障害者新聞

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なぜ、世界幸福度ランキング1位のデンマークは、格差社会にならないのか?

なぜ、世界幸福度ランキング1位のデンマークには、格差が存在しないのか?

それは学生と労働者を順位付けしないためです。

 

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いまデンマークの本を読んでる。本のタイトルは「消費税25%で世界一幸せな国、デンマークの暮らし」である。

これ↓


デンマークの本

書籍「消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし」

出典:カドカワストア(https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g201009000513/


で、なんでデンマーク格差社会にならないのか?

アメリカは1%の超お金持ちと99%の貧乏人の社会。


日本も高偏差値大学を卒業した人たちだけが高賃金の大企業に就職できて、残りは全員中小企業で働いている。

大企業は日本にある会社のなかでたったの0.3%の超狭き門。で、残りの99.7%が低賃金な中小企業な訳だ。


だから大企業に行けなかった労働者はほぼ一生よくて中流階級か、ほとんどが貧乏人で人生を終える。

やり直しができない。一度失敗したら人生終える。


で、なんで世界幸福度ランキング1位のデンマークは格差が存在しないのか?

その理由ですが、この国色々と狂ってるためです。


まず、日本は労働組合が会社別に存在します。

トヨタ自動車労働組合、ホンダの労働組合SONY労働組合などです。彼らは会社別に企業と賃金交渉してます。


デンマークは違います。デンマークでは全国単位で職種ごとに労働組合が存在するのです!

鬼やね。強い。労働組合が強すぎるんです。


たとえばデンマークに実際に存在する労働組合

このように職業別に全国規模で労働組合が存在しています。

で、大学を卒業して「デンマーク法学・経済学士組合」に加入したとします。


そして事務職に就職した場合、大企業に就職しても、そこら辺の従業員5名程度の中小企業に就職しても、お給料は同じなんです。

滅茶苦茶労働組合が強い国なのです。


たとえば、日本で地方の中小企業に就職したときの初任給は、手取りで18万円とか20万円です。

それがSONYトヨタの事務職だと手取りは22万円程度だけど、ボーナスが年に2回支給されます。


1年目はそれほど貰えないけど、大企業だと普通にボーナスが年で100万円を越します。

(中小企業ではボーナスなしや、1ヶ月分などのところが大半を占めます)

だから日本は一握りの大企業に就職できたか、できないかで、身分が決まってしまいます。


一握りの超お金持ちと、あとは全員貧乏人の社会です。

日本ではここにさらに下の身分制度があって、それがいま若者が働いている非正規社員です。


デンマークでは事務職ならどの会社に勤めていようがお給料は一緒です。そもそも、この国、偏差値が存在しません。

学生を順位付けしません。


テストで成績が悪いと卒業させません。

日本みたく偏差値30の高等学校で先生が適当に、ほとんど生徒に勉強を教えず、面倒もみず、卒業したらお先真っ暗なのに、卒業させるという行為をしません。


落ちこぼれたら、それはお前の自己責任。18歳まで努力してこなかったお前が悪い。だから18歳でもう人生の半分が決定付けられてしまう社会。

それが日本の格差社会です。

デンマークではこのように社会に落ちこぼれを輩出させたりしません。だから高卒の最低賃金が極めて高いのです。


大学もそうです。

デンマークでは、大学を卒業する年齢って20代の後半です。25とか28でやっと大学を卒業できるんです。


本に書いてあるけど、単位を取るのに1科目あたり、30冊から50冊の本を読まないといけません。

日本の大学のように遊んでる暇なんてないんです。


アルバイトしてる学生がデンマークではいません。

たとえば、「政治基礎論」という教科の単位をとる場合、勉強する科目は

  • 国家構造と民主主義
  • デンマークの政治制度と民主主義
  • 行政と民主主義
  • EUと国際社会問題

の4つの科目を履修しなければなりません。

そのために必読の教科書は全部でなんと35冊もあるのです。日本の大学の学生さん、息してますか?

民主主義とは何か、人に説明できますか?


日本人って要は馬鹿なんだよね。気づけとね。

デンマークからしたら鼻で笑われるほど勉強してないから、国際情勢も日米安保条約の中身も、何もかも知らない、分からない。

無知だから、知力が低く、頭が悪く、仕事の生産性が低いのです。


ほんと日本人って馬鹿が多いから、質の悪いテレビの情報なんか見ちゃって、政治家の不倫とかで発狂してるわけです。

ちなみに、「政治論と思想史」という科目では、過去の哲学者プラトンアリストテレス、カント、ロックの政治思想について学ぶのですが、必修の教科書がなんと脅威の54冊です。


アルバイトしてるデンマーク人の学生っていないそうです。日本の学生さん、息してますか?

日本人って馬鹿なんだよね。こんな超優秀な国の国民に敵うわけないじゃん。ね?


ちなみに、デンマークでは、大学を卒業するまでに必要な学習時間は、週40時間から50時間を推奨してます。

予習復習をしないと、大学の授業に着いて来れないためです。


一般的なデンマークの大学生は、平日5時間ずつ勉強して、土日は12時間ずつ勉強するそうです。

それだと5×5+12×2=49時間になるので、ちょうど50時間行かない程度は勉強して、大学の授業に備えられるんだそうです。


これじゃ、アルバイトする暇ないですね。ていうか、休む日すらないのね。あと高卒の大工さんも溶接工も、みんなスタート時のお給料は同じです。

どこの県で働こうが、どの会社に就職しようが、大工さんという職種を選んだ以上、お給料は一緒です。


高卒時の大工さんのお給料は労働組合が決めていて、高卒で全国一律で時給180クローネ(日本円にして時給2,700円)。

この報酬を増やしたければ3年半掛けて職業学校に通って、「建物構造技師」の資格を取得すると、月給制になります。


18歳で高校卒業したときの大工の最低賃金が時給2,700円。

で、3.年半掛けて21歳時に「建物構造技師」の資格を取得すると、建物構造技師の労働組合に加入できます。


これの初任給が月給制で、月約2万8,000クローネ(日本円にして月給42万円)

さらに大工としてのキャリアを積みたい場合、大学で5年掛けて「アーキテクト(建築技師)」の資格を取ると、アーキテクトの労働組合に入れます。


これの初任給が3万3,000クローネ(日本円で月給50万円)。

大体20代の後半で月給が最低でも50万円になるわけです。ほかの職業も大体こんな感じです。


そもそも偏差値存在してないから日本みたく一握りの優秀な人間にだけボーナス200万円とか配るより、労働組合がみんなに月給50万円ずつ配ったほうが、社会に格差が生まれず、住みやすくないですか?

という思想が根底にあります。


デンマークでは、転職しても、どの会社も同じ仕事内容ならお給料も一律同額なため、転職は無意味です。

そのため、職種を変えることで、お給料を増やしていきます。


職種を変えるには大工さんの例のように、国が設けた学校に社会人になった後通い、資格試験に合格し、資格を取得し、それぞれの労働組合に加入するのです。


そして、それらの資格を取得すると、それぞれの医師、大工、事務員、事務員補助の労働組合に入れて、そこでは一律お給料が同じです。

このシステムだと、誰もが既得権益団体に属するため、社会に落ちこぼれが存在せず、格差が消滅します


努力しない人は高校・大学を卒業させないため、全員がそれなりのスキルと高い教養を履修し、秀でた専門性を習得しなければ社会へは出られないよう、国が面倒を見ているのです。


落ちこぼれが社会に流出することを防いでいるのです。

そのために、消費税率が25%であり、また上に挙げた職業専門学校と大学と、義務教育課程の小学校中学校と、高等学校の学費はすべて無料です。


30歳や40歳になってやっぱり大学で勉強したい!って人には、すべての大学が無試験・学費無料で門戸を開けており、何度でもやり直せる社会が制度設計されています。


最近の日本の無差別大量殺人事件の犯人は全員若者で、非正規社員か元非正規社員の無職で、そのすべては低賃金労働者です。

無差別大量殺人事件を起こしている容疑者は、大卒で時給900円ちょっとです。


デンマークでは高卒の大工でも最低賃金が時給2,700円なのにね。それで自己責任とか言われたら、そりゃ人2~3人殺したくもなるわ。

日本は努力が報われない社会だから。


ただし、日本のZOZOTOWN前澤友作社長の総資産は3,500億円ありますが、デンマークでは高所得者層に対して、所得の7割以上が税金で取られまくるため、このような高い資産家にはなれません。


ユニクロの創業者の柳井正さんの資産総額は2兆3,200億円です。

若手のユニクロ社員は過労で死にますが、その代わり、社長の資産総額は2兆円を越えます。


日本では労働組合が弱いため労働者は不利です。でも、だからこそ、社員を搾取しまくってのジャパニーズ・ドリームがある訳です。

デンマークの若者は税金で高い技能を習得し誰もが専門家になれる。日本は労働者を搾取して年だけ取って専門性は一つも得られないけど、その分、搾取できて、年取ったらポイ捨てできて金持ちはより超金持ちになれる。ジャパニーズ・ドリームがあるわけよ。

一長一短あるのです。


デンマークではこういう、超がつくほどの大富豪がいません。

その代わり全国規模の職業別の労働組合が企業と賃金交渉してくれるため、最低賃金が日本の約3倍高いのです。


高卒で時給が最低で2,700円行くわけです。

一部の資産家に利益がほぼすべて吸い取られる超格差社会が良いか、それとも、誰しもが専門職に就き、自分の仕事に自信と誇りを持ち、20代の後半で月給50万円を越してしまう、格差のない社会が良いか。

の違いです。


本を読んでいて、上級職では月給50万円が最低賃金で、これでどうやって貧困になれるんだろう?

と思いました。

末恐ろしい国です。


小さいのに強い国っていうのは、国民がメチャメチャ勉強してて知能が高いし、それに比べると日本人ってほんとうにダラダラしてても楽に生きていける、努力しないで生きられる良い国なんだなーって思いました。

学校を卒業したら勉強とかほぼしないよねみんな。社会に出た後。学び直しとか。

だからそれをする人との間に格差が生じるわけで。そんなことを考えてました。