障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

なぜ、ヘルシア緑茶とヤクルトは価格が落ちないのか?

ヘルシア緑茶とヤクルトは10年以上前から価格が落ちていません。

スーパーでも割り引いたり値下げしたりしない商品であり、こういう商品を開発している会社は利潤が高く、強い会社だと言えます。


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では、なぜこの両商品は価格が下落しないのか。それは「競争相手がいない」ためです。


たとえば、ヘルシア緑茶350mlに含まれるカテキンの量は540mgです。競合のお茶と100ml当たりのカテキン量で比較してみるとこうなります。


■緑茶のカテキン量比較

花王ヘルシア緑茶だけカテキンの量が競合の約2倍あることが分かります。


なぜ、伊藤園サントリーカテキン量を花王並にしないのか?


これはしないのではなく、できないのです。緑茶の研究開発における高濃度カテキンの精製において、花王が競合他社を振り抜いて1強状態なのです。


技術水準が極めて高いため追い着くことができない。そのため、お〜いお茶はスーパーへ行くと98円でセールしているのに、花王ヘルシア緑茶はほぼ定価販売の180円で販売されているのです。


ヤクルトも同じであの80mlの小さな容器のなかにシロタ株(L.カゼイ YIT 9029)という乳酸菌 が200億個入っています。


これ、同じ技術水準に達した企業がこの世に存在しません。そのため、ヤクルトの価格は絶対に下落しないのです。競争していないため、ヤクルトが売りたい価格で販売しているのです。


WindowsインテルのCPUもほぼ業界独占企業のため、価格下落がまるで起こらず、自分の売りたい価格で自社製品を販売することができます。


こういう企業のことをミクロ経済学では「独占企業」と言います。ヤクルトも花王も技術独占企業であると言えます。


技術水準で他社が花王とヤクルトに追い着くことがない限り、そしてその技術に(カテキンと乳酸菌の濃度)に消費者ニーズがある限り、価格の下落は絶対に起こりません。


明治のR-1ヨーグルトもこれと同じで、同じ乳酸菌を作れる会社がこの世に存在しない間は、価格の下落は今後も起こりません。


企業はこのような消費者ニーズが高く、そして価格下落の起きない(利潤の高い)価値ある製品を、1,000億とか2,000億とかいう莫大な研究開発費を投じて、開発しているのです。


今後競争が起きない限りWindowsの価格がここ20年間変わらないように、ヤクルトもヘルシア緑茶も値段が落ちることはないのです。