障害者新聞

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「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の感想と効果的な読書方法について

5年くらい前に鬼の岩波文庫が出版した「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を読みました。

読んだあと半年くらいは内容を覚えていました。


☆☆☆


それが、1年経ったあたりから、折角あんなに難解な書物を読み終わらせたのに、段々とどんな内容だったのか記憶が曖昧になっていることに気づきました。


プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、通称「プロ倫」の内容は、キリスト教の1会派にすぎなかったプロテスタントが、現代資本主義社会を作ってしまったという内容です。


プロテスタントの信者が世俗内的禁欲を世俗外でも同じようにするようにしたら、プロテスタントの経営者は他のあらゆる宗教及びキリスト教の他の会派の経営者をすべて殲滅させ、世界に「競走」が生まれた。

というお話です。


何言ってんのか理解不能だと思います。少し私の勉強がてら簡単に説明していきます。


当時のヨーロッパ社会は都市と都市が30kmくらい離れていました。だから、都市間に競走はなかったのです。


ある特定の都市には牛乳を売る店、洋服を作る店があり、それぞれ個人が経営していました。


キリスト教で一番勢力の大きい会派をローマカトリック教と言います。この人たちはイエス・キリストの教え「隣人を大切に」の思想からも分かる通り、町内会や役場を作って困っている人が街のなかにいたら、みんなで助け合おう!という人たちでした。


こういう思想の人たちが大多数を占めると、当然のことだけど、格差が発生しません


ローマカトリック教の人たちは自分の仕事に命がけになってモーレツに死ぬほど働くという人たちではなく、自分でお腹一杯ごはんが食べられれば、あとの残りの時間はすべて隣人を助けるために自分の時間を使いたい!という人たちだったのです。


それがキリスト教においてローマカトリックより小さな勢力であった、たった一つの会派である「プロテスタント」にすべて殲滅させられます。


プロテスタントの教えは原点主義です。聖書に書いてあることがすべてであり、それ以外は一切信じなくてもいいという考えを持った人たちでした。


そして、彼らはの思想の原点は「私の体は神々の道具の一部にすぎない」という、ぶっ飛んだ思想の持ち主だったのです。


これを教会内でクリスチャンたちだけでやれば、いまのような競争社会が世界に蔓延したりしませんでした。


だけど、プロテスタントの信仰をもった街の人たちはこれを世俗外で、つまり、普段の生活のなかでも実行してしまったため、現代の競争社会が発生してしまった。


週に5日労働して2日休むという世界共通の習慣が生まれてしまったと著者であるマックス・ヴェーバーは言うのです。


なぜ、プロテスタントが日常生活において聖書主義を貫くと、競走が発生し、日本も週に2日しか休みがないのか?


それは、プロテスタントの人たちは「私の体は私のモノではなく神々の道具の一部にすぎない」という思想から、そして禁欲の大切さを説く人たちだったため、ローマカトリック教の人たちより「死ぬほど沢山仕事をした」ためです。


いままで1つの街に1つしかなかった牛乳屋さん、洋服屋さん、加治屋さん、それらすべてをモーレツに働くプロテスタントが全部のお店を倒産に追い込む、イオンのような一大巨大企業を作ってしまったのです。


都市間競争がなかったのが常識だったのに、ある都市で牛乳屋さんを経営していたプロテスタントの社長があまりにも働くため、その都市だけでは飽き足らずヨーロッパ全土に牛乳を供給する一大大企業を設立してしまったため、他のすべての牛乳屋さんが倒産し、この巨大企業と戦える会社もヨーロッパ全土に2-3社しかおらず、その会社の経営者もやはりプロテスタントであり、最も安くて美味しい牛乳を販売するという猛烈な競走をしなければ、つまり、長時間労働をしなければ生活できない社会をプロテスタントが作り上げてしまったのです!


というのがプロ倫の内容となっています。


宗教内(世俗内)だけの禁欲が、世俗の外にまで出てしまったため、私たち日本人はプロテスタントのアフォが引き起こした一大競走社会に飲み込まれ、世界中の人たちが週休2日制で労働している。


つまり、週に5日も働いているのはプロテスタントのせいなんだよ。とマックス・ヴェーバーさんはおっしゃっているのです。(週休2日制のくだりは出てきませんw)。


このように、本は一度読んだだけでなく、どこかに読書感想文を書いておかないと忘れてしまいます。


同じ書籍を7回読もうとか言う人いますが、プロ倫は1回読むのにあまりの難解さから1ヶ月以上掛ってしまいます。そのため、7度読み返すと7ヶ月掛ります。


それが、読書感想文を書くという形式であればものの1時間で復習が出来、文章を書くことで理解を深化させられるだけでなく、こうしてブログに書いておけばいつだって読み返すことで、内容を頭に入れ直すことができるのです。


よって、私は本を読んだら読書感想文を書くという習慣を身に着けています。折角読んだのに忘れるのが嫌だからです。


プロ倫はいま書き出して見ましたが、ちょっと忘れているためなんか知らんけどイオンとか出てきてるし、少しど忘れしています。


でも、プロ倫の内容は大体こんな感じなので、まだ読んでいない方は、世界の人たちはなんでこんなに毎日働いているのか?


なんでこんなに競走しているのか?その「競走」という概念を作ってしまったのがプロテスタントの人たちなんだよ。


ということを覚えておくと(覚えていても教養が高まるだけなんだけど)、私たちがどのような世界に生きているのかを俯瞰できて思考の論理性が高まって良いかなと思って書き出してみました。

私の読書方法が参考になったのなら、とても嬉しいです!