障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

日本GDPでドイツに敗北!日本敗者!

てな、クソみたいな記事が2週間前にネットに転がっていた。


☆☆☆


いつもの通り、左派系のメディアが日本を批判しているのかと思ったら、読売新聞ですら記事が出されており、かなりドン引きした。

そして人口が日本の3分の2以下のドイツにGDP国民所得)で敗北したことについて恥ずかしくないのか?


という言説がSNSで報道され、フォロワー稼ぎに便乗したネットインフルエンサーであるひろゆきさんや吉村知事がその記事を引用し、「日本はこのままじゃ駄目だ」「とても恥ずかしい、自民党のせいだ」

などと話されていた。


報道されたIMFの予測値を英語で読んだが、それをソースとして書かれた日本の記事はすべてがマクロ経済学的に間違ったものだった。

日本人はそして日本のインフルエンサーはどこに間違いがあるのか、まだドイツに抜かれていない事実すら理解していなかった。


あと5年もすれば抜かれるし、その後インドにも負けるし(これは確定済み)、購買力平価においては既に台湾と韓国にも負けたし(日本人は、購買力平価の意味を理解していないから大丈夫)、イギリスにもGDPで負ける日がいずれやってくる。

だがそれはいまではない。このまま行ったらの話。


しかし誰も数値データが理解できずGDPでドイツに敗北!

というラリった記事が日本で席巻され、みなドイツに負けていると勝手に勘違いし、負けてもないのに認識しており、かなりウケた。


ちなみに日本人は宗教経済学の素養がないから、なぜ欧州で経済大国なのがドイツとイギリスであり(一人あたりだとスイスもそうだが)、そしてなぜ、イタリアとフランスは経済大国でないのか同じ程度の人口なのになぜ一人あたりGDPですらも、こうも差が出るのかすら理解していない。

なぜなら教養がないから。マックス・ヴェーバーの古典論文を読んでいないから。


ちなみに日本人は経済学の生みの親アダム・スミス国富論すら読まないでいまを(現代社会を、現代社会はアダム・スミスが言った通りに動いているのだが)生きている。

かなりアレな民族である。


日本人はマネーストックとマネタリーベースの違いを理解していない。

フィリップス曲線の大切さと、日銀の金融政策を理解していない。


ていうか、日本の大人は日銀が何をしているのかすら理解していない。かなり恥ずかしいぞこれ。

日本人はインフレに3パターンがあることも理解していない。


だからアベノミクスを策定した東大名誉教授の浜田宏一のマクロ経済政策の瑕疵を理解していない。

よってなんでいま円安物価高なのか、17ヶ月連続で実質賃金が下落しているのかすら日本人は理解していない。


ついでに彼はリフレ派だが、日本人はリフレの言葉の意味も理解していない。

ついてに日本人はスタグフレーションについても理解していない。

インフレとの違いも分からない。


さらに日本人はなぜGDPが増えないのかについても理解していないし、リーマンショック時にサブプライムローンが焦げ付き大量の不良債権の山を生んだアメリカより、当時の麻生政権の日本のほうがGDP震源地のアメリカより大きく減った(それによって政権交代が起きた)高度な、そしてとってもおもしろい各国中央銀行の秀逸な金融政策についても(日本だけ一人負けした)理解していない。

ついでに日本人はGDPの意義や是非についても理解していないし、生産性の意義についても理解していない。


あと日本人は金利と失業者のトレードオフの関係、つまりマクロ経済学の初歩についても、おまけに信用創造理論についても理解していない。

なのにGDPが減った、ドイツに負けたとか思いっきり間違ったことを言い、自国を貶(おとし)める。


まあ色々無理。

あと30年後くらいに「日本敗北の理由」みたいな書籍が出るでしょ。


日本のターンは30年後ですわ。

それまでは安倍ガー!岸田ガー!とか政治学イデオロギーが続く。


だって、誰一人マクロ経済学を理解していないのだから。

不勉強。皆、教養不足。


本屋にあるマクロ経済学ミクロ経済学クルーグマンあたりの国際経済学を棚に置いてある本すべて読むくらいの基本的なことすらしていない。

書籍代に10万円程度すら使っていない。

だから比較優位の法則すら知らないで国際経済学を語り始めたりする。


食料自給率が低い。このままでは食べ物が食べられない。とか訳わからんこと言い始める。

原油に限って言えば、日本はエネルギー自給率0%なんですけどw。

かなり痛い人に見えるが、どうでもいい。

(おしまい)