前に図書館で23区格差という本を借りて読んだ。
☆☆☆
東京都の図書館は区によっても蔵書数が違うが、基本的に本屋で売ってる書籍はほとんど借りることができる。
人口増えまくって金余りの地域だからだ。
人口減少して図書館の運営もままならない地方自治体とは大違いである。
よって図書館を利用するようになったのだが、そしたら、本屋へ行く頻度が減った。
読みたい本が大体5割か6割の割合で図書館にも置いてあるのだ。なので本をあまり買わなくなった。
知ってる人だけが知っている事実である。
で、都営住宅の応募の際に、どの区に住めば良いのか分からなかったから、6冊程度本を読んだ。
そのうちの1冊が23区格差という本だった。
読んだ感想としてはまったく役に立たなかった。文系のアナリストってなんであんなに知力が低いのだろう?
が正直な感想だった。
たとえば、犯罪の多い地域とはコンビニの多く出店している地域のことである。
と書かれているのだ。
確かに統計データを取ればコンビニの多く出店している地域では犯罪件数も多い。
そういうデータが取れる。
だが、これは数学で言うところの「相関関係」でしかない。
文系の人って相関関係と因果関係の違いも分からず、本を出版できるのだ。
これでは劣悪なインターネットの無料記事(私はもう読まなくなった)と、質がほぼ変わらないではないか。
データとしてコンビニの多く出店している地域は確かに犯罪件数も多い。
だけどそのコンビニを全部潰したり、潰した跡地をスーパーにしたり、コンビニではなく個人商店をそこで経営しても、その地域の犯罪は減らないのが、なぜ文系には分からんのだろうか?
と思う。
つまりデータは相関しているけど、因果関係はまるでないのだ。
コンビニがあろうがなかろうがコンビニを多く利用する中・低所得者層の多く住まう人口密度の高い地域や、小売店の密集する商業地域では、万引きや自転車泥棒などの軽犯罪は減らないのである。
そもそもコンビニはどんな立地に出店するのか?
それは人口密度の高い地域である。人口密度の高い地域ほど犯罪件数は高くなるのだから、別にそこがコンビニだろうが個人商店だろうがお構いなしに犯罪は発生するのである。
こっちが因果関係である。
数値だけ見て、コンビニの多く出店している地域に犯罪も多いという相関性(正比例の関係)があった瞬間、文系はあっ!そういうことなのか!
と、まったく自分の頭で思考せず、コンビニの多く出店している地域は要注意です!
という駄文を提供してしまうのだ。なんで物事を論理的に考えないのだろう。
と思ってしまう。
他にも日本自立のためのプーチン最強講義という本を読んだが、この本に書かれている消費税が5%に増税したあと日本のGDPは500兆円台で推移し、その後まったく増えていない。
という文脈があった。
グラフも載っていた。確かにそのとおりである。
物やサービスを消費するのに税金を掛ければ消費が減るのは当たり前で、物が売れなくなるのは当然のことである。
だけどそれってGDPが増えない一因であって原因ではないですよね。
社会保険料負担が自動で給与天引きされてるから国民は気づかないけど、医療費などの社会保険料負担は毎年増えているから、日本人の手取り収入は減り続けているのである。
手取り収入が減り続けていれば、ミクロ経済学の基礎理論を使わなくても消費が減るのは当たり前であり、景気が低迷するのは当然なのである。
手取りで月20万円しか得られない労働者が500万円の買い物をするのは不可能なことくらい普通小学生でも分かることである。
人間は収入の範囲内でしか消費できないのだ。当然のことである。
だから収入が月10万円増えれば消費も10万円を上限として増えるし、逆に収入が10万円減れば、消費も10万円かそれ以上減るのである。
当たり前である。
こんなのミクロ経済学の参考書の一番最初に載ってる基礎理論だ。
ちなみに趣味が漫画の人が年収が1,000万円2,000万円と増えても、あるところを上限として消費はもう増えなくなる。
当たり前である。
家に漫画が入り切らなくなるしw、人間の時間は金持ちも貧乏人も1日は24時間しかないから1ヶ月を30日としても24×30=720時間
しか漫画が読めない。
収入がどれだけ増えようとも人間の時間が増えたりしないのだから趣味に掛けられるお金にも上限があり、大体の金持ちは収入に占める消費の割合が収入が増えれば増えるほど減っていくのだ。
逆に貧乏人は収入に占める消費の割合が多い。
少し思考すりゃ分かるが年収手取りで5,000万円の人がお金を使いまくってももう使い切れず、余ってしまい、年間3,000万円貯金したとする。
すると貯蓄率は3000÷5000=0.6
であり60%となる。
年収250万円の貧乏人はだいたい9割は生活費でお金を使ってしまう。
9割として225万円使った場合、25万円が貯金として残る。この場合、貯蓄率は10%である。
するとどうなるのか?
このケースの場合
- 金持ちは貯蓄6割、消費4割
- 貧乏人は貯蓄1割、消費9割
で、日本の労働者はいま収入増えてないから、貧乏人側が多数派なのだ。当然、頭の悪い財務省の官僚は多数派から税金を取ろうとする。
つまり消費税である。
金持ちは収入のうちの4割を消費税として8%課される。4割の8%だから総収入の3.2%だ。
そのため、貯蓄率が60%から56.8%に減ってしまう。
翻って貧乏人は収入のうちのなんと9割分もを8%取られてしまう。総収入の7.2%が消費税へと支払われる。
よって貧乏人の貯蓄率は10%から7.2%取られ2.8%になり、貧乏人はますます貧乏人のままになる。消費税によって貧乏人の貯蓄はほぼ消滅するのだ。
ハッハッハ
このように消費税は貧乏人のほうが圧倒的に税負担が大きいのである。
こんなの0.00001秒思考すれば誰だって分かるのだが、日本人は知性が劣化しすぎていて、政治が自分を貧乏人にしているのが分からないのである。
かわいそうな民族である。痛い民族である。文系は知力が低いのである。そのため、そっとしておいてあげましょう。
搾取されてるの気づいてない人たちですから。
よって、消費税だけが日本の不景気の原因だ!
とデータ見ただけで決定付けてしまうのは、社会保険料負担も増えているのだからもっと数多くの因果関係が存在しているため、ちょっと早計なのではないか?
と思考してしまう。
文系ってデータ見ただけで瞬間的にそうだったのか!
って勝手に閃くんだけど、社会はそんな単純ではありません。もう少し思考してほしいです。
やっぱりね、社会に出て気づくけど、文系理系と分けないで両方の学問を最低限勉強しておいたほうがいいです。
文系理系どちらの学問も役立ちます。
基礎的な読解力は必要なんですが、相関関係と因果関係すら分からん人でも日本は紙の本を出版できてしまえるので、マジで日本人は知性が劣化しているんだなあ。
と実感します。
本を読んでてそんなことを少し考察してました。論理の本は数冊読んでおいたほうがいいです。