障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

日本のアニメ業界は儲からない。だけど、クリエイターは才能であふれている

最近、アニメ業界において、「君の名は」ばかり高い評価を受けていて、私は胸を痛めました。

仕事が忙しく、アニメいまは見てないですが、クールジャパンの頂点にいる人達が「君の名は」の監督さん以外、誰も知られていないことに、自分はとても悲しくなりました。

 

☆☆☆

 

出版業界は社員が超優秀のためマーケティングがとても上手いです。誰だってドラゴンボールの作者の名前を知っています。

 

そして火の鳥ブラックジャックを描いた手塚治虫先生を知らない日本人はいません。

 

当然、HUNTER×HUNTERの冨樫義博先生も、らんま2/1の高橋留美子先生も、ワンピースの尾田栄一郎先生も、みんな知られています。

 

それは出版業界の社員がとても能力が高く、漫画家や小説家の知名度を高める能力に秀でているためです。

 

だけど、クールジャパンのトップオブトップにいるのは彼らだけではありません。アニメ業界にいまどれほど優れた監督がいるのか、みんな知りません。

 

君の名はの新海誠監督だけがインタビューを受けていて、まるでスタジオジブリ宮崎駿監督と新海誠監督しかアニメ業界には優れた監督がいないかのような論調がメディアに流れていて、なんか悲しくなってきました。

 

なので、私が見たアニメのなかで、日本の頂点にいるトップオブトップのアニメ監督3名をここに執筆してみようと思います。

 

アニメは名作であればあるほどオタ(オタク)だけが発狂し、深夜に放送されることになります。

 

一般人は頂点、日本のトップクリエイターを知りません。それはマーケティングが下手だからです。おいしいラーメンを作っても、そのお店を誰も知っていなければ、お客さんは入ってきません。

 

アニメ業界がデジタルデータのコピーによって、いつもデータをタダで吸い取られ、マーケティングに予算を裂けないのが知名度の低い本質的な理由です。アニメ業界は儲からないのです。

 

これほどの才能を持ちながらも、光り輝く才能を解き放ちながらも、業界内にしか知られていないなんて、とてももったいない。

 

そう呼べるほどの3名を、日本の頂点に立つ3名のアニメ監督を、ここに挙げてみようと思います。

 

1.山田尚子監督(京都アニメーション

彼女は日本でたった1人の天才アニメ監督です。たった1人、日本に1人しかいない天才アニメ監督です。彼女が見ているもの、感じているもの、視覚的表現力のすべてが独創的であり、日本の頂点にいるアニメ監督です。

 

けいおん!の1期1話目を見れば彼女の天才性が分かります。あれは頭おかしいとしかいいようがない。なぜ、あんな視覚的表現力を見せることができるのか?

 

これが才能と呼べるものなのかというくらいに絵の見せ方にセンスを感じさせます。けいおん!1期の1話目で主人公のために軽音楽部のみんなが演奏するシーンがあります。

 

そのとき、アニメ業界ではやってはいけない、一番手抜きな技法を彼女は惜しみなく使ってしまいます。

 

なぜ、こんな1枚の絵を横に引っ張るだけの雑な表現技法をするのだろう?と当初私は考えていました。

 

だけど、3名が唯のために演奏してくれた「翼をください」に視聴者が耳を傾けるために、敢えてやってはいけない手抜きのアニメーションを作成し、いまは眼ではなく、耳で、音を楽しんでくださいというメッセージを視聴者に伝えている。

 

  なんていう才能!

 

絵の置き方、間の取り方、視聴者を飽きさせない情報量の多さと、情報密度の緩急表現力において彼女は日本にたった一人しかいない、天才です。

 

「響けユーフォニアム」では演出を担当されています。あのアニメの演出は、ぶっちゃけますが、日本一の演出です。もう、なんなのあれ。才能の奔流に飲み込まれてしまう圧倒的な演出力。

 

主人公の友達の女の子が好いている男の子に告白し、振られるシーンと、小高い丘の上での二人のアンサンブル、合奏のシーン。

 

あれおかしいでしょ。頭どうかしてるよ。日本のトップオブトップの才能の片鱗を深夜に放送するなよ!!
惜しみない天才性を誰も見てない深夜に見せるなよ、です。

 

丘の上では女の子二人がトランペットとユーフォーニアムの演奏で、美しい音色を奏でている。だけど、丘の下では女の子が一人、男の子に振られ、泣いている。ワンワンと声を荒げて、泣いている。

 

舞台は夏で、夏祭りの夜。通行人の笑顔があふれている。その衆人のなかで、一人女の子が泣いている。ワンワンと。声を上げて。通行人は何事かと足を止め、その悲惨さを見つめている。

 

丘の上では主人公の女の子が、憧れの同級生の女の子と一緒に演奏し、才能が共鳴しあっている。そのあたたかい旋律と音色。そして、丘の下での友達の悲しみにあふれた涙。その対比表現力。

 

それを淡々とそして無残に、さらに美しく表現してしまっている。あんなのありえないやん。演出担当はどうかしている。幸福な演奏の時間と、不幸な悲しみの時間を濁流のようにミックスさせ、二点間の視点を切り替えている。

その天才性。圧倒的な演出の才能。

 

演奏したくて、すこしでも上手くなりたくて走っているシーンとか、もう頭おかしいでしょ。病院行って頭見てもらって来い。こんなの、天才しか作れない。作れないよ。そういうアニメーションを彼女は平気で作るアニメ監督です。

 

ぶっちぎりで日本の頂点に君臨しているのに、誰にも知られていません。ほんとうにもったいないです。そして「けいおん!」にオタが発狂するのも分からなくもありません。

 

あれほどのものを作ってしまいながら、誰にも知られてないなんて、日本一のセンスを持ちながら、それを知ってくれる人がいない。

実にもったいない話です。

 

2.伊藤智彦監督(アニプレックス

伊藤智彦監督はあの「ソードアート・オンライン」を作った監督です。よって、日本一のアニメ監督です(笑)。

 

自分も適当に蓮ドラ予約でソードアート・オンラインの1期を見てました。そしたらね、もうね。なんだよあれ!!これ、日本一のアニメじゃん。

 

天空の城ラピュタ越えちゃったじゃん。という、ね。とんでもないアニメでした。あまりのストーリー展開のすごさに、手のつけられようの無い才能に、阿鼻叫喚した記憶があります。

 

ソードアート・オンラインラピュタよりも普通にすごいですよ。すごすぎます。これが日本のトップなのか?と。これが日本のトップコンテンツであり、トップオブトップのアニメ監督なのか?という恐ろしさを、見てて感じました。

 

普通アニメってサブカルチャーと呼ばれるだけあって、短絡的なんです。
見てれば内容が読めるし、大人だったら先を読んでしまえるため、ストーリー展開の先を勝手に予測してしまい、次どうせこうなるんでしょ?みたいなね。

 

この男の子はあの女の子とくっつくんでしょ?みたいな予測ができるのです。

 

そういうあきらめ感があるのですが、ソードアート・オンラインの8話目「黒と白の剣舞」以降のシナリオ展開力がもうね、あれ、おかしいよ!この監督頭おかしいよ!病院行って濃いよ!!頭診てもらおうよ!!

 

という、ね。
もう、なんじゃそらーーーッ!!
という感じで、深夜に日本の国宝級を放送するなと、ね。

 

こんなの、もう世界一じゃん。世界一のアニメを深夜にオタのみに見せて、なにが楽しいの?ねえ、馬鹿なの?馬鹿なのですか?

という衝撃的なとんでも展開になるのです。8話目から一気に来ます。

 

伊藤監督のすごいところは絵の置き方、趣(おもむき)の取り方にあります。つまり、彼がアニメを監督すると、名場面、名シーンがあまりにも多い。

ていうか多すぎる。

 

なにこの監督。いきなり日本一のアニメを平気な顔して作んないでくれる?というほど、ここは見せ場だ!っていうところにおける絵の置き方と間の取り方、時間の使い方が日本一上手い監督です。

 

ソードアート・オンラインの特に1期には名場面・名シーンがあるわあるわ。そして、これでもか!!これでもか!!と言うほどに質が高い。時間の取り方、各シーンにおける声優さんの声のトーンから声を出すまでの間の時間の取り方。そして、そのときの絵の置き方が、抜群に上手い監督です。

 

山田尚子監督みたいに独自のセンス(天才性)はありません。ああいう頭おかしいセンスは持っていないのですが、それでもソードアート・オンラインのキリト君の戦闘シーンは、ドラゴンボールの戦闘シーンの10兆倍は質が高いのが、見れば分かります。

 

あまりにすごすぎて、呼吸するのも忘れてしまうくらい。絵の置き方が抜群に上手いのではなく、上手すぎるのです。

 

それと趣(おもむき)というものをアニメで表現できてしまうところも彼の才能だと思います。

 

ゆったりとしたシーンとスピード感あふれるシーンの緩急表現力。穏やかな時間のなかで、外の草原で日向ぼっこして寝ているシーン。そこからキリト君がぶち切れて敵を滅多斬りにするシーン。

 

戦闘が終わったあとの厳かな会話のシーンと、キリト君の悲しそうな笑顔。そのすべてが貴重で尊くて、素晴らしいアニメです。

 

2期目も良いけれども、1期目が特にすごいです。手の付けようのない国宝級のアニメを作っておいて、一般人には誰にも知られていないため、そして「君の名は」素晴らしいとか訳分かんない報道ばかりのため、日本の頂点をここに執筆しています。

 

3.武本康弘監督(京都アニメーション

3人目は武本監督です。
あの「らき☆すた」を作った監督であり、そして神アニメとして有名な「氷菓」を作った監督でもあります。

 

もう、ね。
氷菓」を作ったというだけで、産業史に残る偉大なる功績をもった監督さんです。あれ、おかしいでしょ!!もう、氷菓はアニメじゃないでしょ?

 

推理アニメーションなのに、なんか色々間違っているというか、ね。出来が良すぎるというか、これってゴールデンタイムに放送したら視聴率35%は軽く取れるでしょ。という神のアニメです。

 

氷菓は、高校生の淡々とした日常のなかで小さな事件が起きたとき折木奉太郎(おれき・ほうたろう)が自分の思考力と推理力で問題を解決していくアニメです。

 

その思考の論理展開をアニメで視覚的に表現しているのですが、人の論理的思考力や推論を絵にして、人間の頭の中身をアニメにするとどうなるのかを、丁寧なアニメーションで表現しています。

 

彼の一番素晴らしいところは、舞台となる地方都市における緩やかな時間の流れのなかでの厳(おごそ)かさを、アニメで表現できているところです。

 

こんなの原作者が見たら感動して泣くだろうな、とね。喫茶店のシーンの幻想と現実における時間の流れとか、ですね。

 

カッチコッチ・カッチコッチ時計の音と幻想と夢うつつ・・・のシーンを、アニメで表現してしまっている。
普通のシーンに日本一のアニメーションを平気で使ってくるところとか、さすがは京都アニメーションだな、と。

 

PA.Worksと京都アニメーションが日本で一番絵の上手いアニメ制作会社なのですが、その画力を惜しみなく使い、幻想と現実の区別を付かなくする厳かさをアニメで表現できてしまう。

 

推理や推論をするとき折木奉太郎がどんな思考のメカニズムから論理を組み上げるのかも、絵で表現してしまう。

 

かといって難しいアニメなのかというと、そうでもなく、ギャグやお笑いがふんだんに盛り込まれている。

 

氷菓は戦闘シーンみたいなもの、動的な動きの一切ないアニメであり、ただ、奉太郎とえるが会話しているだけで、あとは知力と思考力によって問題を解決していく。

 

どう考えても、日本一の推理アニメなのに、なぜか誰にも知られていない。コ○ン君ばかりが知られている。ほんともったいないです。

 

武本監督と言えば、他に「らき☆すた」の監督でもあります。つまらなかったらき☆すたを超一流のアニメに仕立て上げた監督です。特に大宮アニメイトのシーンは日本一のアニメーションと言っても過言ではないでしょう。

 

アレを見て京都アニメーションのファンになった人や、京アニジブリを越えたと言っているオタが居ても、自分は批判することができません。

あれ、やりすぎだからwwwwwというやつです。

 

そこまで丁寧にギャグを作らなくてもいいから、というシーンです。京アニはそういうところ、昔っからまったく手を抜きません。全身全霊でアニメを作りこんでいく姿は、昔っから変わっていません。

 

3名とも日本のトップオブトップですが、実はアニメ業界には他にもすごい監督がまだ数名います。

少し紹介していきます。

 

まず「SHIROBAKO」と「ガルパン」を作った水島努監督。間違いなく日本の頂点にいる監督です。

 

特に「SHIROBAKO」を作ったということ。これがどれほどすごいことなのか。こんな超一流アニメを深夜に流すなやー!オタが連日発狂してもしょうがないじゃん。

 

世界的に見ても「SHIROBAKO」より上のアニメなんて存在するわけないじゃん。PA.Worksの作画はほんと恐ろしい。日本一の作画を平気で深夜に流すなやー!

と言いたいです。

 

次に、「たまゆら」を作った佐藤順一監督。こんな良いアニメがあるのに、世間一般には誰にも知られていません。

 

オタはそれでいいかもしれないけど、こういう人の心を大切にした成長物語を作っているのに、売れないでアニメ市場が衰退するとか、どう考えても無料でテレビで放送するというビジネスモデルが間違っていることに早く気づいてほしいです。

 

自分達がどれほどの才能を持っていて、毎週世界最高のコンテンツを平気で無料でテレビに垂れ流しているのか・・・。

それを早く知ってほしいです。そしてもっと儲けてもらいたい。ゲーム業界のように、収益に執着してほしいです。

 

私だったら有料のオンデマンド放送だけでしかこんな超一流のアニメは流さないと思います。コピーされるのがもったいないから。中国のようなコピー先進国だって、オンラインゲームにはお金を払っているのです。

それはオンラインゲームはコピーできないからです。

 

まず最初にコピーされない仕組みを作ってからじゃないと、ほんともったいない。世界最高レベルのアニメが泣いていると思います。

 

最後に、「はがない(僕は友達が少ない)NEXT」の喜多幡徹監督。かなり知名度の低い監督ですが、恐ろしいほどの才能を秘めた監督です。

 

ギャグに特化していて、「笑い死ぬアニメ」を作ったら当代随一の才能を発揮しています。実際、「僕は友達が少ない」のNEXTは笑い死ぬアニメとして自分も呼吸困難に陥るほどに笑いました。

 

PCゲーム市場に「王の名」を持つシナリオライターがいますが、あれのアニメ版みたいなものです。一般人には理解不能なギャグも平気で使います。

 

彼の作ったアニメにおいては、放送禁止用語を連発するため、常に電波法との戦いになります。

 

なんでこの監督、深夜に電波法と戦っているの?才能ありすぎるんですけど。と思ってます。

 

普通なら放送禁止用語ですので、ピーピーと鳴るはずですが、なぜか深夜だからなのか、放送禁止用語をそのまま垂れ流す、その男らしさが好きです。そこにシビれるあこがれる、です。

 

最近アニメあまり見ていませんがここに挙げた6名が作ったアニメは、日本のトップオブトップのコンテンツです。

 

いずれもゴールデンタイムに流せば視聴率は軽く20%から30%は行くでしょう。特に「けいおん!」と「ソードアート・オンライン」と「氷菓」は見てほしいアニメです。

 

演出だけなら「響けユーフォニアム」が日本一だと思います。だけど全体として見ると上に挙げた3本を見て、日本にはこれほどまでの才能が居るのか!

 

宮崎駿監督以外にも、名の知れないだけで、これほどまでの才能を持ったアニメ監督が居たのか。

 

という事実を、あなたは知ることになると思います。現在のアニメ業界は群雄割拠状態であり、才能の宝庫です。
オタが発狂するということはそのコンテンツの質が高すぎるということのシグナルです。

 

一般の方にもトップオブトップのコンテンツがどれほどすごいのか。一度視聴してみることをおすすめいたします。