日本のアニメ業界の現場は非常にレベルが高いです。
低予算で世界最高のコンテンツを世に提供しています。
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特にけものフレンズは、大手制作会社の半分の低予算で出来る限りCGを使い、コスト削減しながら大ヒットさせたということで話題になっています。
正確な予算額がネット上には載っていませんが、一般的なネット民の意見は「安くても良いモノが作れるなら、それでいいじゃん」という意見です。
私はこの意見に反対です。
アニメ業界が低予算を余儀なくされているのは、ビジネスモデルが脆弱なためです。
費用側(コスト削減側)ではなく、コンテンツをネットに流通させ、タダでコピーさせているから収入が入ってこないのです。
予算を切り続け、最終的にボランティアによるアニメ制作になったら、何が起こるのか?
既に無料化したほかのコンテンツを見れば、火を見るより明らかです。
昔、無料のネットゲームという市場がありました。だけど、収益が生まれず直ぐに消滅しました。また、無料漫画の画家の画力と、集英社の少年ジャンプ連載陣の画力では
圧倒的な差があり、有料漫画の週刊少年ジャンプのほうがぶっちぎりで質が高いことが分かります。
儲かりまくっているソシャゲの課金ゲーム(ガチャ)とアニメの差は、コンテンツの質の良し悪しではなく、儲かる仕組みがあるかないかの違いです。
問題の本質は、アニメ制作会社の経営者のマネタイズ能力が極めて低いことです。
そのしわ寄せが現場社員の長時間労働と、アニメーターの低収入と、過度なコスト削減意識を生み出しているのです。
そもそも深夜にアニメを流すこと自体がすでに間違っています。デジタル機器と化した現在のテレビではアニメはいくらでもコピーされ、海外の動画配信サイトに違法でアップロードされ、無料で世界中の人たちが見れます。
テレビを持っている人たちも無料で見れます。アニメが趣味の人に、これでどうやってDVDを買うというインセンティブ(意欲)が生まれるのでしょうか?
コアなアニメオタク以外からの収入が0なのは、アニメ制作会社の経営能力が低いためです。
これでは良いモノを作ろうが作らまいが、すべて意味がありません。
まずはデジタルデータで流さない、特殊なプラットフォームのなかでしか見れない(コピーできない)仕組みを作るべきです。
なのに、それを作らず、現場のコスト削減意識に頼っているから、アニメ業界は儲からず、先に仕組みを作ってしまったソシャゲ(課金ゲーム)市場はあまりに儲かりすぎて、好業績でユーザーから搾取しすぎて、苦情が来るほど経営巧手なのです。
これらは現場の人間の感情論(頑張りたいとかいう意味不明な感情)ではなく、経営トップがどれほど良質でお金の入ってくる仕組みを作れたかどうかで決まってしまうのです。
それを作らず(というか作れない)、けものフレンズの現場の製作スタッフがいくら頑張ろうとコピーされて終わりです。
まずはコピーされない仕組みを作ってから、その後、作品制作に力を入れるべきだと私は考えます。
本来、良質なコンテンツは安売りすべきではありません。価格を上げるべきなんです。
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