日本には天才がいます。
日本文学史上の頂点に君臨するあいつです。
☆☆☆
私たち作家や物書きをいつも苦しめる彼です。そう、天才シナリオライター田中ロミオです。
ロミオの文章は美しいです。
流麗にして麗美。雅(みやび)な文章。美文です。
日本最古の書物である古事記が生まれた西暦712年以降で、彼以上に優れた日本語を書いた作家はいません。
いつも思います。
なぜ、彼ほどの才能がエロゲ界にいたのか?
あれほどの作家がなぜ、日本で大成し得なかったのか?
と、いつも私は思ってます。自分が唯一ライバル視している作家が田中ロミオです。
それはいいとして、いまでは衰退したPCゲーム業界ですが、2000年代には優秀な作家たちの巣窟でした。
実力のある物書きが、アドベンチャーゲームを執筆なさっていたのです。
PCゲーム業界は、数多くの秀才、鬼才を生み出しました。
そのなかで天才というカテゴリーにいた作家が2人いました。一人は前述した日本最高の物書き、田中ロミオです。
ロミオについてはこちらの記事でかなり詳細に執筆しています。宜しければご覧ください。
もう一人の天才は、ほとんど無名の作家です。知る人ぞ知る物書きです。
その名も天才シナリオライター王雀孫。王雀孫と書いてオウ・ジャクソンと呼びます。
彼とロミオがたった2人だけの天才シナリオライターでした。
厳密に言うと、王雀孫も天才ではありませんでした。
厳密にはロミオ一人だけが天才シナリオライターでした。彼はたった一人だけ、日本の頂点に君臨し、史上最高の日本語を執筆されていました。
しかし、王雀孫には、誰にも真似できない彼だけの前人未到のスキルがありました。
アドベンチャーゲームとは文章を読んでたまに選択肢に答えるだけのゲームです。
たとえば、美少女ゲーム内でヒロインとのデートがあった場合、デートの終わりに手をつなぐ・つながない、などの選択肢が発生します。
それを選択することでストーリーが変化していく、シンプルなゲームソフトです。
よってこのジャンルにおいて一番大切なのはシナリオライター(作家)の実力であり、文章力でした。
王雀孫はこの読み物としての文章に、天才的なスキルを有していたのです。それが「お笑い」です。
王雀孫の文章は天才的におもしろいのです。おもしろいどころではない。あれはヤバい。笑い死ぬのです。
これは比喩ではありません。
王雀孫の文章は5分間呼吸が停止するほどに笑い死に、呼吸困難で窒息死一歩手前に陥り、意識がぶっ飛ぶほどに、地獄の苦しみを味わうほどに、笑い死にます。
自分も、それは舞い散る桜のようにのメインヒロイン、希望のシナリオの中盤にある、あの伝説の「愛の恋愛核弾頭」によって5分間呼吸困難に陥り、床をのた打ち回り、笑い転げ、死を覚悟したほどです。
(嘘っ子じゃないよ。ほんとだよ!?)
あまりにも強烈なギャグなのである。
王雀孫はこのジャンルにたった一人だけ存在した、お笑い界における天才シナリオライターなのだ。
彼が、彼しかここまで到達できるほどの笑い死ぬゲームを執筆できる作家はいませんでした。
そして2010年代、王雀孫がほぼ引退してしまったPCゲーム業界において、天才の名を継ぐ者が現れました。
そう。奴だ。SMEEのスーパーシナリオライター、早瀬ゆうその人なのである。
SMEEは晴れ晴れハーレム(あほすwww)からやってたんだけど、彼がシナリオライターに君臨してから、鬼みたいにおもしろくなったゲームメーカーである。
個人的にSMEEには3部作があると思ってる。
その3部作とは
- ラブラブル
- フレラバ
- ピュアコネクト
の3つのゲームソフトのことを言う。
この3つでメインのライター(作家)を担当しているのが、早瀬ゆうさんなのである。
ちな、性別は男なのか女なのか知りません。
私は作品については洞察したり考察したり論評したりするけど、作ってる人について調べたりすることは、まったくないからです。
フレラバの場合、早瀬ゆうさん以外に木村ころやさん 、松倉慎二さん、柊晴空さんの4人で執筆してるから、誰がお笑い文章を担当したのかも知りません。
ただ一つ言えることは、このSMEEの3部作のすべてでメインライターとして活躍なされているのが、早瀬ゆうさんだ。という事実です。
そしてこの3部作は全部「笑い死ぬゲーム」なのです。お笑い特化型のゲームです。
なので早瀬ゆうさんこそが(個人的にはSMEEのライター陣こそが)天才シナリオライター王雀孫の正統後継者だと思ってます。
王雀孫とSMEEライター陣営の違いは2つです。1つは王雀孫の領域には達していないということ。
思いっきり笑えるけど、さすがに5分間呼吸停止するほどの極悪非道なギャグではありません。
ただセンスとしては王と同じ感覚。天才的なセンスで、日本語文章を執筆なされています。
そしてもう一つが、王雀孫よりSMEEライター陣のほうが、ストーリーの質が高い。ということです。
SMEEの3部作はすべて出来が良い。良作と言っても過言ではありません。
だけどそのなかで2番目に発売されたフレラバこそが、一番質が高いのです。
フレラバは知られざる名作です。買うならPCゲーム版を買いましょう。
このゲーム、4人のヒロインがいて、4つのストーリーがあるのですが、自分やったとき望月さん(髪の毛の白い子)のストーリーをまず攻略しました。
ただ単純に腐れ縁の女の子で、文章読んでておもしろかったからです。で、2回目プレイしたとき、また望月さんのシナリオをやってしまったんです。
彼女はズルい。シナリオの質が高すぎる。性格が良すぎる。
これキャラゲーじゃないでしょ。シナリオ重視ゲーでしょ。ってツッコミ入れたくなるほどに、望月理奈のシナリオは質が高いです。
望月さんこんな感じ。
■フレラバの望月さん
彼女は何が良いって性格が良いのです。いや、現実にこんな魅力的な性格の人なんていないから。
ってツッコミを入れたくなるほどに、魅力的です。
なんていうか、辛いことずっと隠し通そうとする人なんですよね。
で、付き合うことになると彼女の知らなかった部分を、主人公は知ることになります。
ずっと隠してきた性格こそが彼女の本来の性格であり、いつもクラスのリーダー的存在で、勉強もスポーツもできて、よく異性から告白されて振りまくってる彼女なのに、
付き合うことになるとまったく別人のような性格の部分があって、そこがストーリーの中盤から発覚して、シナリオの質が恐ろしく高まってくるのです。
なんでもできちゃう子なのに、実はこうだった。というね。
個人的にこのサイトでシナリオの説明するときは100%ネタバレなしで書くので、興味がある人は買ってやりましょう。
望月さんのシナリオだけ突出してます。
というか、これキャラゲーなのにPCゲーム業界10指に入るほどに、ストーリーの質が高いです。
ぶっちぎりです。
SMEE3部作の特徴は、ラブラブルが才能で書いててお笑い特化型ゲームです。とりあえず、プレイヤーを笑い死にさせるのが当面の目標。みたいなアホなゲームですw。
特にビッチ姉さんと変態店長のギャグは恐るべしです。
フレラバは3部作のまんなかで発売されたゲームであり、3つのなかで一番シナリオの質が高いです。
とくに望月さんのシナリオは名作と評しても問題ありません。それほどに優れたストーリーです。
そして3部作最後のピュアコネクト。
これは完成度が高いです。特にCGとテキスト(文章)の相性がぴったりです。
ラブラブルのメインヒロインの妹の、とりあえず男全部張り倒してぶん殴るスタイルも素敵ですが(アホすぎるwww
ピュアコネクトの萌美ちゃんのシナリオも、かなり良い出来です。
なんかSMEEのゲームやってると、途中から少子高齢化対策なのかな?
と思うほどに、付き合ったあと所帯をもって、さあ結婚だー!みたいなノリになります。
なんていうか、クリームソーダの上にあんことはちみつぶっ掛けたようなバカップルの甘々な生活というか、そんな感じになります。
これからキャラゲーやりたい人に、フレラバはおすすめできるゲームです。
もっと笑い死にたいならラブラブルやればいいし、さらにあの世へ逝きたい、呼吸困難で三途の川を渡りたいならば、つよきすをおすすめします。
ここら辺は業界のトップと呼べるゲームですので、個人的にも自信を持っておすすめできます。
笑い死ぬゲームってとても少なくて、書けるライターさんが限られてます。プレイヤーを文章単独で笑わせるには、ある特定のセンスが要求されるからです。
天才シナリオライター王雀孫ほどではないけど、彼の名を継ぐライターと言ったら、自分だったらSMEEのライター陣営を推します。
そう断言できるほどに、フレラバの望月さんのシナリオは名作です。
秋葉原行ってフレラバ買ってパソコンにインストして、やってみるといいと思うよ。
お笑い特化型ゲームという稀有なジャンルのゲームだから、驚かれると思うよ。
このジャンルはエロではなく、プレイヤーを笑い死なすことを目的として作られているから。
彼らSMEEのライター陣営こそが、天才シナリオライター王雀孫の名を継ぐ者だと思っているのです。
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