1年くらい前にあるインターネットのECサイト作ってる会社の最終面接を受けたことがある。
2時間も質問攻めにされ、私は落ちたのだ。
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そのときに2時間も説明を求められるから上手に話せなくなってしまい、人事部から「馬脚を現しましたね」という顔で嘲笑されたことがある。
幾つか私はそのときに思考していた。
まず第一に、この会社へは内定もらっても絶対に辞退しようと思っていた。
こういう圧迫的なことが日常的に起きる企業では、一部の社員がいじめを受けている可能性が高いからだ。
第二に、インターネット全般のスキルとリアルのコミュニケーション能力は相反し、反比例することを日本の人事部はまるで理解していないことを知った。
最近でもそうなのだが、Webサイト設計者に無理やりコミュニケーション能力を求めるのである。
凄腕のハッカー・ギーク・クラッカーの類で、リアルでのコミュニケーション能力(社交性と呼んでもいい)の高い人間なんて、この世に存在しない。
ノーベル賞を獲った科学者もそうだ。中村修二さんなんかは上手にインタビューに答えることができない。
そりゃそうだ。1日16時間も研究に没頭していたら、コミュニケーションを図っている暇なんて無いのである。
サイト設計者もブロガーもハッカーも同じだ。一人で黙々とコードを書いてスキルを磨いているのに2時間もリアルでちっとも金にもならん面接を受けて、
上手に喋れなかったら(金を稼げる能力はすこぶる高いのに)馬脚を現しましたね!ほれ、見たことか!と罵り、あざ笑うのは、恐ろしく知性の低い行為であるように見えてしまった。
1つのスキルを極めようとすると、それに対して脳の知的リソースと容量を思い切り使ってしまうため、1日16時間執筆活動とかすると、自分の家の住所と郵便番号を忘れてしまう。
あまりに論理的な文章を頭のなかで組んで思考し、考察し、論理的な文章を執筆していると、一部のインプットしていた記憶情報が失われてしまうのである。
兄弟が何人いたとか一瞬では思い出せない。数秒かかってしまうのだ。
実家がどこだったかとか、いまどんなゲームをやっていて、セーブポイントはどこだったか。
途中までやったのは覚えているが、どこまでやったのかなどは、忘れてしまうのだ。
つまり、リアルにおいてコミュ障であればあるほどネットにダイヴ(没入)したときに、その人のスキルは開花され、圧倒的な実力を発揮する!
コミュ障であるとは、サイト設計者としての能力の高さを明示させているに他ならないのだ。
普段リアルでおとなしい人のほうがネットではスーパーハッカーだったり、凄腕のエンジニアだったり、月間アクセス数200万を越えるプロブロガーだったりする。
そういう人はネットに脳を最適化させているため、リアルでは必然的に脳のリソースが少なく、コミュ障なのである。
人事部社員はそれを理解したほうがいい。
リアルで上手く喋れない人間はネットにダイヴするとぶっちぎりのエンジニアだったり、クリエイターだったり、マーケターだったりするのだ。
そんなことも(特に情報サービス以外の大企業)の人事部はまるで理解していない。
金の延べ棒が目の前にいるのに、それを自分の(または自分の働いている会社の)価値観でしか物事を判断できないから、スーパーハッカーやスーパークリエイターが大企業の面接試験では落ちまくるのである。
そんなこと思って面接を受けていたある日の一日であった。
正直、面接受けるくらいだったら、家で仕事してたほうがずっとましだと思っているのである。
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