障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

病気の人が言われたくない言葉と、言ってはいけない言葉について

最近、闘病患者のブログをちょっと読んでいました。

自分は20年以上書物を読みまくった文学フェチです。


☆☆☆


闘病生活を送っているブログ執筆者に対して、多くのコメントが寄せられているのに気づきました。


執筆者は闘病生活をしながらもコメントをくれた読者さん一人ひとりに丁寧に返信されていて、好感がもてるブログでした。


死ぬような大きな病気ではないものの、50件以上のコメントに返信がされていました。


文学フェチとして気になったことは、読者さんがコメント欄にこのような文章を書き残していたことです。


■このような文章

  • 早く良くなってくださいね。そして、またブログを更新してください。
  • 頑張ってください。そして病気を治してください。
  • 病気になっているから返信できなかったんですね。早く良くなってくださいね。
  • 病気を治してください。

・・・ええとですね。文学的センスなんてなくても分かると思うけど、こんなことコメント欄に書かれたら、病気の執筆者さんはどれほど落ち込むか分からないのですかね。


上に挙げたような文章は絶対に病人には書いたり言ったりしてはいけない文章です。


なぜって全部が「命令文」だからです。語気を強めれば「早く良くなってくださいね」は、「病気を早く治せよ」となります。


こんな劣悪な文章の一つひとつに返信されている管理人さんは、とても理性的な方なんだなって思いました。自分だったら絶対無理。


返信しないと思います。
無視します。


「またブログを更新してくださいね」って言い換えれば「早く書けよ馬鹿!!」でしょ。全部命令文じゃん。


じゃあ、闘病生活している人にどういう文章を書けばいいのか。超簡単です。こんな感じですよ。


■こんな感じ

  • のんびり休むといいですよ。
  • 無理する必要はないです。
  • もっと休んでていいと思います。
  • 体が一番大切です。

こんな感じですかね。
「早く治してください。」より「のんびり休むといいですよ。」のほうが、いま体が動かなくて休まざるを得ないその状況を肯定してくれる文章です。


闘病生活を送っている本人だって、休みたくて休んでいるわけではないのです。


それなのに、「早く治せ」とか無理に決まっているのに、体が動いてくれなくて当惑しているのは本人なのに、その状況を否定する。


そうではなくて、体が動いてくれないなら動くまで待てばいいのです。だから今はずっと「休んでいても大丈夫ですよ」。と、今の不安定な状況を肯定する文章のほうが管理人さんは喜ぶはずです。


文学的センスがなくても大体相手の立場に立って物事を考えれば分かるはずなのですが、相手の立場ではなく、自分の言いたいことを言ってしまうから問題なのです。


相手がどう出るのか、どう動くのかを考えるべきなのです。自分がどう考えているのかではなく、相手がいまどんな状況で、どう動くのかを予測するのが大切なのです。


病人が言われたら悲しむ言葉くらい考えて、(何も考えないで話すのではなく)言葉をじっくり選んで話すのが肝心だということです。


思考して、熟考したあとに話す。思考したあとに言葉をつむぐ。結構大切なことなのですが、忘れられている思考の一つだと思っています。