障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

人が死んでも仕組みは残る。

慶応大学病院へ通院すると、いつも思うことがあります。それがこの「人が死んでも仕組みは生き残る」という事実です。

哲学とメタ(上位理念)について、考えさせられるのです。


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「人が死んでも仕組みは生き残る」とは、どういうことか?


それは福沢諭吉先生が死んだあとも慶応大学病院という「人を治療し続ける仕組み」が生き残っていることを意味します。


慶応大学病院は救急医療もやっています。毎日心臓疾患や脳卒中で危篤状態の患者さんがやってきて、その命を日々救い続けているのです。


仕組みを作った福沢諭吉が死んで116年経ったいまでも、人を救い続けている。仕組みは生き残る。100年経った後も200年経った後も、患者を救い続ける。


この「仕組み」とは、生きている人間が作れる、もっとも価値ある後世への遺産であると言えます。


ノーベル賞もそうです。アルフレッド・ノーベルが創設したノーベル賞は、彼の遺産によって運用された資金が賞金となって、毎年授与されています。


ノーベルはもうお亡くなりになられて121年経ちますが、彼の創設したノーベル賞は121年後の今現在でも授与され続けており、人類の発展に大いに貢献しています。


数ある仕組みのなかでもっとも強いのがネットワーク外部性理論であり、そして一番社会に貢献できるのが、制度設計者が死んだ後も生き続ける仕組みなのです。


自分が死んだ後も仕組みが人を救い続ける。そこまで社会のことを考えられる大人になれるのかは分からないけれども、一時の成果よりも仕組みやルールを自分で作ってしまったほうが、社会を大きく変えてしまうことができるのは確かです。


私はコンテンツを作る人、漫画家、作家、ゲームクリエイターがデジタルコピーによってタダでコピーされるのではなく、使用された分だけコンテンツ制作者にお金が流れる仕組みを作りたいと思っています。


コンテンツを作った人がタダでコピーされてしまうと、コンテンツを作ることで生計を立てることができなくなり、ひいては、良質なコンテンツが育たなくなってしまうためです。


そのため、タダでコピーされない仕組みを作るのが私の生きているうちの目標であり、自分が死んだあともそれが運用され続け、クリエイターに収入が入ってくる仕組みが作れたらなと思っています。


私が生きているうちにやりたいことの一つが、この仕組み作りなのです。