かつて、ドイツの哲学者ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルはこう言った。
岩波文庫「歴史哲学講義(ヘーゲル著)」のなかでこう言ったのだ。
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"国家とは素晴らしいものです。
私たちは国家があるからこそ、安心して平和に生きていけるんです。
国家が私たちを常に守ってくれていることを、私たちは理解しなければなりません。"
………
ヘーゲルは歴史哲学講義のなかで中国を褒めていた。
中国を褒めた理由は簡単だ。
中国4000年の歴史とあるように、彼の国は4000年もの昔に国家を樹立したためである。
国家がある地域と国家のない地域の違いは何か。
古代中国における国家とは、1人の王が居て、国が平定された状態を言う。
そして国家のない地域というのは、日本で言うところの1500年代の戦国時代がそれに該当する。
いつも日本人同士で殺し合いをしている状態。
戦争状態。内戦。
ヘーゲルが中国を褒めたのはそのためだ。
4000年もの昔に国を平定した。争いのない国を作った。
それをヘーゲルは、これってすごいことなんですよ。
と褒めたのである。
さて、先祖返り理論だ。
私は左派。左派はクズ。リベラルはカス。
トランプさんのが余程まとも。
だって彼は右派だから。
左派の様な自由主義の人ではないから。
グローバリストの左派のことを「グローバル・シチズン」と呼ぶ。
グローバル・シチズンは世界を越えていく。国家を越えていく。
日本よりも香港のほうが税率が低く、たくさん稼がせてくれるなら、しがらみなどなく、憂慮も葛藤もせず、簡単に合理的に日本を捨て、国を捨てて香港へと移住する。
日本よりデンマークやスウェーデンのが快適で住みやすいのなら、お父さんお母さんを祖国である日本に残してでも、簡単に国を捨て移住していく。
右派にこんなクズはいない。
右派は自分の国が困っていたら放ってはおけない。
自分の街が貧困で喘いでいたら、それを放っておくことはできない人たち。
国民国家に誇りを持った人たち。
私は日本人だ。
日本人の私が日本を放って自分だけ祖国を捨て快適な暮らしを送ることは、私にはできない。
これが右派。
自分の利益よりも国家を大切に思う気持ちのほうが強い人たち。
左派は日本が滅ぼうが滅ぶまいがどうだっていい。
自己利益さえ得られればどんな国にだって即座に移住する。
自分さえよければいい。
自分以外の日本人とか滅んでもらったっていい。
自由主義、自由に生きる。私が生きたいように、生きたい場所で生きる。
言語・ジェンダー・肌の色・民族すべてこだわらない。
自分の隣の家の人が移民でもまったく気にしない。
黒人でも白人でもまったく気にならない。
自分の愛する街にイスラム教のモスクとか寺院とか建てられまくっても、まったく気にならない。
金さえもってる奴なら同胞と見なす。
右派はそういうことができない。不器用な人たちだから。
トランプさんとか超が付く右派だからそういうことができない。
彼は超金持ちだけど、アメリカが衰退しようものなら愛する祖国を逃げ出したりすることはできない。
自分を産んでくれた祖国のために働ける人たち。
これが右派。
自分の街が人口減少し過疎化したら、それを放って世界に逃げるなど右派の人たちにはできない。
そんなもの彼らの辞書にはない。
だって私は左派だから。
たぶん心理学的なもの。心理学的には、低所得者が偉い人に憑依しているだけ。ただの憧憬。
偉い人の気分になっているだけ。
自分が貧乏人だというほんとうの姿を、事実を、見たくないだけ。ただの逃避。逃げ。
惨めな自分の人生を見たくないから、ネットで匿名で偉い人のフリをして、他人を叩き、快楽に溺れる人。
能力の低い自分を、社会から異性から全く評価されない自分を、認めたくない人。それがネトウヨ。
現実に向かい合わない無職と低所得者。現実逃避人間。真剣に、リアルに、異性に、他人に向き合わない人。こども。
貧乏人が、メタ(上位)から構え、偉そうに政治を語り、我が国の政治は粛清されなければならない。
とか大王様みたいなことを言っている低所得者。
それがネトウヨ。安倍元総理のモノマネとかしてる人たち。
自分を権力者になぞらえ、安倍総理のようにふるまい、ネットで権力者のフリをしている貧乏人。
がネトウヨ。
ほんまもんの右派には極めて失礼な人たち。
行動はせず、ネットで偉そうに書き込むだけの人たち。ただの承認要求。
(貧乏人である私という名の人間を知ってくださいという、心理学的要求)
話を左派に戻す。
グローバルシチズンシップたる彼らの所有する企業。
CEO(最高経営責任者)の半分はインド人だね。
リンク先で内田樹さんが仰ったように、彼らはただ単に、金になるかどうかで動いている。
黒人のCMをぶち上げれば金になる。シューズが売れる。
よってそのただ一人の黒人を経済的に救済し擁護する。
(他の黒人はずっと貧乏なままであるが、そんなのどうでもいい)
人種差別撲滅キャンペーンを主導し、ナイキのスニーカーが売れれば、他の黒人が貧乏人だろうがどうだろうが、そんなのグローバル企業は一切興味はない。
金になるかならないか。差別を受ける黒人を救いたいなどという考えはない。
ただ金になるから、黒人を助けただけである。
当然。資本主義だから。合理的で機械的。
最後にヘーゲルはこう言った。
古代の中国は確かに素晴らしかった。
彼らは国民に戦争のない国を作った。
だけど、古代の中国は民主主義ではなかった。民主主義への道はゆっくりと。
古代の中国国家は、重税により、一人の王を豊かにするためだけに国民が犠牲になった。
王一人が豊かな暮らしをするためだけに国が存在し、他が犠牲になる。
これが古代中国。アフリカよりはずっとマシだけど、国民はいまよりずっと貧しかった。
と、歴史哲学講義に著した。そこから民主主義の歩みまで講義は続く。
先祖返り理論。
グローバル企業のCEO、ビル・ゲイツやバークシャー・ハサウェイのCEO、ウォーレン・バフェット(世界一の投資家)は王になる。
古代中国の王になる。
こんなの数年前から薄々わかっていたこと。
グローバル資本主義は人類にとって退化の歴史。
私たちは優秀な個体である、一握りを肥やすためだけに、あと全員貧乏人になる。
古代中国の農奴になる。
生まれたときの遺伝ですべてが決まる世界。ハーバード大学のサンデル教授が仰った通り。
グローバル資本主義は生まれたときの遺伝的優劣で全てが決まる、クソゲー。
言語、習俗、ジェンダー、民族、国籍をすべて取り払い、無視する。クソ左派の思想のままに規制のない世界に出て金持ちになっていく。
つまり遺伝的に優秀な人たちは、規制の最も少ない先進国、アメリカを目指す。
アメリカで王になるためだ。
先祖返り理論。退化のイデオロギーは、社会の潮流としてもうすでに決定付けられた。
かつては王の子供に生まれるかどうかで人生が決まった。
厳密には王の血族に生まれたかどうかで、だ。
いまは遺伝的に優れた個体として生まれたかどうかで、その人の人生は決定付けられる。
どっちも運ゲー。
グローバル資本主義社会は封建時代まで遡行し人類はまた1対100の、王に不利になる規制のない、王以外全員貧乏人社会へと退化を遂げたのである。
トランプさんのモンロー主義(自国第一主義)のがかなりまとも。
なぜなら彼は右派であり、貧乏なアメリカの白人を食わしてやるための政治をしているから。
だけど、それだとグローバル企業を擁する国にはいずれ敗北することになる。
(すでにグローバルIT企業から多額の政治献金を受け取った、民主党のバイデン大統領に負け、大統領を辞したが)
だって、ハーバード大学の入学条件はアメリカ人のみ。Google米国法人の応募条件はアメリカで生まれた白人のみ。
とかにしたら、世界中の優秀な子はアメリカ以外の大学・企業行っちゃうでしょ。
Appleの創始者スティーブ・ジョブズはシリア系アメリカ人。
現在世界最高の経営者と呼ばれるイーロン・マスクは南アフリカ系アメリカ人。
アメリカで王になった人たち。
遺伝的に優秀な人たちがアメリカへ行ってウルトラ金持ちになる。
だからモンロー主義や右派は左派のクズには敵わない。
左派のグローバル・シチズンは国境を越えていくのだから。
ちな、私は経済学的イデオロギーの観点から、弁座的に左派である。
お得だから。
でも、当たり前のことを書くけど、グローバル企業を信頼してはいない。
P.S.
子供の努力できる量が生まれながらに出目によってすでに決定付けられている理論、インセンティブディバイド(意欲格差社会)についてはこちらです。興味があれば。
寄付を今日もいたたいだため、がんばって書いた。
がんばった。
(おしまい)