障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

韓国と台湾に最低賃金で追い抜かれた政治3流国日本について

いま、デービッド・アトキンソン氏著者の「日本人の勝算」という本を読んでる。


☆☆☆



最初この本は読んでておもしろくなかった。

その理由は2つある。


もともと買うきっかけになったのは「アベノミクスによろしく」という本がきっかけだった。

弁護士が書いたアベノミクスの失敗(ていうか失敗しかしてない)

を読破し、その後著者のWebサイトを見に行ったのだ。


そのときに「日本人の勝算」が紹介されていて、本屋にも一番売れてる棚に

ずっと置いてあったため気になって買ったのだ。


私は日本すごい!というイデオロギー(思想って意味)が大嫌いである。

安倍総理になって日本人の年金と賃金が更に減らされたばかりか


高度プロフェッショナル制度によって残業代もタダになり、国民がますます貧困になり、劣化しまくっている。

高プロ法は適用範囲の賃金水準が段々落ちて、一般人まで残業代がタダになるだろう。

馬鹿の極みとも言うべき法案なのに、可決され昨年4月に施行されたのだ。


さらにこの本の最初のほうに、日本は生産性を上げるべきだ!

と愚かなことが書かれていたため、あまりおもしろく感じなかった。


いまの日本に必要なのはバラマキと公共事業である。

なんで生産性を上げて不景気にしたいのか。アホなのか。と思っていたからだ。


なぜ日本ではばら撒きと公共事業が必要なのか。

それはデフレだからだ。

(少なくとも消費者物価指数(CPI)が年率1%も上昇していないため、インフレとは言えない)


デフレとはデフレーションのことで「生産>消費」の状態のことを言う。

消費量よりモノを大量に生産しすぎているのだ。


だからモノが売れずモノ余りが起き、売上が落ち込み、その落ち込んだ分を労働者の賃金を減らすことで賄っている。

そのため労働者は賃金が減り、さらに消費をしなくなる。


消費が落ち込むと企業は価格を下げざるを得なくなる。

するとさらに物価は下落し、下落しても売れないから、さらに賃金の下落が進む。

これが平成30年間の不況の正体である。


賃金が減り続けたことによる「消費不況」が、平成30年間の不況の正体なのだ。

生産>消費の状況では生産量を減らすか、誰かが金を使わなければいけないのだ。


だからインフレになるまでは大きな政府が正しいし、ばら撒きや公共事業はしたほうがいいのだ。

賃金の下落が下げ止まるまでは赤字国債を発行し、財政支出を増やしたほうが良いのである。


こういうことを言うと国の借金は1100兆円!

日本は破綻する!

というアホが必ず出てくる。



敢えて言うが、デフレで財政破綻することはあり得ません。

100%あり得ません。100%です。


なぜならデフレとは消費不況のことであり誰も消費しないからだ。

物価がどんどん下落するということは、貨幣側から見ると、貨幣価値が上昇するということになる。


モノが売れず物価が下落するということは、同じ1万円でも購入できるモノの量が増えるということだ。

つまりデフレは貨幣価値が上昇する行為でもあるのだ。


貨幣価値が上昇するとどうなるか。国の借金はたったの1100兆円ぽっちだ。

しかし貨幣価値が上昇するから国民は消費をしないで、ひたすら貯蓄をする。


そのため個人金融資産は1800兆円、企業の内部留保は463兆円。

さらに日本政府の資産が700兆円。国内の資産は合わせて2963兆円にもなる。


3000兆円近くあるのに1100兆円ぽっちでどうやって財政破綻するのか。

引き算すらできないのか。

さらに貨幣価値が上昇するデフレ下では誰も消費をしないのだ。


消費しないってことは貯蓄をしているわけで、国の借金の上昇ペースより日本国民の貯金の上昇ペースのほうが

大きいのに、どうやって財政破綻するのか私には理解できないのである。


だからデフレ下では財政破綻しようがないのだ。

インフレになるまでは大きな政府で消費を増やし、生産性はむしろ低下させて生産調整したほうが

日本は賃金が上昇するし、景気がよくなるわけだ。


なんでこんなクソ簡単なことすら日本人は分からないのだろうか。

恥ずかしい奴らである。


まあそれはいいとして、そんな感じで最初のほうは何言ってんだこいつって感じ

で、あんまりおもしろくなかった。


しかし途中から段々おもしろくなってきて、いま200ページちょっとなんだけど

読んでておもしろくなってきた。


一つは日本と韓国と台湾の最低賃金が載っていたためだ。

それがこちらだ。


■3ケ国の最低賃金比較

  • 台湾…8.75ドル
  • 韓国…7.36ドル
  • 日本…6.50ドル

出典:「日本人の勝算」189ページ抜粋

日本はいつの間にか韓国にも負けていたのだ。

まあ中小企業経営者以外選挙に行かんし、政治が最低賃金決めてるの日本人はアホだから知らないし、仕方がない。


で、これだけだったら私は別におもしろくもなかった。

おもしろかったというか笑えたのはここからである。


80ページにOECD加盟国の人材の質ランキングが載っている。

それに依ると韓国は人材の質が世界で32位の劣等国であり、日本は世界ランク4位

の超優秀な労働者だ!と書かれているのである。


世界第4位の超優秀な国の人たちが選挙へ行かず、最低賃金を日本政府が決めていることすら知らず、頑張れば夢は叶うとか叶うわきゃないのに夢見ている。

ほんとうに真面目な人たち。それが日本人なのだ。


なんか日本人ってミクロ(個人)では超まともな人間なんよね。

まじめで誠実な奴が多いんです。


世界的に見てもこんなに民度が高く、凶悪犯罪が起きず、街が清潔で何事にも一生懸命で我慢強い。

こんな民族、世界ではほとんどいないのだ。


だけど自分の貧しさを自己責任にしてしまうところ。

マクロ(国家規模)において物事思考できないところは、かなり痛い人たちなのである。


韓国とかフランスとか最低賃金が誰によって決まっているのかを知っているか

ら国会において少しでも自分に不利な決議があると、ろうそくデモや暴動、ストライキが起きるわけだ。


でも日本人は耐えるでしょ。自分が悪いから自分の賃金は低いんだ。

と内へ内へと内省し、自責の念ばかりを募らせる。


マクロ(国家規模)における社会問題なのにミクロ(個人)に置き換えてしまう。

自分が悪いんだとか言っちゃう。


政治の力学を理解せず自分を責め立てる。

だから最後は壊れて過労死したり自殺したりしてしまうんです。


あまりにも民度が高すぎるからです。

世界には196ヵ国もの国がある。

そしてOECD加盟国とは、そのなかでもっとも豊かな国のことだ。


つまり世界のトップ。先進国のことです。

そのなかで日本より労働者の質が高いのは1位からフィンランドノルウェー、スイスしかいない。


世界4位の国なんです。世界のトップオブトップ。

人口1000万人以上の国においては圧倒的に世界一の国。それが日本です。


スイスとかフィンランドは人口500万人から800万人の国であり、本来ならば人口1億2000万人の量・質ともにぶっちぎりな日本と比較しちゃいけないんです。

500人の子供の偏差値を60まで上げるのと1万2000人の子供の偏差値を全員60まで引き上げるのとでは、圧倒的に後者のほうが難易度高いんです。


日本は人材の質・量において世界一なんです。労働の質において偏差値70のアホが1億2000万人もいるんだよ。

自分の優秀さに気づけや。

人間の勤勉さにおいて頂点に君臨している国が日本であり、私たち日本人なんです。


なのに最低賃金は労働者の質が32位の韓国以下。

なぜなのかの考察もこの本には載っていて、それが大変におもしろいです。


最初に結論を書くと、経営者の能力が極めて低いから。低すぎるから。

が原因です。

日本は良いものを安く作ろうとする。


それはとても良いことで美談であるように見える。

でも良いものを安く作り販売してしまっては、誰かが損をしてしまいます。


その誰かとは日本の場合労働者です。

他国では良いものを作ったら経営者が1円でも高く販売しようと経営努力をする。


良いものだからその分高く販売し、得られた利益を社員に分配しようとする。

しかし日本では人材の質が世界4位のトップオブトップ国なのに、経営者が経営努力を一切しないのである。


むしろ、さらに賃金を下げろ!

と言うのだ。


そしてその声は政治に届く。なぜなら、中小企業経営者だけが選挙へ行くからだ。

こうして経営者は超一流の労働者を、人材の質が32位の韓国以下の最低賃金で働かせる。


あまつさえ、外国人労働者を輸入し、さななる賃下げ圧力を生み出し、良いモノを一切高く売ろうとはしない。

全く努力をしないのだ。


良い製品なのに安く売られてしまう、そのツケのすべては世界最高の労働者である日本人の労働者の安月給で賄われている。

さらにアメリカやイギリスでは企業規模が非常に大きい。中小企業があまり存在しない。


従業員500人以上の企業が大量生産することで、社員に高い賃金を支払えるよう経営努力をする。

しかし日本は従業員が10名程度の企業が最低賃金で労働者をこき使っている。


これの問題点は生産性についてもそうなのだが、ここで書いても良いけど

長文になってしまうため、論理モデルとして本でも指摘しているとこだけ1つ執筆する。


他にも問題点や問題解決するにはどうすればいいのかも後々の記事で書くかもしれないが

この記事では物事の本質を1つだけ書く。


それは従業員が10名の企業と従業員が500名の企業どちらのほうが社員が幸せなのか。

についてだ。


またどうして賃金水準に差が出てしまうのかについてである。

当然街の中小企業よりSONYやホンダやトヨタ自動車のような大企業のほうが、待遇は良いし賃金も高い。


だけど、それはなぜなのか?についての論理的な回答である。

たとえば従業員500人の会社と10人の会社で同じ生産性だったとする。


実際の現場ではこんなことは起き得なくて、大企業のほうが生産性は高い。

でも同じだとして、500名の企業1社と同じだけの製品を生産するには従業員10名の中小企業側は10人✕50社=500人


だから50社必要になる。

さらに、大企業でも中小企業でも、実際にモノを作っていない社長が1人いるとする。


すると大企業側は働いてない人は社長が1名だから、1人だ。

しかし同じだけの生産高にするために中小企業側は50社だから、利益を受け取るだけの人間、つまりは社長が50人も存在するのだ。


これが答えである。

片方は職場にニートが1名しかいない。片や片方は、職場に無能なニートが50名もいるわけだ。


そして中小企業経営者だけが選挙へ行って、労働者は自分が駄目なのは自分の責任なんだ。

と世界第4位の人材たちなのに


それを認識しないで落ち込み、中小企業の社長とかいうニートどもにずっと搾取される。

中小企業は統合されるべきだし社長よ!あなた方は現場で働くべきだ。


良いものを労働者は、世界第4位の労働者たちは、良いものを作ってる。

しかしそれを高く売ろうとしないのならば、経営努力をしないのならば


あまつさえ中小企業悲鳴!などとNHKに取り上げられ、外国人労働者がいないと経営が成り立たない(搾取できない)

などとぶっこくのならば!!


日本の中小企業の社長よ、あなたたちは社長を辞め、大企業に統合され、その会社の社員として現場で働くべきだ。

モノを作れ。生産しろ。要は現場で懸命に働け。額に汗をかけ!

ってところが大変おもしろかったです。

(おしまい)

日本の最低賃金が上がらない政治的力学は、こちら↓の関連エントリーをどうぞ。

関連エントリーなぜ、日本の最低賃金は上がらないのか?


P.S:5月15日に1000円寄付してくださった、有料化は勘弁してくださいさん。

私はいま、生活保護者のため、所得税と住民税と社会保険料国民年金を、一切支払っていません。

働けるのなら働くべきですし、納税すべきです。


できたら無料でずっと開放していたいです。しかし、いまのままではいつまで経っても生活保護を脱却できないのです。

1506本あるブログを全部コピーしてWordなどに貼り付け、個人で読んでいただいても構いません。


しかし将来的には納税者になりたいので有料化すべきだと考えております。

月額480円くらいで運営できて、ぎりぎり生活保護と同じくらいの収入になることを目標としています。


生活保護のほうが楽ですが、これはみなさんが働いて稼いだ血税であり、それに甘んじると私は人間的に駄目になります。

文章は1記事7時間掛けて書いているため、タダではないし、タダで書くべきでもありません。


また、有料化しても、出来うる限り安く販売するつもりです。

これまでの1506本の記事はデータ吸い取ってしまっても構いません。


私は納税者になりたい。納税者になるべく努力したいです。

だからいつの日か有料化すると思いますが、それはいまではありません。


いまはずっとタダで読んでいただけたらと思っております。

1000円も寄付していただき大変感謝しております。