障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

盲ろう者は人の2倍努力しなさいとかいうカス理論について

前に転職活動してたときに、某関係者から「あなたは盲ろう者なんだから、人の2倍は努力しなきゃ」みたいなカス理論を言われたことがあります。


☆☆☆


100社落ちて200社落ちるあたりで、言われたような気がします。


別に日本に企業なんて100万社程度あるので、何社落ちたって全然問題ないと思っています。


むしろ大切なことは、落ちたときになぜ落ちたのかを、落とした人事担当者にヒアリングすることです。


そうすると自分のどこがだめなのか、なにがいけなかったのかが、分かってきます。


だいたいの落ちた理由は

  • 盲ろう者(障害者)だから
  • スキルが不足している
  • 現場経験が足りなすぎる
  • コミュニケーション能力に疑問がある

ここらへんになります。盲ろう者だから落ちたというのは、もう健常者には戻れないためしょうがないです。そこはさっさとあきらめます。


そもそも一般向け求人で応募しているため、企業が盲ろう者だから落とすというのは、とても合理的な判断です。


障害者向け求人では所得が少ないし、仕事が単純作業ばかりでとんでもなくつまらないため、盲ろう者と障害者の転職活動において、障害者向け求人での応募は絶対におすすめできません。

一般向け求人で応募したほうがいいです。


だけど、コミュニケーション能力が足りないとか、スキル不足とかは、自分で本屋へ行って専門書を買って、スキルを磨くことはいくらだってできるんです。


コミュニケーション能力もそうです。盲ろう者だからコミュニケーションをあきらめるとか、そんなことを言ったら企業は困惑するし、仕事は一人でやるものではなく、ある程度、チームみんなで助け合って仕事するものなので、盲ろう者でも最低限のコミュニケーション能力は必須になります。


落とした企業でも、真摯に話してくれる企業はたくさんいらっしゃいます。そういう選ぶ側の気持ちに立脚して、足りない部分、直せる部分を直していく活動がとても大切な行為だと思っています。


だけど、盲ろう者になったから人の2倍は努力しないといけないのかと言われたら、別にそんなことはないと思っています。


ほんとうになにをやったって人並み以下だし、健常者に負けてしまうことばかりです。そこで無理に情熱をたぎらせ、熱量を最大化して働いても、体を壊すだけのため、自分はあまりおすすめしたいと思えません。


前の会社で朝4時まで働いていたら、体が動かなくなって治すのに何度か病院へ通って、大変だった思いがあります。


やんなきゃいけないときは健常者でも盲ろう者でも気合を入れます。だけど人間の熱量なんてたかだか知れているものなので、盲ろう者になった瞬間から健常者時代の2倍の努力をする必要なんて、別にないと考えています。


淡々と生きればいい。
無理だったらあきらめてもいいと考えています。


そもそも弱視・難聴だから電話にも出れないですし、出れないのに無理に出ると、「もう一度言ってもらえませんか?」と5回くらい言うと「もう、いいよ!!」と自動的にキレられて、怒り狂って電話が切れてしまうため、

できないことは無理にする必要はないし、常に情熱的に生きる必要はないと思っています。


淡々と自分のペースでできることだけやればいい。そう考えています。


無理なもんは無理だし、15時間とかぶっ続けに働くと、次の日の昼過ぎにクラクラしたり、意識飛んでてどうやって家に帰ったのか覚えてなかったりしますので、最近はそこまでやる必要はないかなって思っています。


盲ろう者は、仕事も勉強も私生活も、盲ろう者のペースで自分のペースで生きていくのが一番楽しいと思っています。


そして、どんな体になっても、人生は楽しむべきです。人間は楽しむために生まれてきたのだから、思う存分自分の人生を楽しむべきだと考えているのです。