽちっと押すだけで、自宅に商品が届きます。

よって実店舗のフロアーに商品を陳列する社員と、レジ打ちの社員の仕事が失われます。


銀行でATMを操作することで現金を引き出します。

すると、昭和のころは行員が現金を手渡してくれたのですが、そういう行員の仕事が奪われ無くなります。


プログラムされたATMの機械によって、文系社員の仕事が奪われているんです。

で、今後プログラムに仕事を奪われる人たちってのは、「事務職」です。


ATMなどは既に銀行に行けば大量に設置してあるためです。そこは既にリストラが完了されているのです。

今後失われる仕事はホワイトカラーの事務職です。

たとえば、会社にやってきてパソコンの電源を入れて、キーボードをカチカチ叩いてデータを生成するホワイトカラーが、一番の標的になります。


パソコンを叩いて経営資源に役立つ売上や原価のデータを作ったり、経理部が決算書作ったり、総務部が消耗品購入したり、そういった仕事が今後プログラムに代替されていくことで、失われていきます。


だからメガバンクも大量の事務職が失職し、日本企業は正社員をリストラできないため、営業職に配置転換されることになります。

席に座ってパソコンを叩いてデータ入力をする仕事が、今後失われていく仕事です。


そして、それらはAIによって失われるのではなく、情報技術(IT)によって失われていくのです。

では、ホワイトカラーと対を成すブルーカラーはどうでしょうか?


ブルーカラー、すなわち建設現場で肉体労働している人たちの所得は、いまどう変化しているのでしょうか?

それがこちら↓です。


■年収の増加率が10%を越える職業リスト

年収の増加率が10%を越える職業リスト

出典:舞田敏彦さんのツイート

※黄色の部分は特に意味ありません。


当たり前っちゃ当たり前なんだけど、ブルーカラーはITにもAIにも代替できません。

ブルーカラーを代替させたいならロボット工学を進化させ、人型ロボットか、生態アンドロイド作らなきゃいけないんですが、まだ人類の科学技術はそこまで進化していません。


よって、年収が増加してる職種って半分以上がブルーカラーなんです。

1位が精紡工、2位が掘削・発破工、3位が歯科医師、4位が鉄筋工で5位が不動産鑑定士


所得が上昇した職業のうちホワイトカラーは法律で保護されている5位の不動産鑑定士のみであり、3位の歯科医師は手先を動かす技術職・職人です。

残りの1位2位と4位、つまり精紡工、掘削・発破工、鉄筋工は、ロボットが人間の代替になるほど発達しないと、工事現場で人が仕事を奪われることはあり得ません。

あと100年後とか200年後の話です。


人間と変わりのないアンドロイドや人型ロボットができるのは、未来の話なんです。

だから現場の肉体労働は全くと言っていいほど、AIとIT(プログラム)によって仕事を奪われることはないのです。


で、昭和脳の親御さんは偏差値の高い良い高校、良い大学に入って、いま仕事を奪われ失職しているホワイトカラーの事務職になりなさい

って言ってますよね。


偏差値30台の工業高校に入って、或いは中卒で高専に入って、精紡工や掘削・発破工になりなさい。

なんて言いませんよね。


あと世間知らずの学校の先生も、そんなこと言いません。

ブルーカラーなんて3K(きつい、きたない、危険)だから、頭の良い子は行くべきでない。って言いますよね。


つまりはそういうことです。

親や先生の考えより「自分の頭で思考して現代社会を理解する」ほうが大事なんです。


実際には良い大学行っても何の技術も技能もなければ、たとえメガバンクに入社できたとしても、リストラされる運命にあるんです。

いまは昭和じゃない。平成なんだ。


世は手に職の時代なんです。手を動かす(AIとITに代替できない)仕事の所得がどんどん上昇しているんです。

そらそうです。人口が減って、それ以上に子供も労働者も減っているのに、ブルーカラーは替えが利かないから。


ブルーカラーは人でないと務まらない職業がほとんどなんです。

で、その職業のほぼ全てが「手に職」の仕事であり、そして技術者であることからも「専門職」なんです。


ブルーカラーの専門職を脅かす科学技術はロボット工学であり、ロボットが人間の代わりをしてくれるには、あと100年か200年は掛かります。

だからブルーカラーがAIに仕事を奪われることは、絶対にあり得ません。

仕事が奪われるのは文系、文系のホワイトカラーということです。

関連エントリー