障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

既に国際競争力は高いので、法人税を減税する必要はない。

日本の国際競争力が低いから法人税を減税すべきだって言う人がいますが、なんで毎年過去最高益を更新している企業に今以上に減税させる必要があるのでしょうか。

理解に苦しみます。


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いま、日本で起きていることは、こんな感じです。


■こんな感じ

  • 国・・・社会保障関連費用が高すぎて毎年借金が増加中
  • 国民・・・毎年賃金が減少していることと、非正規社員が増えすぎて子供が生めないため、人口減少と低所得化の両方が起きている
  • 経済成長(GDP)・・・人口が減少し、パイが増えないため、経済が20年間成長していない
  • 企業・・・非正規社員を大量に雇用し、毎年過去最高益を更新。ついでに正社員の人員も毎年減少させている

企業だけが一人勝ち状態なのです。


この日本企業のどこが国際競争力が低いのでしょうか。利益が出ているのに、その利益が一握りの経営者と海外投資家にしか流れていないことのほうが問題なのではないでしょうか。


仮に法人税率を0%にして国際競争力を高めたとして、国がより豊かになると、ほんとうに思っていらっしゃるのでしょうか?


法人税率が0%になったらますます非正規社員を増やして、ますます正社員を減らして利益を増やし、ますます経営陣と海外投資家だけの所得が増えることが、なんで分からないんですか?


法人税率0%でトヨタの利益が1兆円増えたら、トヨタ自動車はその増えた1兆円を国民1億3,000万人にばら撒くと思っているのですか?または、1兆円増えたから非正規社員に全部配ると、ほんとうにそう思っていらっしゃるのでしょうか?


するわけないじゃん。そんなこと。全部トヨタ当座預金内に貯金されるに決まってるじゃん。法人税率を0%にすると、企業の利益剰余金(蓄え。預金残高。)が増えるだけです。国民は貧乏なままです。意味ありません。


いま過去最高益を更新中なのに毎年どんどん労働者の賃金が減少してデフレから脱却できないのは、すべての企業が「自分さえよければいい」と考えているからです。


昭和の頃の企業は利益より社員を大切にしたため、100%正社員の安定雇用が当然でした。


だから安心して子供が生めたのです。いま精神安定剤を飲みながら働いている非正規社員法人税率を0%にしたら収入が増えるでしょうか。


増えるわけないじゃん。企業の当期純利益(税金引かれた後の利益)と利益剰余金(企業の預貯金の総額)が増え続けるだけで、人口もパイも国民所得も減り続けます。


国廃れてグローバル企業の一握りの経営幹部と経営者と海外投資家だけが儲かる、極めて大きな格差社会が生まれるだけです。


社会をより良くしたいのであれば、消費税を廃止して貯金税を導入すべきです。お金を使わないと損だと国民に理解してもらう必要があります。また、正社員の解雇規制も廃止すべきです。


法人税は減税しても国が豊かになることはありえません。よって減税すべきではありません。


企業だけが一人勝ちしているいまの状況で、日本社会が豊かになっていないのに、さらに一人勝ちしても、その利益は一握りの経営者の役員報酬と株主への配当金に流れるだけで、貧乏人は貧乏人のままです。


非正規社員非正規社員のままです。


思いっきり無意味です。そのため、法人税増税する必要もないし、減税する必要もありません。


企業が過去最高益を更新しているいまの状況で国が豊かになっていないのだから、企業がいくら利益をたたき出しても無意味です。全部無意味です。


トヨタ自動車の利益が3兆円増えても、非正規社員の数は増加しても正社員の数は増えません。当たり前です。


カローラが100万台売れようとも1,000万台売れようともカローラのデザイナーの正社員は1人で十分だからです。


製造工程の非正規社員が増えるだけです。そして非正規の社員数が増えるだけで、所得は増えませんし、雇用も不安定なままのため、子供が生まれず、パイが増えず、GDPは増えません。


なぜなら、大多数を占める非正規社員の給料を増やすと、トヨタの利益が減るためです。コスト削減と景気の調整弁程度にしか人間を見ていません。「ペースアップは絶対にしない」とは、彼らの口癖です。


よって法人税の減税は無意味です。する必要がありません。


(おしまい)