障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

「誰かがやるでしょ」と皆が考えると、不幸な社会が到来する。

最近の上場企業を見てて思うことは、利益が毎年過去最高益を更新しているのに正社員が減り続けていることです。

ウチではないどこかの企業が正社員を雇用するでしょ?


☆☆☆


とすべての上場企業が考えているため、誰も正社員を雇用せず、非正規社員の雇用ばかりが伸びている始末です。


誰も自分の会社のことは考えていても社会のことは考えません。困っている人、道端で倒れている人がいても


  それはそいつの自己責任


という劣悪な知性で物事を考えるため、すべての経営者が自分さえよければ良い、自分の家族と自分の会社さえよければいいという感情(損得勘定)にとらわれているため、社会が不幸になっていることがよく分かります。


そもそもの問題は国です。


正社員の解雇規制があるため、会社でスマホゲームしたり喫茶店で爆睡している社員がいても、解雇できないことが一番の問題です。


よって、企業は非正規社員に正社員の仕事をさせ、正社員の雇用を減らし続け、非正規社員の雇用を増やし続けたため労働者に占める非正規社員の割合が4割を超えてしまったのです。


ウチの会社は正社員をほとんど採らないけど、どこかの会社が採るでしょ。


ってどこの会社が採るんですかね?


誰も採らないですよね?


ウチの会社は利益がほしい。


だから、うちの会社はコストのかかる正社員は採れない。だけど、どこかの会社は正社員を採るだろう。がんばってほしい(笑)


とかヴァカなんじゃないですか?


そんなんだからサムスンに敵わないんじゃないですか?


三菱自動車が買収されて消滅したとき、その原因となったのは株価の暴落でした。株価が暴落した原因は、燃料データの偽造をしていたためでした。


燃料データの偽造をしたのは子会社の社員でした。三菱自動車で使えない部長を子会社の本部長に昇格させて、子会社の給与水準を親会社の給与水準より大幅に引き下げることで、


親会社の部長職より子会社の本部長職のほうが給与水準を引き下げることができます。


文字通りの降格人事であり、これが悪名高い「民の天下り」です。親会社でバリバリ働いていた部長は子会社の本部長になると、やる気を無くします。


給与が減らされ、細分化された業務のうち親会社の社員がやりたがらないつまらない単純作業ばかりを子会社に押し付けるためです。


だから燃料データの集計業務のようなつまんない業務ばかり安月給でさせているから、子会社の社員は従業員満足度が低く、いつ暴走するか、いつこんな仕事やってられるか!


と爆発するかも分からない緊迫した状態で、すこぶる雰囲気の悪い状況で仕事することになるのです。偽造の起きやすい環境を自ら整備しておいて、それを親会社の幹部は知る由もないという、愚鈍な精神性を発露しているのです。


秋葉原通り魔殺人事件を起こした加藤容疑者はトヨタ自動車の子会社の子会社の子会社の孫会社の関連会社の関東自動車工業トヨタ自動車の車両を作っていました。


超絶安月給で昇格も昇給もない絶望的で単純作業だけをする、非人間的でいつクビになるかも分からない職場です。


三菱自動車の社長が燃料データの偽造事件のときメディアのコメントに何て答えたか分かりますか?



「(子会社のやっているドブ水みたいなクソ仕事なんて)知らなかった」


ですよ?


日本人は「ねまわし」とか「事なかれ主義」によって汚い仕事つまらない仕事は、全部子会社に押し付けるんです。なぜなら、経営者がアホだからです。知性が低すぎるんです。


で、子会社の給与水準を親会社より低く抑え、親会社の無能社員を子会社の役員や本部長に昇格させ(事実上の降格人事)そのため、能力の低い人間が子会社の管理職に就くことから子会社の雰囲気は最悪になるのです。


自分よりも能力の低い人間が上司になることから、子会社社員は絶望し、この国では努力が報われないことを知るのです。これが日本企業のピラミッド構造というものです。


上に行けば行くほど愚か者しかいないのです。思考停止の優等生しかいないのです。愚かさを通り越した愚劣な国家です。


大企業は駄目だといいますが、大企業で働いているなら幸せ者です。2番目にいい企業形態が大企業です(一番良いのはベンチャー企業です。)。


これらよりもっと下の下になるのが、たとえば日立ではなく「日立なんちゃらマテリアル」とか「日立なんちゃらテクノロジー」です。


それよりさらに悪いのが日立という名すら付いていない孫会社です。ここまで来ると給与水準が最悪になります。


問題は民の天下り(降格人事)はあっても昇格人事がほとんどないことです。子会社で雇用された優秀な人材は親会社へ行くことはまずありません。


なぜなら親会社の社員は子会社の社員のことを人として見ていないためです。あの業績の悪い会社のドブ水でしょ?程度です。


だから能力の高い子会社の社員は「こんなところに居たら駄目になる」と危機意識を持って直ぐに転職してしまうため、生産性の低い職場は生産性が低いままであり続けるのです。


話脱線したけど、これが日本企業の病です。「思考停止」「事なかれ主義」「汚いものは見ない」「臭いものには蓋をする」ため、福島第一原発東京電力の最下請け企業が暴力団員を使って15歳の少年を日給3,000円で働かせていましたが、親会社の親会社のこれを何度も繰り返した一番上の会社である東京電力は知る由もなかったのです。


知らなかったでは済まされないのに、見たくないものは見ない。汚いものは見ない。臭いものには蓋をするから、その損失を彼らはせっせと背負って、過度に高いリスクを背負っていることに誰も気付いていません。


なぜなら、思考していないためです。


こうして誰かがやるでしょという言葉を皆が口にすると、不幸な社会が到来するのです。