では、前回の続きを執筆します。
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最近私が感じていることは2つありました。1つはスーパーに売ってる食品の7割が国産なのに、なんで食料自給率が38%なのか?
についてでした。
その理由は一つ前のエントリーで述べたとおりです。
カロリーベースとしては38%だけど、市場規模としての食料自給率は65%である。というのが真相でした。
もう一つ、最近感じていることは小麦製品の値上がりです。
たとえばラーメン屋さんのラーメン1杯の価格が値上がりしています。東京だとラーメン1杯850円します。
昔は650円でした。なぜでしょうか?その理由は2つです。一つは人手不足による人件費の増加です。
もう一つは麺の原料である輸入小麦の価格が高騰しているためです。
世界人口は毎年7,800万人ずつ増え続けています。
これはご飯を食べる人が1年あたりで7,800万人ずつ増えていることを表しています。
つまり、農業は成長産業であり、食の争奪戦とまではいかないものの、小麦やお米の価格は毎年上昇し続けているのです。
日本自立のためのプーチン最強講義という本に農産物の主要品目の価格推移グラフが載っていますが、小麦もお米もトウモロコシも国際価格は、すべて上昇していることが分かります。
大体20年で価格は2倍くらいになっています。
なので私も日本で買えるラーメンや食パンやうどんの価格の上昇の原因は、輸入小麦の価格上昇が原因だと思ってました。
だけど、日本は世界第5位の農業大国という本に、本質的な価格上昇の原因が載っていたため自分の考えを改めました。
日本のラーメンや食パンの価格が上がっている直接的な原因は、輸入小麦の価格の高騰で間違いありません。
しかしながら、価格上昇の最大の原因は、作物の国際価格の上昇ではないのです。輸入小麦の国際価格は高騰した後の金額でも1トン3万円です。
1kg30円なので、小麦単体ってだけなら激安です。
なのに日本のセブンイレブンで食パンを買うと一斤6枚入りで149円します。
なぜ1kg30円の小麦が日本のセブンイレブンに陳列すると149円にまで値上がりしてしまうのでしょうか?
これは工場でのパンの製造やら日本への輸送料や、セブンイレブン店舗の家賃や電気代や店員の人件費を商品価格で割ったものを加算させても高すぎるのです。
最大の原因はそれらの加工費や経費ではなく、関税です。
日本の小麦の関税は250%です。
よって小麦1トン輸入するのに関税のない国では1トン3万円で購入できます。
1日500gずつ小麦をパンにして食べたとしても、3万円で6年分の食費になります。
海外では食費は人件費を入れない材料費だけであれば格安で購入できます。
ではなぜ日本は生活が苦しいのでしょうか?食パンが高いのでしょうか?
その理由は、1トン3万円の小麦を日本に輸入するのに250%の関税がかかるためです。
3万円の250%だと3×2.5=7万5,000円が税金として支払わねばならないから、
3万円+7万5,000円=10万5,000円で日本に1トンの小麦を流通させているのです。
3万円と10万5,000円ですので、私たちは国際価格より3.5倍高い料金を支払い小麦を購入し、作られた食パンやラーメを食べていることになります。
2008年の異常気象でテレビの報道では小麦の価格の上昇の原因をオーストラリアの異常気象による小麦の価格上昇だ。
と報道し、オーストラリアの乾いた大地をテレビで放送しました。
実際に日本が小麦を輸入しているのはオーストラリアとカナダとアメリカからです。
そしてオーストラリアからの輸入品目における小麦は、日本向けのモノは日本のニーズに特化した小麦でした。
うどんやラーメンの材料に適した特殊な品種の小麦を作っていたため、価格はほとんど上がっていなかったのです。
他国では小麦の価格上昇によってデモや暴動が起こっていたけど、日本では普通に食パンやラーメンを食べることができていたのはそのためです。
当時も最近もそうなのだけど、国際価格が10%上昇すると日本はその10%に関税が250%かかるため価格の高騰幅も3.5倍になり、輸入価格と合わせると
0.1×3.5×100=35%の価格が上昇しています。
小麦の国際価格が10%上昇すると関税250%取られるから、日本では35%上昇してしまう。
穀物の価格自体は世界人口が増えているから、緩やかに上昇していくのは当たり前です。
しかしそれが日本に入ってくると3.5倍の価格で流通業者が購入することになるから、食パンやラーメンの材料費が3.5倍に跳ね上がった価格で私達は購入し、食べているのです。
よって国際価格が10%上昇したらその10%上昇した価格の250%の関税と本体価格をあわせた3.5倍の価格の小麦が私たちの食べているうどんや食パンやラーメンになります。
では、関税250%の使い道は何なのでしょうか?
まず、それら輸入小麦の関税の年間合計額は1,056億円であり、特別会計に計上されます。
特別会計のため政治家もマスコミも分からない別枠の農林水産省が自由にばら撒くことのできる、彼らの独自予算です。
この農林水産省が自由に使えるお金は農水省幹部の天下り先の「全国米麦改良協会」と「製粉振興会」に流れています。
私達が3.5倍の価格でラーメンやうどんや食パンやパスタを購入し、その関税が1年間で1,056億円になります。
この大金を彼ら農水省の幹部が自分の天下り先にバラ撒き、その一部を退職金として受け取っているのです。
要するに、国民を苦しめているのは他ならぬ農水省幹部なのです。
国民がラーメンやうどんやパンを食べるとそのうちの3割が小麦の価格として海外の農家に支払われ、残りの7割正確には
100÷350×250=71.4%
が、農水省幹部に対しての天下り先の組織の維持費と退職金として使われています。
だけど日本にはジャーナリストとかいませんから、誰もこの事実を報道しません。
インターネットの情報はゴミですから良質な情報を配信する人はいませんし、マスコミは記者クラブ利権があるため、まともな報道をすることはありません。
次、バター利権です。バター利権も構造は同じです。
農水省の天下り団体「農畜産業振興機構」が国内酪農家の保護の名目で輸入バターの流通を100%独占しています。
小麦と同じように国内に入ってこさせないように、輸入バターには2重の関税を設けています。
1次関税は関税率35%であり、600トンまでです。これを超えた分は2次関税として税率が1kgあたり29.8%+179円に増税されるため、海外で1kg500円で購入できるバターを国内で購入すると、機構に支払う手数料と合わせて1,634円になってしまいます。
35%の関税で600トンも輸入できるのなら問題ないじゃないか?
と思われるかもしれません。でも、そんな人は数字に弱い人です。600トンは600,000kgです。
600,000kgを日本人口の1.268億人で割ってやると
- 600,000kg÷1.268億人=0.004731kg
- 0.004731kg×1,000=47.31g
- 47.31g÷365日=0.1296g(輸入バター1日あたりの消費量)
1次関税の対象になるのは国民一人あたり1日0.1296gまでです。
食パンなどを食べ、国民一人あたり1gバターを消費している場合4,630トンが必要になり、12.9%しか1次関税は適用されません。
残りの87.1%は3倍以上の価格に跳ね上がる2次間税になるのです。
2次関税を適用し計算すると、バター本来の価格は500円なのに関税が1,134円掛かります。
よって、3倍以上の価格に水増しされた輸入バターは、とてもではないけど高級スーパーでしか購入できません。
国内バターはホクレンによって流通が100%独占され、割高な価格で推移し、輸入バターは2つの関税を設けることで本来なら安く手に入るのに、さらに割高な価格設定にして馬鹿高い国産バターを買わせるよう利益を誘導させる。
国内酪農家の保護の大義名分のために価格競争の発生しない流通経路を国内海外ともに独占させられ、国民は割高な価格のバターを購入せざるを得ない。
これが農水省官僚の天下り先の一つ、農畜産業振興機構が行っていることです。
この関税によって受け取れる金額の総額は専門書にも載っていませんが、関税によって潤った農畜産業振興機構の職員の平均年収が930万円。
役員の報酬は一人あたり1,600万円。理事長の報酬が1,930万円です。
流通経路を独占し、仕事はなにもなく価格競争の起きない高価な国産バターを買わせることで国民の負担をさらに増やし、国民の家計を苦しめることで多額の利益を獲得している。
が、バター利権の全容です。
本に載ってないけど国産バターの流通経路を100%独占させ価格競争を起こさないホクレンの職員や酪農家の年収は、もっと大変なことになっているはずです。
データが取れないのでしょう。本には載っていません。
豚肉利権もあるんだけど、毎回全パターンが同じのため割愛します。
流石30年間不景気を続けた国です。大勢の人間が納めた税金を一部の人間が受け取ってる。
これでは経済成長はしません。永遠にね。20年以上賃金の増えない国日本の利権の一つがこれです。
この国もう終わってるから。
こんな簡単な利益誘導政策一つすら誰も報道しないので、仕方なく障害者ブログで公開しています。
日本のマスコミはマジで終わってるので、まともな報道するため専門書を読んで分析を開始し、自分なりの文章で執筆しているだけなのですが、ニーズが多いのか、最近アクセス数が増えています。
日本は劣化しているし、30年間も不景気続けて世界から笑われているけど、私は国を脱出するし、いまは生活保護者で1円も税金を支払っていないため、正直どうでもいいですw