障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

東京都内での上場しているお弁当屋さんの風景について

都内にある上場している企業のお弁当屋さんへ行って来た。

行って来たというか、たまに利用しているのだ。


☆☆☆


行ったのは、ちょうど午後の5時半頃だった。


私はお弁当を購入したあと調理に時間が掛るため、他のコンビ二やスーパーへ行って、別の買い物をしていることが多い。


そのときもそうで、スーパーで買い物したあと、お弁当の受け取りに再来店したのである。そしたら店内にはお客さんが一人いた。


75歳くらいの腰の曲がったお婆さんである。カウンターには店員が誰もいなかった。


少し奇異な光景だったため、1-2秒ほど足を止めて、私はその情景の意味を考察していた。


お婆さんはカウンターで店員が来るのをずっと待っていた。でも、店員は誰もレジの前にやってこない。


少人数であり2-3名ほどしかいない。彼らは全員が調理をしているのだ。


2名ではギリギリの人員であり調理が間に合わないのである。お婆さんは困った表情で、ずっとレジの前で待っていた。

でも、店員は誰も来なかった。


私は考察した。
このチェーン店のお弁当の価格は値上がりしている。


だけど、時給はほとんど増えていない。また、店員も最低の人員しか配置していない。そのため、大忙しなのだ。しかもパート・アルバイターのため、誰一人昇給・昇格しない。


弁当の価格は上昇している。売上も増えている。だけど、それらは従業員には支払われないから従業員満足度は最低であり、不正や嘘やごまかし、食中毒は起きやすく、売上から費用を引いた利益だけが激増しているのである。


上場企業は毎年過去最高益を更新している。だけど、従業員の調理は年々ずさんさを極めており、私はそのお弁当屋で食べたサバの味噌煮定食で食中毒を起こし、8回嘔吐したことがある。

だから滅多に利用しないのだ。


レジの前にお客様が並んでいても、昇給も昇格もできないお先真っ暗の雇用形態の店員では、お客様のために働きたいという労働精神は動かない。


努力しても努力しなくても、お給料は変わらない。

そのツケはずさんな調理やこのように客を平気で待たせ、適当な労働をするモラルハザード(労働意欲の失墜。手抜き労働)に転嫁され、お客が損失を被ることになるのである。


私は2度「すみませーん」と声を出したが、それでも店員は来なかった。

仕方が無いから3度目に怒鳴りつけたら、面倒臭そうな嫌々顔をして調理場から昇給も昇格もしない店員が一人やって来て、お婆さんはお弁当を買うことができた。


これが日本の東証一部企業の姿である。これが社会の公器と言われる(笑)、強欲な日本企業の低知性な非循環モデルである。


もう、最低賃金を2,500円まで上げてしまって、チェーン店は全部倒産させ、個人で経営しているまともなお弁当屋さん以外経営できなくしてしまったほうが、失業者は増えるものの、社会は全体として豊かになるのではないか?と、この瞬間私は考察した。


飲食店の契約社員店長も同じだ。利益は全部株主と正社員、そして一握りの経営陣にしか流れない。


99%の非正規社員と客という多数派すべてが損をする、(子供の生まれない、生む金が捻出できない)、非循環モデルが日本に構築されているのだ。


金持ちになったら日本を脱出すればいいので、既得権益は覆すことはできないものの、仕方が無い。


個人(ミクロ)は個人の利益の最大化のために生きなければ、社会システムを覆すことは不可能である。

これが私が出した結論である。


日本の経営者の能力の低さが、自分の利益と目先の金のことしか考えない強欲さが、よく現れた情景であった。

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