文体とは何か?
それは「文章スタイル」のことである。
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文体には、論文形式、会話形式、叙述形式など様々なものがある。
ちなみに、このエントりーは論文形式で書いているから、語尾は「である」を採用している。
日本語の文章、ブログなどもそうであるが、それらを書いているときに一番気をつけているのが、文体と意味の充実度である。
こいつ何言ってんの?
と思われてしまうため、ここからそれを説明していく。日本語で意味を充実させるためには、どうすればいいのか?
これはとても簡単な命題(お題)である。同じ意味を持つ文章を短文で書けばいいのだ。
たとえば、”イデオロギー”。これはどういう意味なのかというと、イデオロギーとは、”社会階級ごとのものの考え方”のことである。
「社会階級ごとのものの考え方」は全部で13文字。イデオロギーにすると6文字で済む。意味含有量が多いのは後者であるイデオロギーのほうとなる。
だから、簡単な言葉よりも難解な言葉を使った文章のほうが、短文で意味を深くさせることができるのだ(論文で漢字を多用するのも、このためである)。
たとえば、”アイデンティティー”の意味は「自分が自分であることの自己証明。自分を証明できるもの」のことである。
「自分が自分であることを証明できるモノやコト」がアイデンティティーの意味である。
これも、自分が自分であることを証明できるモノやコトと書くと、長文になるため、専門家はアイデンティティーと略して意味を凝縮させているのだ。
横文字や難しい言葉は文章を紡ぐ上であまり重要ではない。意味を深める上で一番大切なのは「文体」である。
下記に同じ意味をもった文章を幾つか書いておくので、参考にしてほしい。
■文体7変化(全部同じ意味)
- 情報を制するものが市場を制す。(14文字)
- 情報を制するものが市場を制する。
- 情報を制するものが市場を制するのだ。
- 情報を制するものが市場を制するのです。
- 情報を制するものが市場を制するのであった。
- 情報を制するものが市場を制したりするのです。
- 情報を制するものが市場を制することもあるのだ。(22文字)
この7つの文章は、文体を変えただけで、全部意味は同じだ。
文学馬鹿ほど上の文章を好み、文章力の低い人ほど下の文章を好む傾向がある。あなたはどれが好きですか?
私は上から2番目が好きです。口調としては「~~る」が一番好ましいため、文章を省略しながら、この文体でブログを書こうといつも気に掛けている。
ちなみに、いま一番嫌いな文体が、口調形式の「~~なのです」である。これは意識して文体の勉強をして、できる限り短文でありながらも、読みやすく意味を凝縮するという文体の勉強が必要になってくる。
「このお弁当は美味しいです」を「このお弁当は美味いぜ!」にしたり、「今日はとても眠いのです」を「眠いでやんす」にしたりと、短文にしながらも面白く、そして読みやすくするために、ブロガーは常日頃から文体の勉強にかなりの時間を費やしているのである。
皆さんも日本語が好きなら色々な文体を修得し、文体7変かを楽しんでいただきたいと思う。
個人的には「~~る」が好きなので、この文体をできうる限り使って行きたいと考えている(笑)。
こんな感じで短文にして、だけど、意味を充実させ、まるで果汁100%オレンジジュースのように意味を凝縮させながらも、面白さも両立させる文章を、私は常に模索しているのである。