障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

ICOで企業が資金を調達するメリットについて(後編)

前編からの続きです)

次に、ICOという破壊的イノベーションが生まれたことで、社会はどう変化するのか?

これがあまり、知られていません。なので具体例を挙げていきます。


☆☆☆


なぜ、Apple社は、中国に巨大工場を設立し、そこで低賃金労働者を自殺防止契約までさせて働かせるのでしょうか?


また、なぜ、トヨタ自動車日産自動車期間工非正規社員)を大量に雇っているのでしょうか?


さらに、なぜセブンイレブンは1%しか正社員を雇わず、99%の店舗社員はフランチャイズ側に押し付け、全員がパート・アルバイトなのでしょうか?


その理由は、コスト削減や経費削減、人件費削減をしたほうが会社の所有者である株主への配当金を増やし、株価を上げることができるためです。


株主資本主義社会とは株主の利益の最大化のために社会システムすべてが構築されている「利益第一主義」であり、「利益至上主義」のことです。


この前、NECで談合が見つかってしまい、単独決算で営業赤字に転落しました。そのときの株主総会では株主たちの怒りの怒号が鳴り止みませんでした。


なぜ、株主は怒ったのか?その理由は営業赤字により、会社の利益が減少し、資本(財産)がほとんど増えなかったためです。


会社の資本は株主のものであり、業績悪化により会社の資本(たとえば現預金)が増えないと、1株あたりの価値が目減りし、株価が暴落することを株主たちは知っているため、怒り狂ったのです。


つまり、資本主義社会とは利益第一主義社会のことであり、利益の最大化のためにAppleは低賃金労働者に自殺防止契約までさせて、iPhone1台の利益率を70%まで引き上げているのです。


母国であるアメリカで高い賃金のアメリカ人を雇わないのは、また、多くの給料を支払いたくないのは、利益が減るためです。


セブンイレブンが1%だけ正社員にして99%をパート・アルバイト社員にしているのは、Appleと同じで、それが一番金になるからです。


それが一番株主の利益につながり、利益が増加すれば株価が上がることを、セブンイレブンの経営者が知っているためです。


1%の超金持ちと99%の貧乏人が住まうグローバル格差社会が出来上がったのは、その社会が一番利益を生むことを企業が知ったためです。


ICOが社会を豊かにするのは、ICOで仮想通貨を発行した企業に対して仮想通貨を所有している人たちは、経営に口出しできないことと、赤字決算でも文句を言ってこないためです。


なぜなら、仮想通貨は利益の増減で値動きしているのではなく、そのコインを発効している会社の評判によって、仮想通貨の値動きが変化しているためです。


会社の評判とは何か?


それはたとえば、クロス技研工業が仮想通貨CROを発行したあと、大学で学習する情報工学科の授業と同等のカリキュラムをネットにタダで配信し、社会を豊かにする、まったく金にもならない事業を行ったとします。


このような、社会に対してとても良い事をした場合、もしも、クロス技研工業が上場企業で株式を発行していたら、利益を生まない事業を興しているのだから、減益したり赤字になるため、株価は下がり、株主は怒り狂います。


それは、社会は豊かになるし、優れたITエンジニアがたくさん輩出されるけど、赤字になったら株主たちの利益が減ってしまうためです。


それがICOで発行した仮想通貨CROの場合、教育格差を減らすクロス技研工業の慈善事業がニュースで配信されると、利益は減るけど、評判は高まってしまうのです。


だから、仮想通貨CROは上昇し、社会は豊かになり、お金のない子供たちでも最高の教育を受けることができ、社会全体が圧倒的に豊かになり、教育格差が縮小されるのです。


これは、たった一握りの株主だけが、配当金を貰え、株価が上昇することで巨万の富を手にするグローバル資本主義社会と、ICOで人助けしまくって、たまに赤字になるような非合理的経営を行って、格差を減らし社会全体をより豊かにして、会社の評判を高めることで仮想通貨CROも値上がりする、評価経済社会の違いです。


株式を発行し、一握りの富裕層の利益の追求のために構築されているのが今までの社会。グローバル資本主義社会です。


ICOで仮想通貨を発行して評判を上げる非合理的経営を行える、たまに利益を度外視した馬鹿な経営をやっても、経営に口出しされない社会のことを、評価経済社会と呼びます。


日本で初めてICOの発行所である「COMSA」が2017年10月に仮想通貨「CMS」を発行し、資金を調達します。


なので私は評価経済社会の到来として、この会社が発行する仮想通貨CMSを少し購入してみたいと思っています。


合理的な社会は一握りの超金持ち以外全員が貧乏人になります。でも、そんな社会つまらないじゃん。


経営者が馬鹿やれる、たまに慈善事業やっても株主から「利益が減ったぞ!」と怒られない社会のほうがまともであり、社会格差を減らすことができます。


人間の脳(地頭)は遺伝で決まっているし、生まれる家を子供は選ぶことができません。


生まれたときに既に知力と財力に格差は付いているのです。それがそのまま合理的にほんの一握りの優秀な人間だけ超金持ちになって、あとは全員貧乏人になることが決定付けられている1対99の社会なんて、そんなのつまらないじゃん。


お金持ちの家に生まれるか、そうでないかで、ある程度人生決まってしまったら、そんなのつまんないでしょ。


東大生の親御さんの平均年収は1,000万円を越えているけど、学ぶ機会に格差が出てしまうのはつまらない社会です。


非合理的な経営はその合理性、「金持ちが金持ちを大量生産する合理性」を打破することができます。


上に書いたように、ICOを使えば、まったく金にもならない教育事業だって営むことができます。経営に口出しされません。


たまに赤字出しても、株式発行してなければ、株主は企業創業者が全部独占しているのだから、自分で好き勝手に非合理的な経営が行えるのです。


たまには赤字覚悟で馬鹿な慈善事業ができる。それが社会から評価され、仮想通貨の価格が値上がりする


つまり、IPOではなく、ICOが主流になると、仮想通貨の投資家たちは「もっと慈善事業して会社の評価を上げろ!」と格差を減らすことにむしろ賛成してくれるのです。


だからICOは圧倒的に社会を変質させてしまう破壊的イノベーションだと私は思っています。


ICOは、今後、日本の社会がとてつもなく豊かになる起爆剤となり得ます。

私が非合理的な評価経済社会を志向しているのは、評価経済社会が格差を破壊してしまうためなのです。


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