障害者新聞

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天才シナリオライター田中ロミオの名言について

ネットでロミオの名言についてのニーズがとても高いため、私も知っている言葉を書いておきます。


☆☆☆


まず田中ロミオとは誰か?

田中ロミオとは作家でありゲームクリエイターです。


テレビゲームを作るクリエイターには様々な職業があり、彼はアドベンチャーゲームのシナリオを担当している人間です。

ゲームのなかのストーリーを執筆しているクリエイターなのです。


アドベンチャーゲームは文章を読んでいき、たまにある選択肢を選ぶことでストーリーが分岐するシンプルなジャンルです。

読み物ゲー。ノベル(小説)ゲームと言われる所以です。


よって、このジャンルの場合、シナリオライターというストーリーを日本語文章で執筆する職業が存在します。

2000年代のPCゲーム業界黄金期において、頂点に君臨していた天才シナリオライター、それが田中ロミオです。


ロミオは数多くの名作、そして名言を残しました。

ロミオの文章力は世界的な作家でたとえると、文豪ドストエフスキー氏のそれに近く、そして対局に位置する作家でした。


あまり知られてませんが、ロミオの名言には2パターンあります。

なぜなら彼はストーリーを重視したシリアスな物語も得意なのですが、お笑い特化型のギャグの物語も得意だからです。


お笑い側の名言は「家族計画」や「おたくまっしぐら」に数多く採録されています。

特に、おたくまっしぐらの序盤にある秋葉原を形容するロミオの名言は鬼ですし、とても笑えます。


笑い死にますw

家族計画の激写ボーイ関連のギャグと中華料理店の店長さんのギャグも名言と言ってよいほどの言葉のキレとなっています。


だけどロミオが天才と呼ばれる所以はこれではありません。

お笑い特化型ではなくシリアスなストーリー物のゲームソフトを彼が作ってしまったためです。


彼が天才シナリオライターと呼ばれるのは、日本一のゲームソフトCross†Channelを作ったからです。

彼が単独でCross†Channelのシナリオを執筆したためです。

Cross†Channelにおいてのロミオは天才です。数多くの名言を残しています。日本でもっとも優れた日本語を使ってね。


あれほど美しい物語はここ30年間存在していないし、ゲームだけでなく映画でも小説でも、彼のストーリーを凌駕した作品は出てきていません。

1作品もです。サブカルチャーの頂点とはCross†Channelのことを言うのです


Cross†Channelには数多くの名言が存在します。

それらのほぼすべてはゲームソフトで一番魅力的な主人公、Cross†Channelの主人公である黒須太一によって発せられるのです。


日本最高のゲームソフトCross†Channelで、私が覚えている名言を少しここに採録しておきます。

ちなみにCross†Channelのゲーム内はこんな感じ。


■ゲーム内のCGシーン

Cross†Channelのゲーム内CG

真っ向から滅びへと向かっていく日本史上最高のシナリオを有したゲームソフト。それがCross†Channel

天才シナリオライター田中ロミオと天才原画家松竜がタッグを組んだ稀有なゲームソフト。


そしてゲーム内はロミオの名言だらけ。日本最高傑作は伊達ではないのです。

では、ゲーム内の名言集をどうぞ!

名言1:友情は見返りを求めない。

この言葉はCross†Channelの3馬鹿ことラバ、友貴、太一の3人によって発せられた言葉です。

普通に友情は見返りを求めないと言われても別に胸に来るような言葉ではありません。


でも、あの極限空間で、あの状態でこの言葉を発することに価値があるのです。

Cross†Channelの世界観というか、あの状況でこれを発するのかよ!ってところがあります。

ゲームをやればわかります。かなりエグい世界観ですので。

名言2:こちら群青学園放送部、生きてる人、いますか?

天才ですね。ええ。天才です。嫉妬してしまうほどの文才の塊です。

この「こちら群青学園放送部、生きてる人、いますか?」は、Cross†Channelのなかで何度も使われます。


そして終盤で使われるこの言葉は神がかり的な意味を有しています。

まさに天才と言わざるを得ない。


太一がこれをあの精神状態で発することにとてつもない価値があります。生きてる人、いますか?は、むしろこっちが言いたい言葉。

自殺者を救うための叙述へとつながる神々しい言葉です。


もう終盤は太一の独壇場だから。日本一のゲームソフト。そして日本一の主人公。

太一があの精神状態で生きてる人いますか?を発し、懺悔が次々に続く。


天才ですよ。奴は天才。いままで自殺者を救うゲームソフトなんてやったことなかったし。

しかもそれってゲーム内じゃないんだよ。


プレイヤーに向けて、生きてる人、いますか?って発せられてる。

あの状況でこれを言うのはほんとずるい。


一番最悪の状況に身をおいているのは聞き手じゃない。太一だ

太一が他人の心配してる暇なんてないはずなのに、いつ死ぬかもわからないのに、利他の精神性を保ち続けている。


しかも精神異常者ではなく平然とした精神状態でこれを発するんです。

だから田中ロミオは天才なのです。

名言3.また来週!

これはネットで噂になってて、それまでやってて気づかなかったんだけど、意識してCross†Channelやってみたら確かに名言だなって思った言葉です。

名言ですね。おぞましいほどに美しい言葉です。


簡単な言葉なのに後半ルートで毎回また来週!って言われると泣きそうになる。

ずるい。あれほんとずるいから。


言われるとなんか悲しくなってくるわけです。破滅へと進んでいくのにね。太一はそれを自覚している。

滅びから始まり蘇生し、すべてを破滅へと導く史上最高のゲームソフト。


それがCross†Channelのストーリー。絶対にネタバレしたくないゲームソフトです。

とても明るく朗らかに発せられる言葉ですが、精神が狂いそうになるほどの名言です。


おぞましい世界のなか何度も人を食い殺し、食肉化し、それで精神を崩壊させ、その行為を何度も繰り返す。

そのときの言葉がこれです。


後半ルートは救うための物語だから。破滅から始まり全員救ってぶっ壊す!

Crossとはバッテン。ペケ。交差するという意味。交差したらもう二度と出会えない。交差した瞬間だけ出会う。

あのエグさよのう。


とても悲しいストーリーのなか後半パートになると、もう最後がどうなるのか分かってしまう。

分かっているのに太一は辛い表情をできる限り見せようとはしない。


日本最高の主人公による明るく朗らかなまた来週!なのです。

また来週お会いしましょう。って意味ですね。ええ。エグいです。名作です。


ここ1000年で一番美しい日本語がなぜテレビゲームのなかで執筆されているのか、理解に苦しみます。

ロミオが天才と呼ばれる所以です。


ゲームやんないと意味不明だと思いますが、それでいいです。

ネタバレはもったいない。日本一のゲームソフトのネタバレなんてするもんじゃないから。空気読みます。

名言4.それが君の群青色ってわけだ?

この言葉は美希シナリオの終盤に太一が発する言葉です。

美希シナリオ終盤のInvisible Murder Invisible tears(見えない殺人、見えない涙)のなかで発せられる言葉です。


美希のシナリオは一番グロくて、18禁ゲームでやらないといけないシナリオの一つです。

PCゲーム版でやらないとこのゲームソフトの凄みが発揮できないため、プレステ版ではなくPCゲーム版でやるべきです。


ネタバレになるため詳しくは書けないけど、この美希シナリオに行く1つ前には、霧シナリオがあります。

霧シナリオとは佐倉霧のシナリオのことであり、日本のアドベンチャーゲーム史上もっとも優れたシナリオとなっています。


Cross†Channelの中核を担うメインのシナリオが霧シナリオです。

あれほどに美しかったシナリオを次の美希シナリオで粉々に粉砕するあたりの異常性が、ロミオらしいなあ。と思います。


美希シナリオの霧は極めて醜い存在です。

でも、その滅びから破滅へと向かい破滅したあとの世界観が美希のシナリオです。


美希のシナリオの最後がそれに当たります。

ちょっとエグいので、やってる人は精神壊さないでください。


このゲームはグロいのをメインにしてるゲームではありません。

ゲーム開始時点で主人公の精神状態は崩壊しており、そこから始まり純化していくゲームソフトです。


段々美しくなるゲームソフトです。で、エンディングが名言集みたいになってます。

あまりにも日本語の純度が高くなりすぎます。


美しいです。ここ1000年でベストの日本語が味わえます。でも、そこへ到達するまでの道のりが特に一番最後が大変です。

天才シナリオライター田中ロミオの名言がいっぱい詰まった終盤を目指して、精神崩壊を起こさず、がんばってください。


辛いだけのもの、いやそれ以上に凄まじい日本語文章をあなたは読むことになります。

一つだけ付け加えておくと終盤は黒須太一の物語です。


いや、序盤から全部黒須太一の物語になってるけど、終盤は太一のリサイタルです。

独壇場です。日本で一番魅力的な主人公を操作できることが、どれほど素晴らしいことなのか!!


あなたはきっと感動するはずです。そして寂しい気持ちに襲われる。それほどに終盤の太一は異常です。常軌を逸している。

異常な文章で私達に語りかけてきます。


一人でみんなにメッセージを発します。

そして世界中の人たちが彼の言葉を聞いて、痛んだ心の傷を癒やします。そうやって自殺者が減っていくストーリー。


このゲームを作った田中ロミオは天才です。

そう言わざるを得ない。悔しいけれど、一生努力しても唯一勝てそうにない存在。

それが物書きにとっての田中ロミオなのです。