障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

田中ロミオのような天才は凡人が支えないといけない。

私は目と耳を失った人間で両方の部位で障害手帳を取得している。

障害年金は手続きが複雑で難しいから申請できない。よって、受け取っていない。


☆☆☆


まあそれはいい。

まるで聞こえず(声は聞こえないが音は聞こえる)、3mより先はあまり見えない。


趣味としては最近はテレビゲームをよくやっている。

よくと言っても週1くらいだが、家庭用ゲーム機のゲームソフトをやっている。スパロボMXとかをたまにやっている。あまりおもしろくはない。


テレビゲームをやり始めて30年経つ。30年もやってきたのだ。で、思うことが一つある。

それは一番おもしろいゲームが一番売れるゲームではないということだ。


おもしろいから売れるんじゃない。知名度が高いから売れるのだ。

たとえばプレイステーション2で一番売れたゲームソフトはスクウェア・エニックスドラゴンクエスト8である。

370万本も売れたソフトである。


■これ

ドラクエ8のパッケージ

出典:ブックオフオンライン(https://www.bookoffonline.co.jp/

ファイナルファンタジーで一番売れたのもFF8で369万本も売れている。

どっちもやったことあるんだけど、別に対しておもしろくもない。いまでは両方とも298円である。


年末なので、ブックオフオンラインの年間売上ランキングも発表されてるけど、上位はマリオとドラクエしかない。

つまんないソフトばかりだ。


■年間売上ランキング

ブックオフオンラインのゲームソフト年間売上ランキング

出典:ブックオフオンライン(https://www.bookoffonline.co.jp/files/lp/rank2018-game

上位は全部つまんない知名度の高いソフトばかりである。中古ゲームソフト市場は需要と供給によって価格が決まる。

よって面白くないソフトは発売時にどれだけ売れたソフトだろうが、中古では在庫がダブつくため、価格は下落する。


ここら辺は正直、200円程度のゲームソフトだと思ってる。普通にやっててつまらない。

ドラクエというブランドまたはファイナルファンタジーというブランドがなかったら売れなかったソフトだ。


要するにゲームが売れるのはおもしろいかどうかではなく、そのブランドの知名度があるかないかでほぼ決定付けられてしまうのだ。

だってお金を払って購入して、その後ゲームをするのだから知名度で購入し、おもしろいかどうかを知るのはお金を払った後なのだから。


よって大手ゲームメーカーは予約販売で売り切る。

初代ポケットモンスターのようにあのソフトヤバい。という口コミによってロングヒットをかっ飛ばすゲームって、もうほとんどない。


ほぼほぼブランドである。だからブランド力が落ちてきていて、ゲームのおもしろさでは洋ゲーに負けつつある。

中身空っぽだから仕方ない。


個人的な意見としては、過去30年のゲームソフトの歴史のなかで私が一番おもしろかったゲームソフトは、あのアホが作ったゲームソフトだ。

そう。天才シナリオライター田中ロミオが作ったCross†Channelが日本一のゲームソフトである。


だけど一般人からの知名度は皆無であり、あれほどの才能の奔流に押し潰される屈辱を味わったのは生涯で唯一無二である。

私が唯一嫉妬したゲームクリエイターがあの天才なのだ。


ゲームについてずっと考えてたんだけど、天才ってほんとうに損失なんだなといつも思う。

ロミオは日本で一番美しい日本語を書ける人間なのに、まったくヒット作を作ることがない。


天才の損失は2つである。

一つは、田中ロミオは日本一優れたクリエイターなのに、先程も述べたとおり知名度がまったくない。


Cross†Channelより優れたゲームソフトがこの世に存在しないのに、Cross†Channel自体がマイナーすぎてまったく売れないのだ。

ゲームがおもしろいかどうかではなく販売戦略が間違えている。


クリエイターの問題ではなく、ブランド力を高められない、マーケターの問題なのである。

あれほどに美しいゲームソフトは存在しないのにね。


もったいない。人生の損失である。

(もちろんPCゲームでのCross†Channelであって、家庭用ゲーム機に移植されたCross†Channelは認められない)


ドストエフスキー氏の名書「悪霊」と日本で唯一戦うことのできる名文なのに、まるで知られてない。

ここ1000年で一番優れた日本語が、なぜか知らんがゲームソフトで発売されてしまったのに、知名度が低すぎるのだ。


もう一つの問題はロミオが天才だ。ということだ。田中ロミオは天才なのだ。

他のジャンルのクリエイターもそうなのだが、天才タイプは自分を理解していない。


自分の長所をまるで理解していないのだ。

彼は自分のどの才能が社会にどれだけ評価されているのかを自覚していない。だから自分の好きなことを書いてしまうのだ。


ロミオの作った最果てのイマというゲームをやると、それがよく分かる。天才は消費者が求めているものをまったく考えていない。

自分の好きにゲームソフトを作ってしまうのだ。


で、凡人の私なんかがやってると、あまりにも難解すぎてやっててストーリーが理解できないのだ。

最果てのイマのストーリーって友達同士で聖域と呼べる場所を作って、信頼関係を築いて、仲間との友情が最高潮に達したとき

すべてをぶち撒けぶち壊すゲームソフトなのである。


なんていうの?説明するのが難しいんだけど、ドストエフスキー氏の名書「罪と罰」の奇跡の娼婦みたいなストーリーなのだ。

奇跡の娼婦とは、罪と罰に出てくるソーニャのことだ。


少女のソーネチカ(愛称はソーニャ)がどうして娼婦に落ちたのかを、ド変態的なドストエフスキー氏はかなり精緻に描写している。

ここストーリーとまったく関係ないところなのでネタバレにもならんだろうから、少し書く。


ソーニャが娼婦になった理由は両親にその責任がある。

父親は血のつながった親で、母親は死んで新しいお母さんが家にやってきた。


確か子供も一人連れて、連れ子が居て、一緒にやってきたのだ。

で、父親がほんまもんのクズで、昼間っからウォッカばっか飲んでまるで働かない駄目オヤジだ。

母親も仕事をしない。


そんなある日、新しいお母さんが申し訳無さそうな表情でお前は少女だから体を売ることができる。

体を売って、言うならば知らないおっさんとセックスして、家計に金を入れてくれないか。と言うのだ。


そんなことしたくなかったんだけど、ソーニャは家族を支えるために娼婦として体を売ることになる。

最初おっさんに初めて体を売り抱かれる時ソーニャは緊張して体が震えてしまう。


(私の師匠のドストエフスキー氏は変態だからこういうところ鬼みたいに細かく描写します。アホですw)

で、明け方になって、処女を喪失して家に帰ってくると、新しいお母さんがまだ起きてて、彼女をずっと待っててくれたのだ。


ソーニャは泣きながらお母さんにお金を渡します。で、二人で泣きながらベットに入り、そのまま一緒に抱きしめあって眠るのだ。

ソーニャはこのとき初めて自分が信頼してもいい身内ができたと心底安心し、この人達のために体を売ってよかったと思うのだ。


それから2ヶ月後(2ヶ月だったか忘れた)

いつものように体を売って、家に帰ると新しいお母さんは


ソーニャ早く金を出せよ。今日も体売ってきたんだろ!!ああっ?と恫喝するのだ。

人間は慣れてしまうものなのだ。


毎日少女のソーニャから金を受け取っているとそれが当たり前のことだと思ってしまう。

ソーニャは精神を壊し、この世に人間ほどクズな生き物は存在しないことを徹底的に家族から学ぶ。


だけどそれによりソーニャはあまりにも精神が強くなってしまう。

だから罪と罰主人公のラスコーリニコフが彼女と出会ったとき、ソーニャの精神レベルの異常性の高さ。心の強さに打たれる。

という物語です。


要は人間ってやつはここまでクズなんだよ。

ということをドストエフスキー氏は変態的なロシア語で私達に教えてくれるのだ。


で、日本の天才も、ゲームのなかのストーリーでこんな文章を書くんだけど、おいロミオよ。

聞いているか?


こんなの書いたって売れる訳ねーだろヴォゲー!!

ヴァカなの?拷問なの?

天才って一周周ってヴァカなの?


とたまに思うことがある。

文章力が高すぎておかしなことになってる。で、まるで売れんw


自分の書きたい文章があるのは分かるけど、それじゃ売れないつーの。ってたまに思うんですよね。

どう考えても天才の周りには凡人のマーケターが必要だと考えます。


天才が作りたいゲームではなく、最低限凡人の私たちが理解できるゲームソフトを作ってくれなければ売れません。

天才なんて何万とか何十万人に一人しかいないのだから、世界は凡人が多数派で凡人が金出してゲームを買っているのだから、最低限凡人に合わせるべきなのです。


ロミオはそれをしないのだ。だからゲームがおかしなことになってる。歪んでる。別にいいけどね。

大切な信頼関係を築いた後、しかも長時間プレイでそこまで行ったのになんでそれを全部台無しにするかとね。


まさに苦業というかゲームやってて苦しいわけですよ。

もう少し俺の書きたい日本語ではなく、読み手の好みそうな日本語も書いてほしいです。


が一人のオタとしての心境かなと思います。

なんで娯楽性のあるコンテンツ(ゲーム)やってんのに、ロシア文学学ばないといけないねん。


みたいな気持ちになりますね。

ちなみに、ドストエフスキー氏と田中ロミオは真逆の文章を執筆します。ロミオは常に美しいです。


とても美しい日本語を書く。

我が師匠であるドストエフスキー氏は闇の文豪ですので、もっとアウトローなロシア語を執筆します。


私もこっち側の人間ですね。アウトロー、外の狭い道を通ってきた人間です。エリートじゃありません。

どぶ水を飲んできた人間です。


だからこそ田中ロミオの日本語を読んでしまうと憧れてしまうんですよね。

気高く尊く美しいから。


なんの汚れもない日本語だから。Cross†Channelはそういう日本語です。

ここ1000年で一番美しい日本語で描かれたゲームソフトです。


だけどまるで売れませんね。特に最果てのイマはね。ていうか、あれで売れたらむしろおかしいと思いますねー。

彼の傍に凡人のマーケターが居て発売前に精読して、こうすればもっと売れる。


みたいなことを言ったほうが絶対に良いわな。と思ってます。天才の日本語が万人に味わえないのは実にもったいないです。

日本一のクリエイターなのだから。

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