ツイッター読んでて気づくことの一つは、文章が論理的ではないという事実です。
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特にほとんどのツイッターユーザーが演繹法の使い方を間違えています。
演繹法とは推論技法のひとつです。
使い方はたとえば、
■ケース1
このように論理を組んでいくのが演繹法です。
大のなかに中がある。そして、中のなかに小がある。よって、大のなかに小はある。演繹法は、こういう論理の組み方をします。
ツイッターではユーザーが演繹法の組み方が分からないため、よく間違えたツイートをすることがあります。
論理的な文章を書けないため、その文章が間違いだらけなのです。たとえば、
■ケース2
- 昨年5月に仮想通貨は暴落した。
- すべての通貨が全面安になった。
- 今年も5月に仮想通貨は暴落するだろう。
とか、あとは
■ケース3
- 先月も12日にビットコインキャッシュは爆上げした。
- 今月ももうすぐ12日だ。
- よって、今月も12日にビットコインキャッシュは爆上げするだろう。
というツイートもよく見かけます。
前年度の5月に暴落すると、なんで今年の5月も暴落すると予想できるのか?昨年と同じ論理性(法則性)がどこから導出されたのか?
また、先月12日に起きた好材料がなぜ、今月12日にも起きて、毎月12日にビットコインキャッシュが爆上げできると言えるのか?
これらは演繹法の使い方が間違っているからです。中は大のなかにある。そして小は中のなかにある。だから小は大のなかにある。
という論理性がこれらの類例からはたったの一つも見つけることができません。博打です。先月上がったから、今月も上がるよ!と言ってるだけです。
他にも(というかきちんと演繹法使ってる人がいないんだけどw)、ツイッターにあった類例をもう一つ挙げてみます。
■ケース4
- ここ10年間磐石の地位を築いていたニコニコ動画が機能不全の問題によって劣化を続けている。
- しかし、1ヶ月前の経営者交代によって機能が改善された。
- この事実から、経営不振の企業の問題は経営者であり、現場の人間に問題がないことが明らかになった。
読者様はこの文章のおかしさが分かりますか?
この論理も間違った演繹法の使い方をしています。どこが間違いなのか?
「ニコニコ動画の機能不全と改悪の問題の原因が経営陣の惰性にあった。」これは事実であるとしましょう。
だけど、それと同じ状況がすべての経営不振の企業に当てはまるのだろうか?と考えます。演繹法で言う大は小を含むという部分です。他に小はないのか?を考えるのです。
すると、経営不振の企業において従業員が最たる問題を抱えており、経営者より従業員のモラルハザード(やる気の喪失)が問題の本質となったケースは、除外されていることに気づきます。
さらに、東芝の経営不振も経営者の能力というより、買収時に粉飾決算を見抜けなかった東芝社員に問題があり(ひいては財務スペシャリストを育ててこなかった東芝の人材育成の制度体制が問題の本質であり)別に経営者が問題なわけではありませんでした。
(実際、歴代経営者が東芝株主から訴訟され、いま裁判やっていることからも、経営者が変わったことで問題が改善されていない事実が明白です。)
シャープの経営不振も経営者が問題ではなく、ただ単に集中と選択によって自分たちよりも強いサムスン電子にテレビに装着する液晶パネルの製造コストで敗れてしまったことが業績不振の原因です。
つまり、企業の業績不振の一因には、外部環境の変化や社内の制度体制も原因になることがあり、全部その当時の経営者だけの問題なのか?
と言われると、そうとも言えません。
いま東芝の損害賠償訴訟で歴代経営者が糾弾されているように、一人の経営者が問題の本質になることは、むしろ稀なケースです。
このようにツイッターでは演繹法の使い方が間違えているため、間違ったツイートばかりです。
私が2人しかフォローしない理由は、駄文があまりに多くて読むに耐えない。知性を劣化させるツイートばかりのため、読みたくないからです。
ツイッターは非論理的であり、知力向上の場ではありません。ただのエンターテイメント(娯楽の広場)です。
あそこは駄文にまみれています。知力を高めたいならば、参考書か専門書を読みましょう。
紙の本のほうがずっと有用で知的です。