障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

ビックカメラとヨドバシカメラとヤマダ電機の店員さんを比較してみる。

東京にはビックカメラヨドバシカメラヤマダ電機という3つの大手量販店があります。

3社ともポイントカードがあるため、商品を購入して帰るときに、ポイントが加算されます。


☆☆☆


よって、客はポイントを使うために再びお店に来店する行動を起こします。そのような仕組みを設けているのです。


商品を購入すると、商品購入後、またポイントが加算されるため、再び来店することから、何度もお店に行く習慣が付いてしまうのです。


そういう中毒性のシステムが私は大嫌いなため、ポイントカードを使わないし、そもそも大手量販店にはほとんど行かなくなりました。


客を不幸にすることで利潤を高める仕組みが嫌いだからです。ただ、小物を買うときには3社とも利用していることから、3社の店員の特徴も、ある程度把握しています。

3社ともに特徴があるため、それをここで比較してみようと思います。


1.ヤマダ電機の店員さん

ヤマダ電機の店員さんは商品の知識があまりないです。そのため、いてもいなくてもどちらでもいいときがあります。


カメラ売り場などでは値段を見ていると、客の隣に寄り添って、ただじっと動かないという行動を起こします。


隣にいるだけで、喋りかけてくるわけでもなく、ただこちらをじっと見ているだけです。はっきり言って気味が悪いです。


洗濯機や冷蔵庫など白物家電売り場の店員さんは、商品の説明を聞こうとしても知識がないため、分からず、「少しお待ちください」と言って待たされます。

言われるがままに待っていると、商品知識の詳しい店員さんがやってきます。


そこでメーカー別の性能差と価格別の性能差について少し詳しく質問をします。するとまた「少々お待ちください」と言って、さらに詳しいフロア長みたいな店員さんがやってきます。


そのため、ひたすら待たされます。
ただ、最後のフロア長みたいな店員さんは、商品知識が非常に多く、能力が高いです。


同一性能のもので同一品質の洗濯機におけるメーカー別の価格帯などもさらっと教えてくれます。そのため、時間は掛かるものの、問題解決はできるということです。


また、商品購入後、同一店舗に在庫がないと、商品の配達に2週間から1ヶ月かかるときもあります。


ヤマダ電機は食品売り場も設けています。
食品売り場の店員さんは親切な方が多く、コンビニ店員(特にセブンイレブン)のように、いつもキレてて、イライラしている人がいません。


そのため、安心して買い物をすることができます。分からないことを聞くと、親切に教えてくれますし、フロアも綺麗で、照明も明るく、商品も見やすいです。


ただ、街のドラッグストアよりも商品の価格が1割程度高いです。そして売れ残り商品にだけ大幅にポイント還元がされており、売れ筋商品は3%程度しかポイント還元がなされないため、ドラッグストアを使うことが多いです。


ヤマダ電機をあまり使わないのは、商品購入後のポイント還元によって、そのポイントを消費するため、再度来店するのが面倒だからでもあります。企業の思惑通りに動くのが嫌なのです。


ヤマダ電機の薬売り場の店員さんは、人がいないため、やる気がなく、ダラダラしています。でもそれはプライジング(値付け)が間違えているからであり、価格が割高だからです。

店員さんの責務ではありません。


2.ビックカメラの店員さん

1万円以内の小物を買うとき、私が一番よく利用しているのがビックカメラです。なぜ、ビックカメラでキーボードやマウスやHDDのような小物を購入するのか。


それはビックカメラの店員さんが、アナーキー無政府状態)で話しやすく、誠実だからです。


たとえば外付けブルーレイドライブを購入しにビックカメラへ行ったときのことです。

  「読み込みと書き込みが出来るブルーレイドライブが欲しい」

と、必要な性能を伝えると、ビックカメラの店員さんは

  「この棚に並んでいるの全部一緒。どれでも好きなモノをどうぞ!!」

と説明してくれます。


その棚には薄型の外付けブルーレイドライブから、サイズが少し厚めの
ブルーレイドライブまで、価格帯としては一番高価な商品と、一番安い商品とで、2倍の開きがありました。それを

  「どれを買っても同じだから好きなの選んでね!!」

と言うのです。


ここまで歯に衣を着せない言いっぷりは、アナーキーを通り越してむしろ清々しいです。


正直に答えてくれるとその価格が安い部品を使っているための価格なのか、それとも企業努力によって低価格化しているのか。


また、薄型の外付けブルーレイドライブのほうが質の高い部品を使っているため長持ちするのではなく、薄型にするために割高な価格設定にしているなど、商品知識のある店員さんがズバッと適切な回答をしてくれるため、商品の選択が段々と絞られてくるのです。


良質なアドバイスを店員さんにもらえると、非常に楽に一番コストパフォーマンスの高い商品を選ぶことができるため、実に頼りになると感じます。


以前にセキュリティソフトについて質問したときも、これでもかと言うくらいに歯に衣を着せず

  「一番性能のいいセキュリティソフトはこれです!!」

とズバリ教えてくれました。
そのため、商品の選択が実に楽にできてしまいます。


少しアナーキーであり、上品ではなく、単刀直入に一番知りたい情報を短時間で教えてくれる。これがビックカメラの店員さんの特徴です。ああもはっきりと言い切ってしまうと、聞いてて気分がよくなる程です。


正直、彼らは相当に勉強しています。
価格comで2時間くらい商品知識を自分で調べて探しまくるよりも、ビックカメラの店員さんに分からないところを聞いたほうが

  「ズバリおすすめはこれっ!」

と教えてくれることと、それを信頼して購入しても、大変長持ちしていること。


つまり、消費者側に利益が生まれるほんとうにいい物、しかもそのいい物のなかで、一番安いものを的確に短時間で教えてくれるため

  「じゃあそれにします」

と言うと、店員さんはよろこんでくれるのです。


あれが接客というものなのだろうなと考えます。
小売業における売り場の技術、商品知識を消費者利益の最大化へと直結させる営業テクニックというか、ただ売れ残りを売るだけではなく最安値で高品質の商品を勧めるあたりがビックカメラの店員さんだなあと改めて実感させられるのです。


そのため、1万円程度の商品であれば、価格comのお店で買わず、ビックカメラで購入することが多いのです。


3.ヨドバシカメラの店員さん

ヨドバシカメラの店員さんはビックカメラの店員さんの上品バージョンです。商品知識はビックカメラの店員さんと互角です。


ただ、商品の説明がビックカメラみたいに「そこまで言うのか!!」という衝撃がありません。

  「この棚の商品全部同んなじ!!」

みたいな無茶を彼らは言いません。
もっと上品であり、丁寧に説明してくれます。


ただ、自分の家の近くにヨドバシカメラがないことと、ビックカメラの店員さんのあの歯に衣着せぬ言いっぷりが大変に清々しく、メーカーがこれ聞いたら泣くぞ!!というあのアナーキーなノリが好きなため、自分は、あまりヨドバシカメラに行くことはありません。


ヤマダ電機の業績が悪く、ビックカメラヨドバシカメラの業績がそれほど悪くは無い最大の理由は、店員さんの力。売り場(現場)の競争力だと思っています。


現場の力、店員さんの競争力は一朝一夕に高められるものではありません。

社員の一人ひとりが地道に商品知識を勉強し、蓄えていくものです。
お金を出して新規の大型店舗をオープンさせても、スクラップアンドビルドをしても、箱物だけでは、売り場の競争力は高められないのです。


ヨドバシとビックはそれがほぼ互角です。上品で丁寧な説明を求めるか、それとも単刀直入にズバッとした説明を求めるかの違いであり、どちらも消費者のことをよく考えてくれる店員さんがいます。


買い物客の幸福感の最大化を目指してくれるという意味では、この2社の店員さんは、客の味方であると考えて問題ないです。


自分はビックカメラばかり行ってますが、店員さんのメモ帳とか私の質問に答えるときに取り出したものを少し見てみると、ボロボロで、めっちゃ書き込んでいて、ああっこの店員さんすごく勉強してるんだなということが、何度も読み返したであろうそのメモ帳の使われっぷりから伝わってくるのです。


服屋の店員さんよりも電気屋の店員さんのほうが気合いというか、商品知識習得にかける情熱みたいなものが伝わってきます。


ネットでの最安値がリアル店舗の最安値を下回っても、ビックとヨドバシの業績がそれほど落ちない理由は、店員さんの功績です。


売り場にネットには載っていない、有益な情報を持った店員さんがいるからだと考えます。


そこに行かなければ得られない情報があるのであれば、ネットでは出来ないことを電気屋の店員さんは提供していることになります。


インターネットは万能ではなく、何でもかんでも載っているわけではありません。


有益な情報であればあるほど、検索するのは難しくなります。なぜなら、検索の上位に表示されているのは有益な情報ではなく、Webマーケティングに成功したページばかりだからです。

  「SEO 上位表示」

  「喉の痛み 原因」

あたりで検索すれば、検索エンジンがどれほど役に立たない代物なのかが分かります。


ネットに載っていない有益な情報こそが、リアル店舗の競争優位性につながっているのです。匿名の情報を本100冊分ネットでかき集め、読み込むよりも、リアル店舗の店員さんが持っている情報をものの数分聞くだけのほうが情報は量より質ですので、良い情報を取得できることのほうが多いのです。


検索上位になるのは質より量なのはWikipediaの文章力と専門性を見れば誰だって分かります。


情報の質が低くても、記事の本数が多いほうが検索上位にくるのです。だけど、社会で必要な情報は量ではなく質なのです。


インターネットのルールはその逆であり、質より量が重視されています。
個人のブログでとんでもない情報が書かれてあったとしても、Yahoo!Japanの質の低いニュースのほうが検索上位になってしまうのが現状です。


その根源にあるのは、検索エンジンが文章内容を理解していないためです。


Googleが見ているのは文章のオリジナル性であって、文章の質ではないのです。

だから、間違った情報がよく検索1位になってしまうのです。


「喉の痛み 原因」で検索し、原因になりうる症状を10個紹介されるより、医者の診察を受け、たった1つの症状に特定してもらったほうが、原因の究明にかかる時間は短くて済むものです。


「食道ガンかもしれませんし、風邪かもしれません」とかね。食道は喉の下だから喉の痛みと直接的な関係性はないのに、誤った情報がGoogle検索の検索1位にくるのです。


AIが人間の知能を越えるのは2045年だと言われています。

その後、AIの技術が売り場に導入されるまでさらに数十年かかるため、あと30年以上は売り場の店員さんの現場力が企業の競争優位性につながると考えています。


インターネットではできない、リアル店舗でしかできないことだけやり続ければ、インターネットは怖くないと考えています。その知識をネットで公開したらアクセス数も稼げるので、別のビジネスにもつながります。


ビックカメラの店員さんのボロボロになった手帳こそが競争優位の源泉であり、あのボロボロの手帳は、社会の役に立っているということです。

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