障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

ブランド戦略は死ぬほど大切。

最近、コンビニよりも近所のスーパーへよく行きます。

コンビニはブランド化された定番商品ばかり置きますが、スーパーはブランドのない商品も陳列させ、それらはブランド力がないため、安く販売されています。


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で、最近そのスーパーでサッポロ一番の「カップスターしょうゆ味」というカップラーメンが98円で売っているため、よく買って食べています。


隣の棚には人気商品である日清の「カップヌードルしょうゆ味」が置いてあります。


両方食べたけど味はほぼ同じです。スープだけならカップスターのほうが美味しいとすら感じるほどです。


なのに、なぜカップヌードルばかりがよく売れていて、カップスターは美味しいのに売れないのか。


味が同じなのになぜ、日清のカップヌードルは価格が下落せず148円なのに、カップスターは98円まで価格が下落するのか?


その理由は、カップヌードルが定番商品であり、カップスターが定番商品ではないためです。


定番商品とは何か?それは「ほとんどの大衆がどんな味なのか、どんな食べ物なのかを既に知っている(ブランディングされている)商品」のことです。


セブンイレブン山崎製パンの88円のカレーパンを置かず、自社ブランドのプレミアムセブンイレブンカレーパンを121円で(同じ味なのに)販売しています。


自社製品のプレミアムブランドのほうが売価を高くしているため、利益率が高くなり儲かるためです。


だけど、日清のカップヌードルはいくらセブンイレブンといえども陳列せざるを得ません。


カップスターセブンイレブンに置いてないけど、カップヌードルは絶対に日本全国どこのコンビニに行こうとも、確実に置いてあるのです。


なぜなら、日清のカップヌードルは定番商品であり、日本国民のすべてがそのブランド(ロゴ)と味を知っているため、カップラーメンが食べたいのではなく、日清のカップヌードルが食べたいというお客様がコンビニにやってくるためです。


もしもセブンイレブンに日清のカップヌードルが食べたいというお客様がやってきて、そのセブンイレブンに売っていなければ隣のローソンへ行き、カップヌードルを購入し、ついでにジュースやお菓子も買ってくれることになるでしょう。


そのため、ローソンは日清のカップヌードルを置くことで店舗の売上が増加し、セブンイレブンカップヌードルを置かなかったことで売上が減少してしまうことになるのです。


ブランド戦略が大切なのは消費者がそのロゴと味をセットで覚えているため、その商品を指名買いしてくれるからです。


カップラーメンが食べたいのではなく、「日清のカップヌードルが食べたい。」と、無意識のうちに消費者が思ってくれるためです。


コンビニへ行ってなんとなく定番商品を購入する顧客が多いのは、そのブランドロゴと味をすでに知っているためです。


知られていないということ、味とブランドロゴが紐付けられていないということは、非常に大きな損失を生んでいるのです。


企業がテレビCMをガンガン流すのは、このためです。とりあえず知ってもらうこと、そして一度買ってもらって使ってみて貰わなければ、その商品がどれくらい良いものなのかが、一般大衆には認識されないためです。


だから、私のような少数派がカップスターを何となく安いから買ってみたらカップヌードルとほとんど味が同じだったということを知ったとしても、それを知っている人間は、日本に数万人程度しかいないため、1億3,000万人が知っている日清のカップヌードルには敵わないのです。


ブランド戦略が超絶大切なのは、このためです。小売店はブランド力の高い商品を置きたいのではなく、どれほど利益率が低くなったとしても、置かざるを得ないのです。


定番商品が無ければ、たとえばコーラが売ってなければ、コーラの売っている他のお店に行ってしまうからです。


そのため、ブランド力のある日清のカップヌードルは2017年現在国内にあるセブンイレブン19,166店舗、ファミリーマート18,185店舗、ローソン12,839店舗のすべての店舗に、定価販売で絶対に陳列されているのです。


日清が儲かっているのは、このためです。ブランド力がある商品は置きたくて置いているのではなく、置かないと店舗の売上高が減ってしまうから、置かざるを得ないのです。

これがブランド力のパワーなのです。


味が良いとか悪いとか全く関係ありません。カップヌードルが美味しい事を皆が知っているか、知っていないかの違いであり、営業・マーケティング力の差が、価格の差を生んでいるのです。