障害者新聞

目と耳の障害者が作った新聞です。社会の本質を書いています。

ネットの副業は金持ちをより金持ちにする場所であり、実に無慈悲である

社会全体を俯瞰すると、社会のなかで行われている経済活動は実に無慈悲であると分かる。

社会に慈悲はないのだ。


☆☆☆


『金持ちは夢を売り、貧乏人は夢を買う』という格言がある。

私はほぼすべての社会システムの趨勢において、その通りであると思っている。


いつの時代も、同じシステム(法則性)で社会は回っているのだ。

ただそれを金持ち以外のすべての国民が知らないというだけである。


ストックフォトという言葉がある。

スマホで撮影した写真をネットの特定のサイトにアップしておくと、その写真が売れ、お金が入ってくるというサービスのことである。


PIXTA(ピクスタ)やAdobe Stock(アドビストック)というサイトに会員登録を

し、スマホ一眼レフカメラで撮った写真をアップロードしておくだけで良い。


昔、撮った写真などでも良いので、ネットに上げて置けば、写真が売れて誰もがお金持ちになれる。

自分が昼間働いていたり寝ているときにも、写真が売れ続ける!優れた副業だ!

そう謳った本も数多く出版されている。


このようにだ。


Amazonで「副業 ストックフォト」で検索したときの画像

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出典:Amazon(https://www.amazon.co.jp)

本のタイトルを見ていくと、趣味をお金に替える、初月から10万円、月10万円ラクラク稼ぐ。

など、本を買わせる甘い言葉ばかりが並ぶ。


前回書いたナッシュ均衡は、1994年のノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュの理論であった。

2001年のノーベル経済学賞は、マイケル・スペンスの、市場が発達する動学性に関する業績、要はシグナリング理論である。


ストックフォトの副業の本が発売されるとは、どういうことなのか。

そこからはどんなシグナルを読み取れるのだろうか。そして、私たちに何を明示してくれているのだろうか。


ノーベル経済学賞の知見を使うと、こうなる。


■ストックフォトの本が発売されたことのシグナル

  • 1万冊も売れた人気の副業本だ(1万人の副業カメラマンのライバルが既にその市場にいる。競争するなら、あなたは1万1人目だ)
  • 写真で生計を立てているプロカメラマンが出した実践的な本である(本を出版するほどのプロカメラマンとの競争が、今後あなたを待っている)

写真撮影が非常に上手く、キヤノンのEF 16-35mm F2.8 L Ⅱ(16万円以上する高級レンズ)の様に、優れた描写力を持つレンズを使って撮影した写真は、実際に売れている。

ストックフォトを実際やってみた女子カメラマンの体験談がここに載っているが、カメラ20万円レンズ15万円として実際に得られた収入は月800円から1,000円程度である。


なぜか。それはシグナリング理論の通りであり、本は出版された後なのだ。

要は、既に競争相手が1万人以上いるのである。

そのなかで飯が食えるのは上位10名にも満たない。


1万人が競争して9,990人が負けて、残り10人が好きなことだけやって生きていく。

これがインターネットビジネスの本質である。世の中は無慈悲なのだ。


さて、ここからはミクロ経済学を使う。

インセンティブ理論とゲーム理論の話になる。


この社会システムという名のゲームにおいて勝つのは誰か?

とても簡単である。


ストックフォトの勝者はこの人たちだ。


■ストックフォト市場の勝者

  • 良い高校、良い大学を出て優良IT企業に就職した高収入ITエンジニア
  • 既に成功を収め本を出版するまでに至ったプロカメラマン

PIXTAで写真が売れると副業カメラマンが受け取れる収入は1枚につき27円である。

Adobe Stockで写真が売れた場合だと少し高くて、50円受け取れる。


それをPIXTA社は写真1枚167円で販売し、Adobe Stockは237円以上で販売している。

Webサイトを作り終え中身を作らず放置していると、副業カメラマンが中身を作ってくれる。


具体的には一生懸命に写真を撮り、アップロードして、サイトがどんどん充実していく。

なのにIT企業側が80%以上もの金を毟(むし)って、中抜きしている事実がある。


プラットフォームを作ったあとIT企業は放置を決め込む。

特に何もする必要はない。たまにバグを取るだけだ。


なのに金だけが大量に入金されてくる。そして80%以上の中間マージンを受け取れる。実に強欲である。

一生懸命副業をがんばろう!副業をがんばってお金持ちになろう!


というかなりまともな精神性を秘めた副業の大量のカメラマン側は、しこたま毟られる。

ネット企業という名の社会に搾取されるわけだ。


本を出版したプロカメラマンは1万冊売れたとして1冊2,000円で2,000万円儲かる。

しかも書店や図書館などにも本が並ぶから、知名度が上昇し、仕事の単価と依頼が増える。


何が起きているのか。私たちの社会では、一体何が起きているのだろうか。

プロカメラマンは本を出版し貧乏人に夢を見させる。


その夢は間違いではない。

実際に1万冊売れ1万人が読めば、そのうち1人はプロカメラマンまで上り詰められるからだ。

しかし残りの9,999人側は失敗する。月800円程度しか収入を得られない。


金持ちは貧乏人に夢を見させより金持ちになる。

そして良い高校良い大学から高収益IT企業に就職した理系エンジニアも、サイトを作ったあとは金がじゃぶじゃぶ入金され、より金持ちになる。

その原資は、誠実に、一生懸命に働く副業カメラマンから毟(むし)り取った金である。


インターネットは金持ちがより金持ちになる搾取の場所。狩りの空間なのだ。

これはストックフォトだけの現象なのだろうか。


この副業の教科書やらサロンや教室というものを私たちは聞いたことがないだろうか。

ブロガーの教科書、ユーチューバーの学校、インスタグラムで高収入のサロン。


これらネットビジネスはすべて同じ論理性であり、社会科学であり(同じ規則性がある)、最初に市場に参入した人のみが成功を収めているのである。

そして最初に成功した人間はまず真っ先に本を出版するか、副業の教室なるサロンを開く。


なぜなら、本業よりそっちのほうが儲かるからである。

そしてYoutubeの大学、ブログの教科書、SNSのサロンなるものを開き、金持ちはより金持ちになるのである。


金持ちは貧乏人に夢を見させる。

その夢はほとんどの貧乏人が叶えることができない。夢は夢だけで終わる。


ほぼほぼ全員失敗する。

しかし1万人に1人ほど才能をもった人間だけが成功し、その人はまた新しい教科書を販売するわけだ。


搾取の対象は常に貧乏人。インターネットは実に無慈悲なのである。

もしあなたがプロカメラマンだったらどう考えるだろうか。


絶対に金を稼げる実践的な教科書を自分のすべてのスキルを使って執筆し、たった2,000円ぽっちで出版するだろうか。

私だったらそんなゲーム絶対にやらないね。損しかしないし。


1万冊売れて1万人の強力なライバルを生む本なんて絶対書かないね。

結局のところノウハウ本を読んだだけでは頂点まで登り詰めることはできない。社会に上手い儲け話なんてない。


成功に秘訣なんてないし、楽して成功とかあり得ないのだ。世の中そんな甘くはない。

楽して月収10万円アップの副業とかあり得ないのである。


人生を捧げるほど副業に精を出さなければ、成功者までたどり着くことはできない。

こういうことを書くと、そんなことを偉そうに言って社会を斜めに見て批判するだけして、問題解決策は書かないのかよ。

と、読者様は考えるかもしれない。


このゲームで勝てる方法はないのか。

勝てる方法はない。

どのネットビジネスも同じで最初に参入できない以上、本が出てしまった以上、ほぼ負けが確定している。


しかしこのゲームを他のゲームと相対的に見ることでより勝てるゲーム、競争相手のより少ないブルーオーシャンを見つけることはできるのである。

インセンティブ(情熱を注ぐ場所)は、むしろこちら側にあるのだ。


ストックフォトにしろプロブロガーにしろ成功する確率は0.1%に満たない。

0.01%程度である。ユーチューバーも同じだ。


インターネットは競争相手が多すぎるのだ。誰でも始められるということは、誰もが始めてしまいライバルだらけだということに他ならない。


私たちは身近にもっと競争相手の少ない市場があることを理解していない。

それはどこか。答えは会社である。


会社では3~5人で一つのチームが編成されており、一人の上司がそのチームを管理している。

さらに3つから5つのチームで一つの部署があり、それを部長や本部長が統括しているのである。


例えば東証一部の上場企業で経理部だと経理チーム、財務チーム、連結決算チームで、それぞれ3名から5名の社員がいる。

それら各チームに1人の上司がいる。さらに経理部部長がこの3つのチームを統括する管理職として管轄している。


総務部にしろ法務部にしろ、というか現場だろうとすべてこの形態である。

各チームは同僚が3名から5名程度、チームがなく管理部など部署しかない場合でも、5名から8名程度の同僚しかいない。


もうわかっただろう。ネットで1万人の競争相手のなかからたった1人食べていける

プロカメラマン、ユーチューバー、プロブロガーになるより、職場で5人の競争相手のなかで一番になるほうが、恐ろしく競争難易度は低いのである。


なのに職場で一生懸命働かずダラダラ働いて、より楽なほうへ楽なほうへ行きたがる。

副業のほうが楽だから副業しようというふうになる。


実際、本のタイトルは楽して副業月10万円などが多く、彼ら楽をして金を儲けたい(そんなのは不可能だ)人にキャッチアップするのが非常に上手い。

でも、実際には、本業の仕事のほうが競争相手は少なくて、ずっとブルーオーシャンなのである。


正直副業に精を出すくらいなら出世するほうがよっぽど楽である。

なのに現実を見ようともしない。


高学歴のITエンジニアと既に成功した業界の第一人者だけがしこたま儲かる副業側で努力し、しこたま搾取され無駄なエネルギーを消耗しているのが現実なのだ。

何度も言うけど出世のほうが楽です。


1日16時間労働してブログで月収100円のときもあります。

はっきり言って同じこと会社でやったら絶対出世して、翌年から月給1万円は上がるから。


金持ちは貧乏人に夢を見せるために本やら教室やらを運営しているのであって、ライバルを作るためにやっているわけではないのである。

しかし、私も副業できるかも!などと頑張ってしまい、ひたすら金持ちに毟られまくる様をネットで見ていると


ほんと世の中は同じパターンであり、慈悲がないなと感じるのである。

楽なゲームがどこにあるのか、もっともマシなゲームで戦ってもらいたい。


切にそう願う。

インセンティブ(あなたが熱意を傾ける場所)はそっちじゃないのだ。


(おしまい)


P.S:10月11日と昨日にそれぞれ100円と2,000円寄付がありました。

寄付してくれた方ありがとうございます。


お給料が増えたそうで(私はまったく役に立ってないと思うのですが)、とても嬉しいです。

夜1時起きして8時間記事書いていまに至ります。


偶然ですが、ちょうどこの記事も出世して給料増やすべきだであり、社会科学としてそれが一番適切であると考えております。

それが一番勝てるゲームだからです。


額に汗水垂らしてしこたま働く。会社で必死に働く。成果を出す。

これが一番成功する確率が高いですし、誠実に生きるのが一番お得ですし、人間的にも成長できます。

まともな大人になれます。


ウチの記事が読者様のお役に立てたならほんとうに嬉しいですし、こちらも一生懸命にがんばるインセンティブ(動機)が湧きます。

寄付ありがとうございました。