アベノミクスによろしく(著者:明石 順平)という本を読んだ。
著者は弁護士で経済学者ではない。
☆☆☆
しかし、この本は驚くほど綿密な分析をしており、読んでいて驚愕した。
この本にはアベノミクスによる日本破壊の実態が書かれている。
私も自分でデータ取って分析したいんだけど、インターネットの情報はゴミばかりで精緻な分析は難しい。
本のなかで一番ヤバいと思ったことは、日本銀行が日本国債を年間80兆円ずつ買いまくっていたことだ。
その購入を止めてしまうと、日本国債が大暴落し長期金利が上昇してしまうのだが、メディアは一切報道していない。
ていうか、日本人自体が日本銀行が国債を年間80兆円ペースで購入していた事実さえ知らない。
ついでに長期金利が上昇するリスクすら日本人は馬鹿だから知らない。
日本銀行が国債を80兆円ずつ買っているいまは長期金利がマイナス金利となり、企業から見て景気も良く、株価も高値安定しているから良いのだが
もしも安倍総理が退陣し、アベノミクスの第一の矢である異次元の金融緩和が収束し、国債の購入を止めてしまうと
誰も日本国債に買いを入れず国債が暴落し長期金利が上昇し、円の信用が失われ、円安・物価高になり、国民の生活が益々苦しくなる。
日本が終わる可能性があるのだ。
要するにアベノミクスとは今さえ良ければあとはどうでもいい。
という出口戦略のない経済政策であり、10年後くらいに次の自民党の総理か、政権交代した別の党の党首が総理に就任したあと、アベノミクスの第一の矢、異次元の金融緩和を止めてしまうと日本が終わるようにできているのである。
いま日経平均株価の高値安定と輸出企業が喜ぶための緩やかな円安と、長期金利をマイナスにし企業からみた景気を良くするために、将来日本が滅ぶことが確定している経済政策。
それがアベノミクスなのである。
次の総理はどうするのかほんと謎である。
ただ日本経済新聞とか読んでいると、長期金利を安定させるために異次元の金融緩和を日銀が少しずつ減らしているのが分かる。
たとえば2019年の5月末は、前年同月比と比べて日銀の国債買い入れ額が29兆387億円と、50兆円以上減少しているため、アベノミクスの出口戦略はそこまで酷いことにならないのではないかと見ている。
とかくこの本はアベノミクスへの批判が酷い。
不安を煽る文章の書き方をしていることと、批判以外の文章が見当たらない。
またハイパーインフレがやってくるとか胡散臭いことが書かれているため、終盤の15ページほどは読み飛ばした。
経済学的に第二次世界大戦以降、生産技術が向上した先進国で、ハイパーインフレーション(モノが足りなくて物価高になる現象)が起こる可能性は、皆無に等しいのだ。
いくら円安・物価高になって円の価値が失われようとも、トヨタやソニーがいるのにどうやってハイパーインフレーションになるのか、私にはわからない。
円の価値が失われ1ドル5,000円とか1万円になったらどうなるのか?
まず食パンやうどんやラーメンの原材料は、輸入品である小麦であり、ほぼ100%輸入に頼っているから、ラーメンやうどんや食パンの材料費が50倍になる。
その分、価格が上昇するから、国民の暮らしは鬼みたいに貧しくなる。
でもこんな不安を煽る奴は経済学者では緊縮派の人間以外いない。
だって円の価値が50分の1に落ちるんだよ。
私がアメリカ人だったら円で取引されてる東京証券取引所から、ドルから見て50分の1の株価に下落したトヨタ自動車の株を全財産買いまくると思う。
この場合私のドルの全財産を売って円を買ってその円で、東京証券取引所からトヨタ自動車の株を買うのだ。
1ドル札で5,000円ももらえるのだからひたすらドル売って円を買いまくり、その円でトヨタ自動車の株をできるだけ多く買いまくるのである。
そしたらドルが売られて円が買われるのだから、どうやってハイパーインフレーションになるのか、私にはまるでわからないのだ。
円が暴落しないとハイパーインフレーションはやってこないのに、日本に価値ある企業がたくさんいる時点で大量にモノを生産できているのだから、ハイパーインフレーションは永遠にやってこない。
というのが経済学的な私の見方である。
日銀が国債の買い入れを止め日本国債が暴落し金利が上昇し、デフォルト(債務不履行)が起きるという理論もよく分からない。
いま日本政府はたった1,100兆円ぽっちしか借金がない。
なんでこんなしょぼい金額でデフォルト(政府がお金を返せませんって宣言すること)が起きるのか、私には分からない。
日本の個人金融資産1,800兆円と企業の内部留保(過去の儲けの合計額)463兆円と、日本政府の資産700兆円を足すと、国の資産は総額2,963兆円になる。
なんで3,000兆円近く資産があるのにたかだか1,100兆円ぽっちでデフォルトになるのか、一部の経済学者は引き算ができないのだろうと見ている。
日本のマスコミはアホだから消費税を増税させたいがために、国の借金1,100兆円!1,100兆円!
って不安を煽っていたけど、たかだか1,100兆円ぽっちでなんで不安になるのか、私には分からない。
個人金融資産も企業の内部留保も日本の銀行に預け入れられてて、その銀行が国債を買っているのに、どうして日本が財政破綻する!
と不安を煽るのか、私には分からない。
それはそれとしてアベノミクスの2つ目の時限爆弾についてここに執筆する。
なんで民主党政権時代に日経平均株価は7,000円台だったのに、安倍総理が就任したあと日経平均株価が2万円を越したのか?
なんかユニクロの柳井社長が安倍総理のたった1つの成果が日経平均株価を上げたこと(出典:exciteニュース)だってアホなこと言ってて、この人経済学理解してんの?
と少し思った。
それはこのグラフを見れば分かる。
■これ
出典:SBIアセットマネジメントのPDFレポート(http://www.sbiam.co.jp/news/pdf/89311157_jrevive2_rinji_20190425.pdf)
第二次安倍内閣が発足したのは2012年12月26日 である。
そしてアベノミクスの第一の矢、異次元の金融緩和で日本銀行が日本国債と(あまり報道されてないが)、日本株も買い始めたのが2014年以降のことだ。
またGPIF(年金を運用している公的機関)がそれまで株式のようなリスク資産を、たとえば2006年度は日本株11%、海外株式9%と低く保っていたのが
2014年10月の改定で、国内株式25%、海外株式25%に変更された。
つまりいま私たちの年金の半分は株で運用されているのだが、メディアは報道していない。
2013年以降日経平均株価は爆上げしている。
なぜか?
なぜなら、緑色の棒グラフである外国人投資家がこれから異次元の金融緩和で日本銀行が日本株を買いまくる!
と判断して買いまくったからだ。
で、実際2014年度から青い棒グラフの日本銀行と、赤い棒グラフのGPIFが日本株を買いまくっているのが分かる。
そこまでは別に良い。
重要なのは2015年度の半ばからである。緑の棒グラフを見ていただきたい。
2015年以降も日経平均株価は上がりまくっているのだが、外国人投資家は日本株を売り浴びせているのだ。
外国人投資家が売っているのに、高値で買わされているのは誰ですか?
日本銀行とGPIFですね。私たちの年金資産は今現在、馬鹿高い価格で日本株を買わされている。
つまり私たちの年金資産は外国人投資家に資金流出しているのだが、高値で売り逃げられているのだが、メディアはその事実を一切報道していない。
今さえ良ければいい、自分さえ良ければいいアベノミクスによって、日経平均株価は吊り上げられているのだがマスコミは一切これを報道しない。
もし年金資産が必要になってGPIFが株式を売却したらどうなるのか?
売り手はGPIFだけど買い手はもういないのだ。買い手がいないため日本株はいずれ暴落する。
また、安倍総理が退陣して次の総理が就任してアベノミクスを止めたら、日銀が日本株の購入を止めてしまったら買い手のいない日本株は大暴落するのだ。
予言しておくがそのときマスコミはアベノミクスのときは良かった。
いまは日本株が大暴落中であり、現在の総理の経済政策は間違えている!
とほざくだろう。
違う。そうじゃない。いまがすっごくヤバい経済政策してんの。今さえ良ければいい。自分さえ良ければいい。
の旗印の元、株価吊り上げて大失敗しちゃってるのがアベノミクスの実態なのだ。
アベノミクスが大失敗してるから外国人投資家がひたすら高値で売り逃げしてるのだ。
年金運用にリスク資産50%も入れちゃってて、どんなに株価が下落しても絶対に日銀とGPIFが買ってくれる。
その足元見られた状態が外国人投資家にバレている。だから彼らは高値で株を売り浴びせているのである。
いま強烈な外国人投資家の売り圧力を受けているのに日経平均株価を暴落させないため、アベノミクスの成果を強調するために、将来のお年寄りの年金が減額し続ける悪夢の経済政策。
これがアベノミクスの正体なのだ。
お前たちはアホなのだ。だからお前たちは知らないのだ。
お前たちの年金資産の半分が株で運用され馬鹿高い価格で日本株を買わされている事実を愚鈍な知性のお前たちは知らないのだ。
そしてメディアは一切この事実を報道しない。
構成比50%は株式だから株価が下落すると株式の構成比が落ちるから株を買わざるを得ない。GPIFのポートフォリオの実態を知らないのだ。
実に衰退国らしい悲惨な現実である。10年後くらいにマスコミが発狂するでしょう。
そして時の内閣総理大臣を批判するでしょう。アベノミクスの失態なのに、そのときの総理大臣を批判するでしょう。
マスコミの頭の悪さから彼らの今後20年後までの行動が手に取るように分かりますね。
日銀が日本株の購入を止めなければ官製相場なんてやってる国の通貨(円)の信頼は失われるから、いずれ円が暴落し少しの円安ならトヨタ自動車のような輸出産業が潤う。
だが、行き過ぎた円安は食料品ほとんど輸入に頼ってるんだから、賃金が上昇しないのに物価高になって、国民生活がますます貧しくなる。
これも誰も気づいてないのだ。日本人馬鹿すぎ。年金はアベノミクスの大失敗によって1割ほど減るでしょう。
それをマスコミが報道するのは25年後くらいに、いまだから検証できるアベノミクス!とか言っちゃって報道するでしょう。
次の内閣が自民党の別の人か政権交代して民進党の枝野さんあたりになって、このままでは日本が滅ぶことに気づいて
今さえ良ければいい、自分さえ良ければいい政策であるアベノミクスを止めた途端、日本国債と日本円と日本株は大暴落します。
で、その未来のマスコミは自民党政権時代は良かった。安倍総理の頃は日経平均株価が高くて良かった。
とほざくでしょう。おもしろいくらいに予言できる。
日本のマスコミ馬鹿すぎだから。ヤバいのは未来ではなくいまなの。
いま今月も外国人投資家によって日本売りされてて、その馬鹿高い価格で日本株を買わされているのは年金を運用しているGPIFと日本銀行という、公的金融機関なわけです。
いま見栄えの良い日経平均株価にするために、将来の年金資産が食い物にされている。これがアベノミクスの本性です。
この時限爆弾はいずれ爆発するため、日経平均株価は大暴落します。
だって年金はいずれ支給しなければならないのだから。
100万円程度ならいざ知らず、10兆円規模で売却するには、10兆円分日本株を買ってくれる相手が必要なのに、そんな買い手は存在しないのだ。
だけど大暴落しても日本は終わりません。
だってトヨタ自動車の株がいま7,500円だけど1,000円まで暴落したら私や外国人投資家が買うからです。
つまりアベノミクスが大失敗に終わり(それはもう確定した事実)、次の大暴落時にトヨタ自動車やSONYの株式が下落したとき、外国人投資家が買いまくることで、一部の企業が外資に買収されてしまうでしょう。
日本は馬鹿高いときに売られ、激安なときに買われるということです。
その逆の馬鹿高いときに年金資産として購入し、激安なときに年金資産が乏しくなり売却し大損するのは、日本の公的金融機関。
つまりGPIFと日本銀行ってことになるわけです。現在そうなってるんです。
誰もメディアは報道してないけど。いま日本株買うのは止めといたほうがいいです。
あとアベノミクスによって皆さんの年金が1割くらい減額するのは、もう確定済みです。
そこはもうあきらめましょう。
P.S.現在の人手不足をアベノミクスの成果だとか言ってるアホがいますが、日本が人手不足になったのは民主党政権時代からです。
人手不足の原因は、人口ボリュームの多かった団塊世代が定年退職したからです。