障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

障害者のリアルを知りたいなら知的障害者の犯罪レポートを書けばいいと思う。

いま、「障害者のリアル×東大生のリアル」という本を読んでる。

ダラダラ読んでたら42ページも読み進んでしまった。


☆☆☆


この本は東京大学の「障害者のリアルに迫る」ゼミのレポートを書籍化したものである。

1年で13回ゼミがあり、毎月障害者のゲストを東京大学に呼び、彼らの話を聞いたり、質問形式で障害者と会話したりするゼミだ。


テーマは若くて知力が旺盛で知的好奇心の高い東大生が、障害者と触れ合うことで、どんな化学変化が起きるのだろうか?

である。


要するにあくまでメインは東大生なのだ。私たち障害者はタダのモルモットであり、研究材料であり、彼らの知力を増進させる化学変化の食料にすぎないのだ。

別にそれはそれでいい。


私だって3億円くらいもらえれば、東大で裸踊りの一つくらいはするだろう。

世の中の貧困問題、障害者の犯罪や若者の無差別殺人事件など、ほぼすべて金で解決できる問題である。


お金で解決できるなら、全部してしまったほうがいいに決まっている。

話が逸れたため元に戻す。


42ページ読んで2人の障害者がゲストとして登場した。

その2人とは

の2人である。

ALSは筋肉が動かなくなってしまう障害である。


最終的にはまばたき以外のすべての行為ができなくなってしまう。ALSに罹(かか)った障害者のうち7割は、体が動かなくなる前に死を選ぶ。

自殺するのだ。


発病から3年から5年で呼吸する筋肉すら膠着し、自分で呼吸もできなくなる。

人工呼吸器を付けて24時間365日の常時介護をしてでも「生きたい」と願う人間が3割しかいないのだ。


お風呂などは介護者4人掛かりでお風呂に入れてもらうことになる。

食べ物も口の筋肉がもう動かないからチューブ(管)を通して、栄養分を摂取している。


ちなみに、日本、オランダ、台湾以外ではALS障害の人に対して保険が下りないから「生きる」を選択することもできない。

要は体が動かなくなったら死を選ぶしかないのだ。


少しずつ体が動かなくなっていき、呼吸もできなくなると、人は人工呼吸器を外し、死を選ぶのである。

ちなみに、ALSに罹った患者は、日本に9,100人しかいない。日本にいる障害者の総数は366.3万人である。

ディスレクシア学習障害)も含めてこの2人は、もんのすごくマイナーな障害の持ち主である。


こういう寿命すら短く激レアケースな障害者と出会って、私たち何不自由ない体で生きられる健常者の喜びとかいう、意味不明な触発及び啓発を喚起させるのが、障害者のリアルゼミである。


要するに、あんなに体が悪い人たちですら毎日を大切に生きているのだから、私たち東大生もその高い知力にあぐらを掻かず、一生懸命に生きましょうね。

という意味不明な啓発を催すのが目的なのだ。まあ、どうでもいいが。


はっきり言ってこれって障害者のリアルじゃなくて、稀で凄惨な障害者を見たいってだけじゃないの?

猛毒の蛇を見たいとか、治安の悪いスラムを歩きたいとか、そういう刺激を求めているだけなんじゃないの?

と読んでて思った。


多数派で一番苦労しているのは「知的障害者」である。知的障害者はそもそも上手く喋れない。脳をやられているから、自己主張ができない。

刑務所のなかにすら数千人いるのが彼らである。

一番のリアルとは知的障害者の方たちなのではないだろうか?


長崎県雲仙市にある「雲仙・虹」のように犯罪を繰り返す障害者を嫌な顔一つせず引き取って更正する現場で、寝泊りして彼らの日常生活を知ったほうが、ほんとうの障害者のリアルと言えるのではないだろうか?

そう思った。


なんでこんなレアなケースをゼミで行うのか?

大多数のそして一番居場所がなくて、生きにくいって思っている人ってのは、目と耳に障害を持つ私から見ても、圧倒的に知的障害者の人たちだと思う。


彼らが多数派なんだよ。彼らが日本の社会問題であり、一番苦しみを味わっている人たちなんだよ。

福祉と一度も繋がることが出来ずに、人生の半分を刑務所のなかで暮らしてきた人たちなんだよ。

障害者のリアルに迫りたければ刑務所に行けばいい。


いっぱい障害者が収監され檻の中にいるからだ。そこにいるのもほとんどが知的障害者だ。

特に半官半民のPFI刑務所に行けば、犯罪を繰り返してきた多数派側の障害者に出会えるはずだ。


なんで汚いものを見るように福祉が見放してきた人たちを見ずに、ガッツリ福祉予算受け取ってる少数派の障害者を見るかな?

イミフだわ。


福祉が見放してきたからこそ刑務所が最後の福祉施設になったんだよ。これが一番の日本の障害者の社会問題であり、最大のリアルなんじゃないの?

違いますか?


ゼミを終えたらいつも通りゲストと一緒に酒を飲むとか、そういうことするなら刑務所で1ヶ月も寝泊りすれば何もしなくても障害者のリアルに迫ることができるのに、なんで激レアケースばかり取り上げるのだろうか。


それってただ単に、不幸でもうすぐ死ぬ人間をまじかで見て、脳に刺激が欲しいだけなんじゃないの?

日常が退屈だから、不幸な人に会いたいって、だけなんじゃないの?


だって、一度お会いしてもう二度と会わないんでしょ。

無関係で助けることもできないし、てか、助けたりする時間も確保しないんでしょ?意味なくない?それ?

とか思いながら読んでいる。


自分だったら新薬の研究とか東大の医学部学生集めて手術できないかとか、まず助けるために何をすればいいのか、行動を起こすのを前提でゼミするけどね。

ただまじかに呼んで不幸な人見てるだけとかイミフだわ。社会を豊かにしないわ。その行為。


それなら刑務所で1ヶ月寝泊りして犯罪を犯さなければ空腹と貧困で生きていけない人たちの犯罪レポートでも書いたほうが、よほどリアルに迫れるのに、なぜそれをしないのか?


高次脳機能障害の人なんか自分の財布と他人の財布の区別が付かないんだよ。

上手に喋れて障害者の権利を主張するなんて難しいことはできなくて、気がついたら他人の財布盗んでて、刑務所にいて、出入りを10年20年と繰り返してきた人たちなんだよ。


で、こっちのほうが多数派なんだよ。ぶっちぎりで。

知的障害者って54万7,000人もいるんだよ。こっちがリアルなんじゃないの?違う?


刑務所へ行って、うじゃうじゃいる前科持ちの障害者とお会いしたくはないのだろうか。

などということを考えながら、とりあえず読書しているのであった。


絶望とか悔しいとか感情論で問題解決策がいまだ一つも出てこないけど、とりあえず、がんばって最後まで読んでみようと思います。

飽きたら次の本読みます。


やっぱ前科持ちだと汚い障害者って見られてしまうのかもね。そんなこと考えてる。

てか、高い知力があるのに、ただ見てるだけとかイミフです。なんでその脳みそ使わないのかが理解不能です。

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