障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

障害者がわがままで偉そうと言われる場面について

自分の人生経験が少なすぎるため、いま障害者作家の本を読んでいる。

どうやらエッセー(日記本)らしい。


☆☆☆


なぜ、障害者はわがままで偉そうと言われるのか?

まずはこのエッセーの一部をご覧ください。


…脳性まひの歩行器に乗った障害者が松任谷由実ユーミン)のコンサートに行った際、

自分が取ったチケットの場所がホールの2階で段差があるため、もっと見やすい1階の席に案内されたのだ。


その後、2時間コンサートを聞いてアンコールになったとき、他のお客さんが興奮状態でアンコール後に一斉に退出すると、あなたは障害者だからお客さんの波に飲み込まれて、怪我をしてしまうかもしれない。


怪我をするとコンサート会場のスタッフである私たちの責任になるから、コンサートはまだ途中だけど、そろそろ帰って下さい。

と言われたのである。


ここで脳性まひの作者はブチ切れた。怒り狂ってその場に居座りコンサートを見届けたのだ。

はい。いつもの車椅子の人たちの怒りをテーマにした文章でした。


著者は自分の権利を主張するべく適度に怒る必要があると説いています。

これが障害者が偉そうでわがままと言われる原因です。


こういう場面を一般の健常者が何度も見てしまい、差別を受けているのを認識せず、怒り狂った障害者を見てわがままで偉そうな奴、と感じるわけです。

ただ、これって他の障害者だとどうなるでしょうか?


私?私だったら、目と耳の障害者だからコンサート会場に行っても、一番前の席でも全部見えないし聴こえないから、そもそも行く意味がないです。

よって行かないです。おしまい。


コンサート会場に歩行器に乗った障害者以外いないのはそのためです。

視覚障害者も聴覚障害者もコンサート会場にはいません。


また、それ以前の問題として、一般的な障害者は所得が少ないため、松任谷由実のコンサートチケットを購入するお金がありません。

障害者の怒りをテーマにした本ですが、一般的な障害者はそもそも人間扱いされてないし、お金も持ってないため、娯楽施設にはおらず、怒ることすらありません。


怒れるのはお金持ちだから。お金を持っている障害者だから。

人と同じことができる、脳性まひの車椅子の障害者だからです。


聴覚障害者にとってコンサートとか意味ないよね。で、視覚障害者にとってもあんまり意味ないよね。

音しか聴こえんし。それってCDを家で聴くのとあまり違いがないんです。


他の障害者はコンサート会場に行くことをもうあきらめた。ていうか、人生もうあきらめた。

障害が重く重度だから、健常者時代にできた一般的な楽しみなんて、もうできないんです。


金持ち作家の脳性まひの障害者は、まだ人生をあきらめてない。障害が軽度だから。

だから少しでも健常者と同じ扱いを受けないと怒り狂う訳です。人として生きたいとまだ願っているんです。


人として扱われたいかどうか。ってところに差があるんです。私はもう障害者でいいです。

大学でも一番前の席で全部見えない聴こえない状態だったため、もう今回の人生どうでもいいや。って思いましたね。


人生を他の障害者はもうほぼすべてあきらめたんだよ。まあここら辺が他の障害持ちと、車椅子の障害者の違いかなって思いますね。

偉そうにしてるのは彼らなのに、なんで私まで偉そうな奴って言われないといけないのかが意味不明です。

何もしてないのに。仕方なく謝るけど。


人と会話できないとかもう当たり前すぎて、怒りとかないんです。怒る前に今回の人生あきらめた。

で、いつも怒り狂っているのは、車椅子や歩行器に乗った肢体不自由の障害者なんです。


それを一般の人が見ちゃうから、障害者はわがままで偉そうな奴だ。と思うわけです。こっちは、思いっきりとばっちりです。

一般の重度障害者はそういう娯楽施設にはいないから。


自分の権利も主張しません。ていうか、金がなくてお金を使う場所にはいません。

重度障害者は、家やグループホームに篭っているのです。社会進出しないんです。だからあまり街で見かけることはありません。


だって街にいても楽しくないもの。

個人が経営してる居酒屋で楽しく談笑とかできないもの。全部聴こえないし、見えないんだっつーの。


飲み会とか悪夢でしかないわ。

ヘラヘラ2時間笑って、全部見えない、全部聴こえない。2時間ずっと耐える。耐え抜く場所でしかないわ。


私が宅配便受け取るときなんてこんな↓だもの。

宅配便の受け取りでこれなのだから、娯楽施設なんてハイカラなところには行かないし、いないのです。


軽度障害者の人たちほど、自分の権利を主張している構図がここにあるわけです。

まあ、どうでもいいです。

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