障害者新聞

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住宅ローンの返済方式を科学する

会計学を使おうシリーズ第2弾!!(第1弾はこちらから)

このエントリーは【第2話 住宅ローンの返済方式を科学する】を執筆しています。

35年ローンの何がいけないのか?

最初に答えを言うと、別にいけなくはないです。
借金を背負わされている緊張感や圧迫感が好きな人もいるでしょうし、それで収益が発生しなくても仕事に対してやる気が生まれるなら、それでいいと思ってます。
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住宅ローンの支払いには2つの方式があります。
一つは「元利均等返済」で、もう一つは「元金均等返済」です。

本来35年もローンを背負ったら人間の一生を左右してしまうほどのリスクなので、義務教育でマネーリデラシー(お金の教育)をしておかないといけないのですが、日本ではなぜかお金のことを学ぶのは良くないことだとされるため、マネーリデラシーレベル1でローン契約を結ぶことになります。

そうすると、銀行に住宅ローンを借りるときこちらから何も言わないと100%の確率で、利息の多い「元利均等返済」でのローン契約をさせられます。

もう一つの返済方式である元金均等返済は毎月の支払額が月々異なるため、返済金額が変動することを普通は嫌がるため推奨されません。

ほんとうは元金均等返済の方が利息の支払い総額が少ないのですが、月々の支払額が分からないというのはそれはそれでリスクのため、私も銀行員の考えと同じで、あまりお勧めしません。

そのため、元利均等返済での借金(住宅ローン)の返済となります。
元利均等返済の何がいけないのか?

35年ローンの場合最初の20年はほとんど半分は利息の支払いに当てられていて、借金残高(元金)が減らないところに問題があります。

図で見るととても分かりやすいと思います。
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上が元利均等返済です。

元利均等返済は毎月の支払金額が同じですが、最初の頃はほとんど利息の支払いをしているのであって、借金は減りません

下が元金均等返済です。

元金均等返済は元利均等返済と比べて利息の支払いは少ないのですが、毎月の支払い金額が変動するため住宅ローンを支払ったあとの預金残高を予測するのが難しく、あまり活用されていません。

支払額に占める利息の割合は、
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出典:1-5. 元利均等返済と元金均等返済とは? フラット35

1年目のとき元利均等返済だと86,493円のうち52,347円が利息の支払いです。

借入金はたったの2,000万円で固定金利3.2%の30年返済で最初1年目の毎月の支払額のうち60.5%は利息を支払っているのであって、借金残高はたったの34,146円(39.5%)しか減りません。

ローンを返済しているのに、借金が減らないのです。

ちなみに、この資料と同じものを住宅ローンの契約をするときに「1年目の支払額に占める利息の割合は何パーセントですか?」と銀行員か不動産屋さんに聴くと、かなり嫌な顔をされるか、怒られてしまいます。

マネー教育のあるリデラシーの高い顧客を彼らは好まないのです。

なぜ、人の一生を左右するほどの膨大なローンを借りるときにこのような一番大切な部分の説明をできるかぎり省略したがるのか?と哲学したことがあります。

その理由は、それでは商売にならないからです。

会計学とマネー教育は15歳で義務教育を終える前に勉強しておいたほうがいい学問です。学校でその教育をしない理由が分かりません。

だから、私はここに執筆しています。

借金をするときは企業視点(経営者視点)に立脚し、その借金をすることで収入が増えるのかどうか?で借り入れ金額と借り入れ期間を決めることにしましょう。

金利と返済期間が延びれば延びるほど、ローンに占める利息の割合は増加します。一生を棒に振らないためにも、収益視点から借金を見るようにしましょう。

1年目は、毎月のローン返済の6割が利息の支払いに充てられていることを知ってから、住宅ローンの契約を結ぶべきです。

その利息のお陰で銀行員は生計を立てられているのです。

銀行員は無料でサービスを提供しているのではなく、きちんとビジネス(商売)をしていることを理解して、契約を締結すべきです。