障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

【民度高すぎ】障害者から見た千葉県民の特徴は、優しく真っすぐな人たちです。

この前、野沢和弘さんの「条例のある街」を読んだ。


☆☆☆


この本は日本で初めて制定された千葉県の障害者差別禁止条例「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が出来上がるまでの、困難な日々を描いたエッセイである。


この本読んで千葉県民ってすごいなあって思った。

障害者差別の条例を作るなら、まず私たち千葉県民はどんな差別を日常的にしているのか?をまずは調べよう!


自分たちの一番醜い部分をまずは知ってみよう。ってところから条例の策定作業が始まるんです。

これをご覧よ。


■障害者に対する具体的な差別

障害者差別に当たると思われる事例

(一部抜粋)

  • 保育所の面接時、「腐った魚のような目をしている。障害児の母は働かないで自分の子供の面倒を見なさい」と言われた。
  • ボランティアセンターに行って「ボランティアをやりたい。」と言ったら、「あなたがやるんですか?」と言われた。
  • 保育園の園長から、軽い障害のあるわが子について、「母子家庭だから、子育てが悪いから障害になる。うちでは面倒を見きれない。」と言われた。
  • 3人目を妊娠しているとき、保育所の申し込みに行ったら、福祉事務所の窓口で「障害児がいるのになぜもう一人産むのか。次の子も障害児かもしれないのに。」と非難された。

出典:千葉県ホームページ(https://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/iken/h17/sabetsu/jirei


千葉県ってほんっっっとすごいよね。自分、他県民だけどマジで尊敬するよ。民度高すぎるよ。優しくてまっすぐで清々しい奴等だよね。

自分たちの一番見られたくない部分、一番醜い部分をホームページで公開してるんだよ彼らは。こんな誠実な県みたことないよ。


千葉県が障害者差別禁止条例を作ってから他の都道府県が一斉にマネしたけど、千葉県が圧倒的にすごいなと思うところは、ここまで誠実に、愚直に条例を作るのか?

と思わせるほど膿(うみ)を出し切ろうとする、真摯な姿勢なんだよね。


障害児がいるくせに、もう一人産みたいのか?なんて言われたら、普通は胸を痛めてしまうし、そんなのをホームページに公開したら千葉県のイメージが損なわれてしまうのに、職員はそれを知ってても、膿を出し切るためにこうやって公開してしまうんだよね。


素晴らしい県だし、恐ろしいほどの誠実さを秘めた県民性だなって思う。

さらに自分が差別を受けたことだけでなく、障害者が差別されてるところを見た人たちの意見すらもを、書き込んでいる。


これ↓とか、ほんとすごい。


■これ(差別を見た事例)

  • 茶店で学生2人が「アルバイトをしていた障害者施設で、職員が自閉症の子を投げ飛ばして、その子が大泣きした」という話をして笑っていた。
  • 友人のいる精神障害者グループホームへ行ってはいけないと言われている。

(上の千葉県のホームページより抜粋)


…千葉県民ってほんとすごいよね。どこまでも真っすぐで、人の苦しみを黙っては見てられないんだよね。

哀しいことや嬉しいこと、寂しいこと、全部公開してしまうんです。圧倒的なまでの誠実さを秘めた県民性だと思う。


醜い部分を隠そうともしない。自分が悪口言われて辛かったとかなら分かるよ。でもそうじゃない。そうじゃないんだ。辛いことを見てて見過ごすことができない人たちなんだ。

千葉県民は、猜疑心からの良心の呵責から、黙って差別を見過ごすことができない人たちなんだ。


素晴らしい人たちです。私はここまで筋を通す県民を見たことがありません。

しかも千葉県のホームページで差別の事例を公開するとか、さらに本を読んでいくと分かるけど、この条例を作る際の委員会は3つの立場の人たちで作っているんです。


■条例を作った3つの人たち

  • 差別をする健常者の人たち
  • 差別をされる障害者の人たち
  • 千葉県の障害福祉課の職員

…「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」。


この条例の日本語があまりにも綺麗なのは、障害のある人たちだけではなく、障害のない人たちにも暮らしやすい街づくりにしなければいけない

っていう理念が込められているからです。


だから差別する側の「障害者は生意気で偉そうで使えない」って言ってる企業で働く健常者の人たちも、障害者と一緒になってたくさん喧嘩して、お互いを理解しあって、何年も掛かって条例が制定されているんです。


すごい県だなあって思う。

「私たちだってボランティアじゃないんだ。ちゃんとお給料分働いてほしい。」って、言うべきことはきちんと障害者に言ってるんです。それで何度も喧嘩してお互いが納得し合って、条例を日本で初めて制定したんです。


千葉ってそういうところなんですよ。ええ。あそこは、そういう土地柄なんです。優しい人と変な人が多いんです。

自分じゃ絶対無理。盲ろう者(目と耳両方の障害者)の私は家から外に出ないし。

コミュ障で仕事だけしてればいいと思ってる。私の考えより彼らのほうが社会的だし、ずっと大人なんだよね。誠実でまっとうな人たちなんです。


千葉県って、そして千葉県民ってほんっとすごい人たちだといつも思ってます。前に住んでたけど、また千葉県に住みたいって思ってます。

千葉県に住んでたときの彼らの特徴は「すごく親切な人たちと変態の住まう街」ですね。

変な人もいるんですよ。そこが埼玉県との違いだと思ってます。